「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

レーザーチーム 俺たち史上最弱のエイリアン・バスターズ! のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

あけおめ!(激遅)

 早速だが新年のご挨拶はこの映画のレビューに変えさせていただくぜ!

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。


【予告編】

【あらすじ】


1977年に地球外知的生命体から地球の危機を知らせるメッセージ信号を受け取ったアメリカ政府。それから38年後、おバカな4人組がUFOの墜落現場に遭遇する。UFOの中身は対エイリアンの侵攻に備えて開発された超ハイテク・バトルスーツだった。4つ合わせて力を発揮するバトルスーツをそれぞれが別々に装着し脱げなくなってしまい、4人はチームとして最強のエイリアンと戦わざるをえなくなってしまう・・・。 Rating NR (C) 2015 LAZER TEAM PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………B
キャラクター……B
設定………………C

総合………………B
おススメ度………B

【良い点】

・意外にもバトルのクオリティが高く楽しめる

・ハイテンポ&なかなかのギャグセンスで飽きないシナリオ構成

・キャラ好き

【悪い点】

・映像的に多少雑な部分はある

・なんだこのラスト!?(ガバガバ

ギャグ全振りでアクションガバガバな感じのB級コメディ映画かと思いきや、意外とアクションシーンはしっかりしている&各所に散りばめられたバトルは熱い展開が多く、かつギャグセンスもなかなか高い、そしてストーリーは結構ハイテンポと、正直言って終始楽しんで見られた映画です。キャラクターもなかなか魅力があって良かったです。でも敵の宇宙人の最期ガバガバすぎへん?

【以下、ネタバレ注意!】

なんだったかのB級映画見てた時に、流れてきた予告を見て気になったので見た映画です。B級映画の連鎖はもっとやれ。

さて今作ですが、来るべき敵性宇宙人との対決に備えて開発された、4部位からなる1人用バトルスーツを、4人のアホが1パーツずつ身につけてしまったせいであーもう滅茶苦茶だよ、という内容の映画です。あーもう滅茶苦茶だよ(念押し)

では早速、詳しい内容を見て行きましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、シナリオ、アクションシーン、キャラクターなど、概ねの要素がハイクオリティでバランスよく仕上がっていることです。
 まず良かったのは、何といってもシナリオです。今作はパッケージやあらすじを見ての通り、コメディ方面に強く調整されており、全編通して結構アホっぽいノリで話が進行していきます。しかし一方で、アクション映画として押さえるべきところはなかなかしっかりと押さえられており、アホ四人組にスーツを盗られたヒーローおじさんの心境の変化や、アメフト二人組が過去の因縁を乗り越えて結束を果たすシーンなど、結構熱い展開も盛り込まれていました。この、ギャグと熱い展開の比率がなかなか絶妙で、普通にコメディ寄りのアクション映画として楽しむことができます。この配分はかなり良かったですね。

また、展開だけではなくバトルシーンの出来が結構良いのも今作の特徴の一つ。例えば、VSヒロイン戦や寄生された兵士戦、ラストバトルに至るまで、バトルシーンのクオリティは控えめに言っても高めです。まあ、「高速ブーツさんが走るシーンとかちょっと雑じゃね?」という映像的な稚拙さは多少ありますが、それをあまり気にさせない程度にはアクションの質は高めでした。四人が四人とも、自分が身に着けているスーツの使い方を模索しながらも、あくまでチームとして戦ってくれるのが良かったです。

そしてこれらのバトルシーンが、シナリオの合間合間の良いタイミングで挟み込まれるため、飽きずに最後まで視聴できるのも嬉しいところ。バトルだけ、ギャグだけにならないよう工夫されていて非常に良かったと思います。

そして、今作一番の見どころといっても過言ではないキャラクターの出来、これがまた良く出来ているんです。娘を持つ悩める父親に、その娘と交際中のDQN、知将に面白黒人枠と、ありきたりといえばありきたりながらも、彼らのキャラがコメディにしっかり合致しており、ストーリーに無理なく馴染んでくれていたのは高得点。また、そんな頼りない彼らがバトルシーンで頑張ってくれるのは見ていて爽快でした。

