ちなみに、先日早速見てきたのですが……うん、クソ映画ではなかったですよ!(面白かったとは言ってない)
以下にはこの、「ひぐらしのなく頃に」のあらすじを……貼りたいんですけど……ぶっちゃけこの作品、構成がものすごい複雑で、とてもでないですが一言で紹介しきれません。というか、作品の紹介文書いてたらそれだけで記事が一本まるまる埋まってしまうので、ひぐらしを知らなくて気になった方は、もうアニメなり漫画なり見てください(丸投げ)
さて、これ以下の内容はこの作品の内容全て、もしくは最低限概要だけは知っていることを前提に書いています。ですので、ひぐらし自体を全く知らない人は、この記事をここで読むのをやめてくださいね!
というか、初見はマジで凄い面白い作品なので、そんな初見の感動をこんなクソ紹介記事で潰してしまうのは冗談抜きでマジでもったいないから絶対読まないでください。アニメでも漫画でも小説でもゲームでも、なんなら今回紹介するドラマ版でもいいんで、自分に合う形でいいから一回見てきてください、マジで。話はそれからや。あ、でも映画版から入るのは……やめた方がいいです……(小声)
【②映画版&ドラマ版を完走した感想】
さて、前置きが長くなりましたが、お待たせしました。いよいよ以下では今回の本命、ドラマ版と実写映画版の紹介に入ります! ぶっちゃけ見る人からすれば「で、結局面白かったの? つまんなかったの?」という部分が一番気になるところだと思うので、それを中心に両作品の紹介&感想を書いていきますね。
【ちょーかんたんな内容解説】
鬼隠し編と罪滅し編にあたるエピソードについて、それぞれ一本ずつで映画化。2本目に当たる誓がものすっごい中途半端な終わり方をしていて、いかにも続編がありそうな感じだったが、1本目の製作が2008年、2本目の製作は2009年で、それ以降音沙汰はない。あっ……(察し)
【見た感想】
一応今回の記事を書くにあたって、もう一回見直しました。見た当時は「ひっでえ」と思った記憶がありますが、今見返してみると、「誓」については結構面白かったと思います。でもまあ、1作目の内容はお察しレベルですし、「誓」についても、総合してみると結構悪い部分が目立った
ような印象を受けました。 まあその分、誓には良い点も多いんですが……。
最大の問題は、日常描写がとにかく省かれていることでしょうか。それに咥えて、かなりホラー色が強く調整されているからか、主人公の圭一が村に着いた段階から、もうすでに「めっちゃ不気味な村」的な雰囲気が全開で漂っているんです。なんか、カーテンに顔こすりつけて校庭の圭一を覗いてるやつらがいたり、魅音&レナの過剰なオヤシロ様信仰描写いきなりぶっこんで来たり、速攻でバラバラ死体の件突入したり、何よりかなり重要な「部活」描写がほぼないので、日常わいわいパートがほぼないこととか……まあこんな具合で、かなり悪意ある描写の仕方をされているせいで、ひぐらしの醍醐味である「平和な日常があることをきっかけに崩れ去り、惨劇へ」という急転直下な感じはビックリするほど表現されていません。もうしょっぱなから、どう考えても惨劇に突入しそうな雰囲気満載なのです。これが実写化において、一番残念な部分だったと思います。誓についても、レナが信頼できる仲間たちとの楽しい日常を取り戻すために云々、というよりは、自分の身を必死に守るためにやったこと、という感じが強く出ており、この感じがあまり好きになれませんでした。
また、実写化に際してのキャストについての不満もよく挙げられる部分です。まあ、演技がどうこうとかはとりあえず置いておくとして、問題なのはキャラ描写。ひぐらしのメインキャラと言えば、その個性的な口調や仕草が特徴であることはご存知でしょう。魅音なら、自分を「おじさん」呼びであること、レナは「かな……かな?」「かぁいい」「お持ち帰り」などの口癖、沙都子はお嬢様言葉ですし、梨花ちゃんの代名詞は「にぱー☆」ですよね。しかしこの映画では、これらの特徴的な口調や仕草がほとんど出てこないどころか、服装も全く違えば、沙都子が髪長くて梨花がショートだし、圭一はなんかコミュ障気味だしと、もう原作に似せようという気が微塵も感じられないのです。もはやこれは、ひぐらしのキャラの名を使った別人。
唯一、魅音だけはなんとなくしっくり来たんですが……。
とまあ、個人的に残念だと思う主な部分を書いてみましたが、ただしですよ。ただこれ、ひぐらしの内容を知っている側からの意見であるため、ひぐらし初見であれば気になる部分ではないでしょう。しかし、逆に初見の方に対しては、今度は「2本見ても意味が分からない」という大きな問題がつきまとってくることになります。
