レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“写真家マーティンとクインシーを始めとしたグラビア美女グループは、自然光が美しい極寒のアラスカ州にロケーションに出かける。 水着の美女たちを白い雪で覆われた大自然の中に配置して芸術的アート写真を撮ろうとする彼らを、地元の経験豊かなハンターと宿泊ロッジのオーナーが迎える。 「この辺には鋭い牙と鈎爪を持つ人喰い熊が出没するらしい」と皆に警告するロッジオーナーだったが、そんなことは噂に過ぎないとやり過ごすマーティン一行だった。 時を同じくして、バイオエンジニアリング会社のクロービッチ産業が過酷な自然の中でも長生きできるように北極グマを遺伝子組み換えする実験を長年に渡り実施した末、 獲物を冷酷に狙い、攻撃して、そして食するバイオテックな人喰いグマを創造してしまう。 この人食いグマから自分のゲストであるマーティン一行を守ろうとする、ロッジオーナーとハンターだったが、 このバイオ人喰いグマは人間の想像を遥かに超えた知能と闘争本能を兼ね揃えた最強のモンスターだった・・・。 果たしてサバイブするのは人間か、それとも自然界最強のバイオ熊か! 壮絶な生き残りの戦いが今始まる!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー………C
クマの質…………C
キャラクター……C
設定………………C
総合………………C
おすすめ度………C
【良い点】
・飛び抜けてダメな部分はないので安心して見られる
【悪い点】
・全要素が普通どまりで見どころに欠ける
可もなく不可もなくな印象が強いというか、色々と普通で見どころに欠けるという印象がかなり強い映画です。だからこういう可もなく不可もなくな映画が一番書くことないって言ってんじゃねーかよ(半ギレ)
【以下、ネタバレ注意!】
それでは早速、今作の良い点悪い点を見てゆきましょう。まずは良い点から。
この映画の良い点は、全体的に見て致命傷となる部分がないので、安心して見ていられることです。
先にも述べましたが、今にも爆発しそうな外れ臭漂うパッケージからは信じられないほど普通で無難な内容のこの映画ですが、まあ魅力があるかどうかは別として、見ている分には割と普通に見ていられるというのはありがたいポイントだったと言えるでしょう。
例えばストーリーの出来をとってみると、最初の犠牲者が出るまでのテンポの悪くなさや、終盤にラッシュで人が死んでゆく流れなどの出来具合はまあまあですし、クマのクオリティもあまり作り物感を感じさせない出来でそこそこ悪くなく、キャラも一人一人の印象こそ薄めですが、まあまあかっこいいおっさんや屑役などいるべき人材はちゃんと出そろっていて、設定も最低限の理由付けはされており……とまあこんな感じで、抜けて悪いと言える部分がなく、ある意味手堅い作りだったと言えるのではないでしょうか。
それでは、以下には悪い点を。今作の悪い点は、全部が全部普通どまりで見どころに欠けるということです。
作り自体はなかなか手堅く、明確に悪いといえるほどの部分はないと先ほど述べたところですが、半面良いといえるほどの部分もないというのはかなり大きなマイナスポイントでした。
例えば、ストーリーは前半のテンポと後半のラッシュは悪くない半面、クマにも状況にも慣れてきてしまう中盤は結構退屈気味でしたし、クマのクオリティ自体は悪くない半面、クマ自体があんまり映らない&襲い方にも芸がなく、モンスターとしては迫力にも魅力にも今一つ欠ける、というのは痛いところ。
さらに、いくらバイオ技術で改造されているとは言っても相手は結局凶暴なクマどまりですから、襲撃のバリエーションやビジュアル的に魅力を出すのには限界があるので、あとはキャラクターたちの反応を使ってモンスターに足りない恐怖感などを補いたくなるのですが、このキャラクターたちの出来についても普通どまりなのでそれもなかなか難しく……と、全編にわたり緊張感不足だったのは否めませんでした。
しかも、「遺伝子をいじって凶暴になったクマ」というこれまた中途半端な設定を付けていることにより、モンスター的な立ち位置が野生動物というよりは遺伝子改造型モンスターに近くなってしまっているというのもいただけません。よくある遺伝子改造モンスターとしてはビジュアル的な魅力が圧倒的に不足しており、かといって野生動物としては行動原理が明確すぎるので「分からない」という恐怖感もない……という具合。この、ストーリー的には遺伝子改良型モンスターものなのに出てくるモンスターの外見はただの野生動物、というミスマッチはこの映画における一番の問題点だったのではないかと思いました。
総評ですが、内容的に普通すぎるので見ている分には見ていられますが、「これだ!」という良い部分がないのでB級モンスターものとしてはかなり魅力不足な映画だったと思います。個人的にもともとB級映画は、「どれだけ悪い部分をなくせるか」よりも「粗くても悪い部分があってもいいから、どれだけ良い部分を出せるか」のほうが重要だと思うので、今作のように致命傷がなく見てはいられる内容だったとしても、無個性な内容の映画はある意味非常に無価値だと思ってしまいます。
A級映画ならまだしも、すべての要素が完ぺきな作品を求めてB級映画を見る人はいないはずですから、たとえ粗い部分があったとしても、モンスターなりキャラクターなり脚本なり、何か一つを突き詰めてほしいと個人的には思います。まあ、いくら良い部分があったとしても、一つ目につく悪い部分がそれを消してしまう場合もあるので、悪い部分がないに越したことはないんですけどね。