という感じで、コメディ向きなキャラクター、テンポが良く飽きの来ないストーリー、意外にもしっかりしたバトルシーンなど、今作はそれはもう多くの見どころがあります。しかし一方で、雑に感じる部分がいくつかあったのも事実。それこそが今作の悪い点で、以下にはそれについて触れてゆきましょう。

先ほど、高速ブーツ使用シーンなど、映像的に稚拙な部分があると申し上げました。しかし、それを補える程度にはアクションシーンの出来はいいのでそこまで気にならない、とも述べたように、これはこれでいいんです。言っても低予算映画ですから。問題なのは、ラストのクッソてきとーな展開、君だよ。

ここで、今作の大まかなストーリーの流れをひとつ。今作には、地球に攻めてこようとしている敵性宇宙人と、その敵性宇宙人の襲来を地球に伝え、バトルスーツを提供してくれた友好的宇宙人という二種族の宇宙人が登場します。しかし、実はこの件の黒幕は友好的宇宙人の方であり、彼らはなんと銀河中のあらゆる種族に同じバトルスーツを提供し、負けた種族の星は壊滅させると脅して種族の代表どうしをトーナメント形式で戦わせ、それを観戦して楽しむという、やきう民並のクッソ悪趣味な楽しみを持っていたのです。

その策にまんまとはめられ、スタジアムで戦いを強いられるアホ四人。立ちはだかる、バトルスーツ着用型敵性宇宙人。それを観戦するやきう民型黒幕宇宙人……という構図がラストバトルなのですが、なんとこのバトル、びっくりするほどアホらしい結末を迎えます。それは、お互いがスーツの最強武装である「暗黒物質光線」を交差させたことによって発生したブラックホールに、黒幕宇宙人の母艦が吸い込まれて終わりという結末。

いや、別にいいんですよ? この結末でも。でもですね、自分たちが開発したスーツに標準搭載されてる機能で撃墜されるとかあまりにもガバガバすぎるでしょ。しかもこいつら、暗黒物質光線が交差するとブラックホールが発生してヤバいってことまで知ってたのに、なんの対策も取らずに「暗黒物質光線を撃ち合ってはいけない(戒め)」というのをルールブックにちょろっとだけ書いて対策取った気になってるので草すら生えません。

まあ百歩譲って、その超危険なブラックホールが発生しても大丈夫なよう、射程圏外から観戦していたのになんか想定外のことが起きて壊滅、とかならまだ分かります。しかしこのアホども、対策もろくに取れていないクセして、ブラックホールが発生したら真っ先に吸い込まれる位置に母艦を配置するという迷采配っぷり。母星の命運かけたバトルさせといて、なんでお互い必殺技撃たない想定で試合させてるんですかね……こんな種族滅んで当然なんだよなぁ。

この、「自分たちで作ったオモチャに標準搭載の武装の対策を一切取っておらず、しかもその射程圏内に母艦を放置した結果あっけなく壊滅させられる」という展開は、いくらギャグでもちょっと……。「なんか四人のオーラ力が集まって想定以上の出力が云々」とかいうロボットものお決まりの展開ならともかく、マスターガンダム作っといてダークネスフィンガーに何の対策も取ってないとか、お前技術者として恥ずかしくないのかよ!? てかせめて母艦はブラックホールの射程圏外に置いといて、そこから観戦楽しめよ! なんでわざわざガンダムファイトをリングの中に入って見てんだよ! だから壊滅するんだよ(残当)

総評ですが、基本的にかなり良く出来ている映画です、ラスト以外は。ラストシーンがもうあまりにもガバガバすぎて草すら生えませんでしたが、それ以外の出来は本当にいいです。というより、全編通してギャグ的なノリが強いおかげで、このガバッガバなラストシーンもある程度ギャグとして受け入れられる……かもしれません。

いずれにせよおすすめの映画に間違いはないので、ラストに目をつむってとりあえず見てみてください! ホラ、見ろよ見ろよ。

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