「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

マッドムービー 遊園地残虐迷宮 のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

こちら、韓国映画だけど本編の半分くらいは日本語です。

レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】


日本と韓国のスタッフ・キャストがタッグを組んだサスペンススリラー。韓国の遊園地に遊びに来ていたアヤカとサオリは、そこでホラー映画への出演を依頼される。彼女たちは地下通路へと連れて行かれ…。主演は人気セクシー女優・吉沢明歩。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
エロ度……………A
設定………………D

総合………………C
おすすめ度………D

【良い点】

・エロ方面への突っ走り

【悪い点】

・設定が投げ気味

・ところどころ萎える粗い作り

事前に作品情報を全然調べてなかったので見る前は気が付かなかったのですが、メインキャラの日本人女性2名はAV女優さんらしいです。そのせいか、本編自体もホラーとかサスペンスとかいうよりは完全に企画物AVのノリでした。なんだこの映画。


【以下、ネタバレ注意!】

さて今作ですが、映画じゃなくてAVです。いや、一応映画なので本番シーンはありませんが、疑似本番シーンなら3、4回流れますぜ。その他にも胸出してる時間の方がホラーシーンより長いんじゃね? というような出来で、18禁コーナーに置かれないのが結構際どいラインの映画だと思いました。

まあ、一応映画なのでそれなりのストーリーはありますが、AVとしてはそこそこよく出来ているレベル、映画としてはダメなレベル、というような具合でした。でも私、そもそも最初から最後まで丸々しっかり見たことあるAVがホモビデオくらいしかないなので、普通のAVのレベルが、んにゃぴ……よく分かんなかったです(正直)

というわけで今作ですが、韓国の遊園地に遊びに来てた日本人女性2名が「ホラー映画、撮ってんだけど……出てかない?」とナンパされ、ホイホイついてったらナンパ男たちとともに廃墟に閉じ込められ、そこでゾンビの出来損ないみたいな奴らや謎のガスやらに襲われて、アクションしてセックスして回想でセックスして暴露してセックスして、最後はカメラに向かってメタ発言して終わる、そんな内容の映画です。こいついつもセックスしてんな。

というわけで、さっそく良い点から見てゆきましょうか。今作の良い点は、エロ方面に関してはとにかく突っ走ってくれているということです。

先ほどから何度か述べていますが、今作はAV女優が出演していることからも分かるように、ホラーに見せかけたAVです。そのエロに対する突っ走りと熱意は、エロも売りにしているような他のホラー映画で言うところの『エロいシーンもある』というレベルをはるかに凌駕し、もはや『ホラーシーンもある』というレベルにまでにパラメーターをエロ方面に全振りしていました。

一度エロシーンを流し始めると、ねっとりしたカメラワークでこれでもかというほどに視聴者にそのシーンを長々と見せつけ、間に別のシーンを挟んでまた長々とエロシーンを流す……というような具合で、終盤に至ってはもはやエロ描写以外の要素の方が少ないくらいです。この、「パッケージやあらすじとかを見た限りだと単なるホラー映画っぽいのに、ふたを開けてみるとAV(本番なし)だった」というのは、人によっては嬉しい誤算に成り得るかもしれません。他のエロを売りにしてる映画と違ってレンタルもしやすいしな!

でも、そもそもAV女優が出てるんだからエロいのは当たり前だし、本番がないという時点でAVより劣っているのだからエロいというのを良い点として掲げていいのだろうか、という思いも多少あったりなかったりしますが、まあいいや。

というわけで、今作の特長は以上でした。続いて悪い点を。今作の悪い点は、設定が投げ気味であるということと、ところどころに垣間見える作りの粗さです。

まずは今作の設定について。もうホラー映画というか企画物AVなんで、設定なんてホモビよろしくガバガバでいいだろ! と思われる方もいらっしゃると思うのですが、今作は腐っても映画ですから、そうは問屋が卸しません。まあ設定がガバッている部分は色々あるのですが、一番ダメだったのは超万能ガスに関する説明が全くないことです。

今作には、ゾンビなんだか血を流したエロ親父なんだかよく分からないモンスターが登場するのですが、こいつらを生み出したのは正体不明の謎の白いガスでした。さらに、主人公たちが閉じ込められた直後に彼らを探索に向かわせた原因も謎の白いガス、地下でゾンビに再度力を与えたのも謎の白いガスと、前半はもう謎の白いガスのオンパレード。

そしてそれどころか、後半のセックス祭りに突入した際にビッチをセックスに走らせたのも謎の白いガス、その女を凶暴化させたのも謎の白いガスと、今作はもう本編中正体不明の白いガスまみれなんです。もちろん、ガスに関する説明なんて一切なし! まるで、「とりあえず展開だけ先に考えてみたけどそういう展開に持っていく力がなかったから全部謎のガスにでもお願いするか」っていう事情を物語っているかのようでした。この謎のガスこそ、今作の悪い点である「スーパーご都合主義」「やりたいことだけやって整合性取る気一切なし」という姿勢を表す化身とも言えます。何でもかんでもガスに頼ってんじゃねーぞオォン!?

これに加え今作、基本的に面白くなくはないという部分をぶち壊すかのように、ツボツボで激萎えする展開をぶち込んでくるという才能にも長けています。例えば、せっかく一番の見せ場として用意したであろうセックスシーンへの持って行き方が「謎のガス浴びたから!」というご都合主義満載のクッソ萎える運び方しかできない部分であったり、この事件の黒幕さんが「モンスター」として登場させたゾンビモドキどもが、女を見つけるや否や噛みつくどころか服を脱がせたりガッツリ胸を揉みまくったりすることしかしてくれないので全く持って緊張感に欠けたり……と、今作は見せ場見せ場でしっかりやらかしてくれる。これが結構大きいんです。

まあセックスシーンはともかくとして、中盤の見せ場であるはずのモンスターたちが、いやらしいことしか頭にない変態親父止まりだったのはもうとにかく痛いです。いやこの映画の展開的に、モンスターに襲われる=犯される、という構図で攻めること自体は間違いではないのですが、この襲い方から〝本気で犯す〟という高い意識が全く感じられず、胸揉んで体舐めまわして、下にはノータッチでそれで満足、という小学生レベルの性欲しかこいつらが持ち合わせていないことが非常に腹が立つ

私は別に犯しても犯さなくても至極どっちでもいいんですが、モンスターを名乗る以上は襲いに行くなら相手を殺す気で、犯す気で行くなら本気で犯す気で来てくれないと、犯したいのか襲いたいのか単に舐めたいのか全然分からないクッソ中途半端な襲い方しか出来ないモンスターを出されても、それで話が盛り上がるわけないじゃないですか。それで緊張感を演出できるわけないじゃないですか。このくらいのクオリティでしか出せないモンスターなら、いっそ出すんじゃねぇと私は言いたい。エロを隠れ蓑にして逃げようとしても許さねぇ。

総評ですが、AV(本番なし)として見るならそこそこの出来、映画としては色々とダメといった具合だったと思います。とにかく舐めプモンスターで萎える。この映画のラストでヒロインが「あんたこんなくだらない映画見て楽しい? ほんと趣味悪い」的なことを言うのですが、その一言に全部詰まってる気がします。

とはいえまあ、〝エロ方面に突っ走る〟という意気込みだけは見えたので、全部が全部ダメで全く無価値な映画かと言われるとそうでもなく、黒幕が付箋をめくりながら次の展開を示唆するなどのなかなか面白い演出もあったりしたので、総合評価的にはCにとどめておきました。でもまあエロが見たいんならホモビでも見ればいいと思うし、やはり評価はしがたい作品ですね……。

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