「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

処刑女 のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

コスチュームがセクシー……エロいっ!(盲目)

レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】

“殺しのエクスタシー。 閑静な郊外に一軒家を購入したローリーとヒュー。彼等は誰もが羨む幸福なカップルであった。だが週末に、マイホームに引っ越した二人に衝撃の都市伝説が告げられる。 近所に建つ、荒れ果て放置された廃校。かつてここで大量殺人があり、ただ一人生き延びた犠牲者が、精神を病みながら未だにその廃墟に潜んでいるというのだ。 笑って取り合わないローリーとヒュー。しかし、その夜。訪れた友人達とくつろいでいた二人に、絶叫が襲いかかる―。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
設定………………C

総合………………D+
おすすめ度………D

【良い点】

・安定感あるよな

【悪い点】

・盛り上がりに欠ける

・びっくりするほど内容が普通すぎる

もうとにかく〝普通すぎる〟この一言に尽きます。ストーリー、キャラ、設定、どれをとっても非常に程よい配分というか中途半端というか、面白みに欠けるというか見どころに欠けるというか、もうとにかく普通すぎて個性がない。見てもクソつまらなくはないですが、何も得られるものはないというある意味最も無価値なタイプの映画だったのでDランク評価にしておきました。

【以下、ネタバレ注意!】

まるで、映画の開始5分くらいで流れる敵殺人鬼の性能紹介のためだけのモブ殺戮オープニング映像を90分に引き伸ばしたみたいな内容の映画だぁ……(直喩)

とりあえず中身がなさすぎるんだよね、それ一番言われてるから。

というわけで今作ですが、引っ越してきた新婚さんがホームパーリィしてバカ騒ぎしてる間にお隣の廃墟に住む殺人鬼が闇夜に紛れて暗殺を楽しみ、翌日影の薄いメインキャラたちを切れ味抜群のナイフとムチとドアで葬り去ってゆくのですが、ヒロインとのタイマンに見事敗北して一転攻勢されるも、油断と舐めプをしまくったヒロインに対しさらに一転攻勢、ボコボコにし返して立ち去るというお話です。舐めプする奴は死んで当然、慈悲はない。

では早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。今作の良い点は、全体的にとにかく普通なのでそこそこの安定感だけはあるということです。

もう何度も述べていますが、今作一番の特色として挙げられるのが、もうびっくりするぐらい〝普通〟だということです。序盤にホームパーティーの開催がどうこうでモタモタしている感じだとか、作中で上がってきた疑問を丸投げしてそのまま何の解決にもなっていない終わり方をする点だとか、程よい頭の悪さであんまり個性がないキャラクターだとか、多すぎず少なすぎずな配分をされる殺される人数だとか、もう何をとってもとにかく平凡で普通、普通すぎるのです。

しかしまあそのおかげで、見ていて糞つまらないということはありませんし、終盤を除けば目について酷い部分はありませんので、全体的なバランスとしてはなかなか安定しており、視聴を続けること自体は比較的容易です。はい、以上。

では続いて悪い点を。今作の悪い点は、盛り上がりに欠けるということと、内容がとにかく普通すぎて色がないことです。というか、見終わっても感想らしい感想が出てきません。

もう今作のキーワードとして外せない〝普通〟ですが、確かにほかにも、平凡すぎる作品やとにかく個性がない作品というのは数多くあります。しかし今作に至っては、その中でも頭一つ分飛び出るほど〝普通〟なんです。いや、この場合は頭一つ分引っ込んでいると言った方がいいのか? まあそれはよく分かりませんが、とにかくそうなんです。じゃあ何がそれだけ普通なんだよというと、その原因として考えられるのは主にストーリーとキャラに関する要素、この2つだったと思いました。

まずストーリーについてですが、今作のストーリーは上にも書いたようにいたって単純明快で、若者グループが正体不明の殺人鬼に襲われ、訳も分からないまま逃げ回ったり反撃したり返り討ちにあってみたりと実によくあるタイプの構成。

これだけならまだしも、今作は殺人鬼の殺人描写の配分が非常に微妙なラインに立っており、大量虐殺という方面で花を咲かせるような人数は殺さない一方、一人の人間を執拗に追いかけるような恐怖感を演出しているという方面に立てるほどのものでもなく、では気合の入ったスプラッターシーンで魅せて来るのかと言われると全然そんなことはない……と、全部が全部とにかく中途半端であることが挙げられます。

せっかくホームパーティーやってて大量虐殺殺人鬼としての実力を見せつける舞台が整っているのにそこでは外にいる数人しか襲わなかったり、ヒロインや主人公たちを追い詰めたせっかくのスプラッターチャンスは棒でボコボコに殴るだけにとどまったり、ナイフは切れ味良すぎてなんかギャグみたいに見えてきたり……と、悉く自分から盛り上がりそうな場面や機会を潰してゆくその姿勢。

そして大問題なのが次、キャラに関する部分です。今作のキャラは程よく頭の悪い若者グループと謎の殺人鬼女がメインなのですが、これがもうこの中で個性的な人間、印象に残るような人間というのがまあいない。若者グループたちは当然ながら、殺人鬼女についても「なんか昔大量に殺したことある人らしい」ということ以外全然背景が語られず、今までどこでどんな生活を送ってきた人だとか、その正体は誰なんだとか、なぜ無関係な人たちを殺して回るのだとか、その辺のことが全然語られないのでもうとにかく魅力ゼロ。よく知らない人たちがよく分かんない人に殺されていくだけの様を眺める心境は、さしずめモブがモブを殺して回っているかのような感想を覚えたほどでした。

総評ですが、もうとにかく印象に残らない映画です。ストーリー、キャラ、設定など、この映画の全てが「記憶に残すこと」を許してくれません。なんていうか、他の映画でいうところの「とりあえず開幕は殺人鬼にその辺のモブ殺させる映像入れて掴みにしたろ!」というような趣旨の映像を90分丸々使ってやっているかのような……この後本当の主人公たちが登場して本編が始まるかのような、そんな感想を抱いた映画でした。正直なところ、これを見たからと言って得られるものなど何もないというある意味一番無価値なタイプの映画だと思うので、見なくていいと思います。

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