「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

スタング 人喰い巨大蜂の襲来 のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

レンタル版を字幕で見ました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】

“ヤツらは飢えている― ケータリング会社で働いているポールとジュリアは郊外の屋敷で行われるパーティーの仕事を受ける。 パーティー当日、準備の最中、ポールは蜂よりも一回り大きな昆虫が屋敷の周りで飛び回っているのを発見するも、準備に忙しく大したこととは考えなかった。 しかしパーティーが始まると、土の中からポールが見た大きな蜂が出現し、人を襲いはじめる。 謎の蜂はただ人を襲うだけではなく、寄生した人体の中で内臓を喰うことでさらに巨大化し、やがては人体をぶち破り外に出てくる。 パーティー参加者のほとんどが殺される中、屋敷の主人、市長と地下室へ逃げ込んだ二人は、謎の人喰い巨大蜂の正体を知ることになる。 二人は人喰い巨大蜂の襲来から生き延びることができるのか―(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……B
キャラクター………B
設定…………………C

総合…………………B-
おすすめ度…………C

【良い点】

・モンスターのクオリティが高い

・キャラがなかなか魅力的

【悪い点】

・多少盛り上がりに欠ける

以外にも真面目にモンスターパニックしている映画で、序盤から飛ばし気味に進めてくれるのでなかなか楽しめました。半面、モンスターにも見慣れてくる中盤~終盤にかけては盛り上がり不足なのも否めず、終始すごく楽しめた、という映画ではなかったです。総合評価としてはC+に限りなく近いですが、個人的好みや意外にも真面目に作ってあったことを評価してB-にしておきました。

【以下、ネタバレ注意!】

クソみたいなパッケージから飛び出したかなり真面目に作ってある内容に困惑した。

さて今作ですが、山奥の屋敷でパーリーしてたら庭に空いた穴から大量の蜂が飛び出してきたうえ、それに刺されると人間の体内から人間より一回りデカいサイズの蜂が飛び出してくるので大パニック、出席者はほぼ死亡したけれど主人公とヒロインが頑張ってお約束の大爆発からお約束の増殖エンドを迎える映画です。

というわけで、さっそく詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、モンスターのクオリティが高いということと、キャラがそこそこ魅力的であるということです。

まずは肝心要のモンスターの出来について。今作に登場するモンスターは、サイズこそ違えど大型の蜂ただ一種類だけなのですが、こいつらのクオリティについてはなかなか目を見張るものがあります。結構滑らかな動きで不自然さを感じさせず画面中を飛び回ってくれることはもちろんのこと、グロテスクな質感や人間の肌を食い破って出てくる描写などもかなり良い感じで、特にその描写が多めの前半は画面映えもしっかりしていていい感じ。

さらに、造形こそ蜂に似た大型昆虫止まりですが、人間を食い破って孵化した際にはその人間の頭などのパーツが付いたままになっていたりするので、もとは人間から出てきたモンスターだということを嫌でも意識させられたり、という工夫が見えたのもgood. 総じて、B級モンスターとしてのクオリティは充分だったと言えると思います。

また、モンスターと対をなして話を引っ張っていってくれるキャラクターたちに関しても、今作は標準以上の出来を保っていたと思います。モブも含めモンスターパニックにしては登場人物は少なめですが、その大半をジジイババアで固めたことにより序盤から容赦ないテンポで殺戮シーンを流すことが出来ていたので話をだれさせず、しかしメインとなる主人公ヒロインペアにはちゃんと視点を当てて描写しており、2人のキャラをしっかりと立たせることに成功していました。

なんとも一般人の空気漂う主人公の成長をしっかりと感じ取れたことや、泣き言を言わずに自分からしっかり動いてくれるヒロインに対して好感を覚えることが出来たのは非常にうれしいところだったと思います。戦闘でも会話でもしっかりと魅せてくれるこの2人と、モンスターのクオリティに支えられているおかげで、今作には見どころがそこかしこにちりばめられていました

それでは、良い点は以上でした。続いて悪い点を。今作の悪い点は、どうしても多少盛り上がりに欠けるということです。特に中盤以降の失速感は否めません。

今作の盛り上がり不足の一番の原因は、やはり何といってもモンスターでしょうか。モンスター自体のクオリティは確かに高く、そこに施された工夫などを見つけるのも確かに楽しいのですが、半面登場するモンスターは大型蜂一種類のみであることに加え、進化の過程でサイズこそ変わっていきますが、基本的に主人公たちは終始逃げに徹している&サイズが変わっても主人公たちの取る戦い方が変わるわけでもないため、どうしても見慣れてきてしまう中盤以降は戦闘面での盛り上がりに欠けるのです。これが、今作を「面白いっちゃ面白いんだけどイマイチ物足りない」という評価止まりにしてしまっている一番の原因だったのではないかと思います。

これに咥えて、今作で登場する舞台は人気のない山奥の屋敷だけであるため、戦闘ステージに変化が乏しいことや、大量虐殺があるのは序盤くらいであること、またどうにも話のスケールが小さくイマイチ危機感が感じられないことなども、今作が盛り上がり不足に陥っている一因だったと思います。

総評ですが、モンスターのクオリティの高さや、主人公&ヒロインに好感が持てること、また各所にしっかりと見どころがあることなどに支えられ、なかなか楽しめる仕上がりにはなっていたのですが、半面見どころはある一方でモンスターにもステージにも慣れてくる中盤以降はモンスターパニックとして盛り上がり不足感が否めず、総合的には限りなくC+に近い映画だったと思います。個人的には、このモンスターの出来栄えには満足だったことと市長のおっさんのキャラが好きだったので、そのあたりを加味してB-に昇格しておきました。なんだかんだ結構面白いので気になった方は是非!

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