1作目は、内容的には鬼隠し編に準拠しているはずなので、そんなに意味分からなくならないはずなんですが、この映画ではちょこちょこといらない部分でオリジナル色を出そうとしているせいで、物語が必要以上にややこしくなっている印象を受けます。特に、圭一発症以降の描写は酷かった。なんせ、おはぎの裁縫針は現物を手で掴んじゃうせいで、もう完全に本物が入ってたとしか思えませんし、レナは扉を閉めても室内にワープしてくるし、村人一行には突然追いかけられて神社境内駆け上がりレースが始まるし、魅音とレナの撲殺描写に至っては、なぜか1回多く寝て起きての描写を挟むこと&直接的な撲殺表現がないせいで、全体的にどこまで幻覚でどこまで現実なのかよく分からないことなど、いろいろと酷かったと思います。
なお、誓ではこの傾向がさらに顕著になり、雛見沢症候群はともかく、リカちゃんがループしてる設定の説明すらもまるでなかったせいで、なんで前作が何事もなかったことになってるのかよく分かんないことや、疑心暗鬼の一言で片付けるには幻覚が多すぎる&リアルすぎるせいですんなりはいってこないことなど、おそらく初見では全く持って意味が分からないであろう構成になってました。前作の謎が解けるどころか、そもそも謎が余計に深まってるんですが……。
まあ、なんかパラレルワールドっぽいことは示されているので、恐ろしく理解が早い人ならすんなり飲み込めるのかもしれない。たぶん。
また、「おいで、鉈女」のくだりに至るまでの梨花ちゃんの境遇の描写なんかが全くないせいで、マジで梨花ちゃんがただただ時間稼ぎするために頑張ってるようにしか見えないことも残念なポイントでした。
というわけで、結構文句ばっかりあげてきましたが、私が感じた映画版の評価としては「原作へのリスペクトが全く感じられないキャスト&内容的にもホラー寄りにしすぎて、ひぐらしの大きな持ち味を殺していた」というものでした。ちなみに、1作目があまりにもあれだったので、そういうものだと割り切って見た「誓」は、そういうものとしては結構面白かったです。役者の演技レベルが劇的に改善されたことや、それ単体の話の構成の仕方自体も(1作目の解答編としてはともかく)良くなっていたことなども「誓」を面白く感じた要因でしょう。
では、続いてはドラマ版の評価です。
【ドラマ版】
全10話。鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編、目明し編、罪滅し編の5本について、1話60分で各2話ずつを放送した。放送は2016~なので結構新しい。
【見た感想】
まず、映画版は各所にオリジナル要素を詰め込んでいたせいで(特に一作目は)どえらいことになっていましたが、ドラマ版はその逆で
「とにかく原作の流れそのままにドラマ化する」という姿勢が説明されなくても見えました。もうストーリーの流れがものすごい忠実なんですよ。そりゃ、基本的に1編につき2時間ですから、時間の都合で削っているところはありますが、特に出題編3編なんかはもうなかなかの原作リスペクト姿勢でした。部活描写あり、みんなで楽しく遊ぶ描写あり、と日常パートにもかなり力を入れており、それが一気に崩れ落ちていく様子の再現も良く出来ていたと思います。唯一、祟殺し編では結構削除された描写が散見されましたが、日常→崩壊→惨劇、の図式はしっかりと保たれており、尺の割に良くできていたと思います。
つまり今作は、近年の邦画にクッッッッッッッソ多い、アイドル主演ドラマだったんだよ! ウワーッ!(絶命)
つまりどういうことかというと、どう低く見積もっても中学生くらいの2人が「にぱー☆」とか「おーっほっほっほ!」とか連発してくるってことだよ!
それもそのはず! アイドルの皆さんの身長を調べて見たところ、レナ152、魅音156、沙都子151に対して、梨花ちゃんはなんと159もあるのです!
またドラマ版は、映画版とは違って、ひぐらしを知らない人がこれだけ見てもしっかりと全体の内容が把握できるようになっていたのも非常に良かったと思います。
【③雑なまとめ】
というわけで、ひぐらし実写版に対する感想をまとめてみましたが、どうでしたでしょう。私が言えることは、「ドラマ版は意外と面白いので、ひぐらしを知ってる人にも知らない人にも見てもらいたい」ということと、「映画版は(ひぐらしの内容知ってる人なら)誓だけ見ても話が分かるので、とりあえずそちらだけでも見てほしい」ということです。特にドラマ版は、主要女性キャラ全員アイドルということ以外は、マジでなかなかにクオリティが高いのでおススメです。