これはテラスハ○スですね、間違いない……。
ちなみに私はテラスハウス見たことないので、本編リスペクトネタとかあっても全く気付いてないです。あくまでもそういう視点からのレビューということでご了解ください。
レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“男女6人の共同生活を記録したとあるテレビ番組「テラーオブハウス」。 彼らはみんな、自ら””志望””している夢を叶えるために、このルームシェアをしている。 卓哉は曲を作り、智子はオーディションの日々。そして、由佳里は漫画を描き続けていた。 そんなある日、新メンバーの野々村美咲がやってくる。 美咲もまた、女優””志望””であり、恋や夢を語り合うその生活に憧れてやって来た。だが、実際に出演してみると、何かがおかしい事に気がつく。 夜な夜な響きわたる、不気味なノック。窓に浮かび上がる、謎の女性と、血の手形。感電しても死なない卓哉に、怪我をしてもすぐに治る由佳里。 不細工なのか、腐っているのかよくわからない篤郎の顔面。それはあまりに、テレビで見ていた世界とはかけ離れていたのだ。そして、美咲は、とある仮説を立てるのだった。 「もしかして、みんな、””死亡””してない?」(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー………C
キャラクター……C
設定………………B
総合………………C+
おすすめ度………C
【良い点】
・テンポは悪くなくイベントも多いので飽きずに見られる
・伏線回収が非常に丁寧
【悪い点】
・全体的に盛り上がりに欠ける
・中盤の展開がだるい
率直に言うと、「結構よくできていた」という感想を抱いた映画です。序盤こそ少しだれ気味ですが、謎を提示してゆくタイミングはなかなか悪くなく、謎を何層にも重ねて展開してゆくことによりオチに至るまでしっかり飽きずに見続けることができました。また、オチパートに入って謎が解けた時の伏線回収もかなり丁寧で好感が持てるので、オチの部分の盛り上がりというか、それまで謎だったことが一気に解けていく感じはなかなか心地よかったです。
半面、(人によるでしょうが)中盤の展開がだるいと感じた事や、オチに至るまであんまり盛り上がってこないことなど痛い部分もあったので、総合的には「よくできているけどそれほど面白くはない」という評価で落ち着いてしまいました。
【以下、ネタバレ注意!】
登場人物「本当にずっと出演者が住んでるわけない」
元ネタにケンカ売りまくってるんですがそれは大丈夫なんですかね……?
さて今作ですが、某テレビ番組をモチーフにしたホラーサスペンス映画です。まあ、概要については上記のあらすじを読んでいただくとして、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、テンポが悪くなくイベントごともそこそこの頻度で起きるので飽きずに楽しめることと、伏線の回収が非常に丁寧なことです。
今作、夢を追いかける男女6人が一つ屋根の下で共に暮らすという状況を取り扱った映画なのですが、主人公が「実はここの住人はもうみんな死んでいるんじゃ……?」ということに気が付き、その状況に向き合ってゆく……という内容が本題となってきます。
その本題に入る前、すなわち前半部分でみんなが普通に暮らしているだけのシーンは少しゆっくり目の進行でそれほど面白みもありませんが、この時から窓に映る謎の女や毎晩鳴り響くノックの音など、後半に続く謎や伏線イベントが順次投入されてくるため、「この謎の正体は?」「どうしてこういう現象が起きているのか?」などなど色々と考えさせられることが多く、とりあえず飽きずに視聴を続けることが出来ます。
そして、ここからが今作のすごいところで、まあオチ事態は結構ありがち、かつ読めてしまう部分も多いとはいえ、それまでに提示してきた謎や伏線を決して放置することなく、そのほぼ全てを丁寧に回収し、謎がほとんど残らない状態でエンディングを迎えてくれるというのはかなりの好印象でした。
一部の人にしか聞こえないノックの音や毎晩同じ時間に起こる怪現象の正体、この番組の初期メンバーの面子の謎など物語の根幹に関わってくる謎はもちろん、出会い頭になぜかテーブルの下から出てきた女性の行動の謎などかなり細かい部分の伏線もきっちり回収してくれたのには驚きました。この、提示された謎もきっちり解いてくれるという構成のおかげで、今作は全体的にかなり良くできているという印象を受けました。
良い点は以上でした。では続いては悪い点を。今作の悪い点は、中盤の展開がだるいということと、全体的に盛り上がりに欠けるということです。
この映画、細かい伏線回収や程よいイベント配置などの飽きさせない工夫がしっかりとなされており、それなりに興味をもって視聴を続けること自体はできるのですが、では「面白いのか?」と言われるとそこがまた何とも言えないところ。そう思う原因は主に二つあります。
一つは、主人公が「実はここの人たち全員死んでるんじゃ……?」ということに気が付き、それをみんなにカミングアウトする中盤以降の展開がどうにもしっくりこないこと。しっくりこないというか、この映画における見せ場であるはずのそのシーンが妙に雑な扱いを受けており、主人公がそれに気が付く動機もイマイチ雑ならそれをみんなが受け入れる件もイマイチ納得がいかない、という具合。
さらに、みんなが死んでいることが発覚したのならそのまま他の謎もきれいに解いて一気にゴールインしてしまいたいところを、この映画はその「みんなが死んでいることを受け入れてなお共同生活をする」という部分を描きたがっていたので、ラストまでの間にかなり間がある、というのも個人的には結構だるかったです。別にそこの部分はたいして面白いわけでもなかったので、中盤以降は大きな失速を感じました。
そんなわけで、前半は前半で謎を積み上げてゆく&状況説明&日常会話に大半を割いているのでこれといった見せ場もなく、中盤の展開はイマイチしっくりこず、後半もオチに突入するまではこれといった見どころもなかったり……と全編通して盛り上がりに欠ける、というのがこの映画を素直に「面白い」と言えなかった二点目の理由です。
しかも、まあ全員死んでいるということについてはともかく、夜な夜な問題になるストーカーの正体や大きな蕪デッキブラシ事件の件などちょこちょこと先の展開が読めてしまう部分がある、というのもサスペンスとしては痛いところ。また、伏線回収自体は見事ですがオチ自体は結構ありがちで驚きにも欠けていたり……と、なかなか厳しく見てしまう部分も多かったように思います。
そんなわけで総評ですが、伏線回収の見事さや飽きさせずに完走させる技量などに関し、「よく出来ている映画」だと思う一方で、ギャグともシリアスとも取りにくい中盤以降の展開が個人的にはあまり好きになれず、またオチに入るまでの盛り上がり不足も重なって「面白いというほどでもない」という評価も同時に下したくなるような、そんな映画でした。本編中の謎がオチで一気に解けてゆく感覚は素直に評価できますが、中盤がどうしても受け入れられない。
そうは言っても、ゴミ箱直行の作品も多いジャパニーズB級ホラーの中では確かな個性を放っている作品ですから、気になった方は見てみてもよいのではないでしょうか。