「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ファンハウス のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

こちら、精神病棟から脱出した自称サイコパスたちが、自分たちをモチーフに作られたお化け屋敷を乗っ取り、その中で若者を惨殺しまくるというお話です。

レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“そこは殺人さえもアトラクション。 『エルム街の悪夢』のフレディ役で知られるホラー界のレジェンド、ロバート・イングランド主演最新作! 恐怖のお化け屋敷(ファンハウス)を舞台に繰り広げられるサイコパスたちの殺人パーティー! ! 世間がハロウィンシーズンで盛り上がる中、ステーツヴィル精神病棟に収容されていた6人のサイコパスが脱走。 彼らが潜伏先に選んだのは……多くの若者たちが訪れ賑わいをみせている遊園地の中のお化け屋敷だった。 何も知らずに遊びに来た能天気な若者たちを本領を発揮したサイコパスたちが素敵な恐怖のパーティーで出迎える! 天職とも言える場所で、次々に自分たちの欲望を満たしていくサイコパスたち。果たしてどんな結末を迎えるのだろうか。 ここは殺人さえもアトラクションになるファンハウス(お化け屋敷)!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
キャラクター………C
グロシーンの質……C
設定…………………D

総合…………………C
おすすめ度…………C

【良い点】

・話がコミカルかつなかなかハイテンポなので気軽に見られる

【悪い点】

・サイコパスに個性が皆無

見終わった第一印象が「これじゃない」と思えるほどには期待の斜め下を征く作品でした。序盤のサイコパス紹介がピークで、後はただただ下火な印象を受けてしまう映画です。とにかくサイコパスたちの個性をこれでもかと言うほどに殺してしまっている演出には呆れ返ってしまいますが、反面サクッと気軽に見られるのは救い。

【以下、ネタバレ注意!】

サイコパス(無個性) バランス調整下手すぎるだろ……。

さて今作ですが、精神病棟から逃げ出した6名の名ばかりサイコパスたちが、お化け屋敷で若者を殺しまくるというお話です。コンセプトとしてはなかなか面白そうなんですが……。

では、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点からです。

今作の良い点は、話がコメディ寄りかつハイテンポに進んでいくので、内容のわりにかなり気軽に見られるということです。

今作、サイコパスをモチーフにしていることや、そこそこの質を誇るグロシーンをもって客を虐殺することなど、コンセプトや内容としてはなかなかハードで人を選びそうなのですが、全編通してかなりコメディ寄りの調整、かつ殺すときは結構リズミカルにポンポンとモブが死んで行くので、重苦しい感じはほとんどなくかなり気軽に見られるというのは特徴的でした。以上です。

それでは、続いて悪い点を。今作の悪い点は、何を隠そうサイコパス間のバランス調整を完全にミスっているということです。ただこれだけのせいで今作、コンセプトは良いのに中身としては実に無個性で面白みのない内容になってしまっているといっても過言ではなかったと思います。

今作最大の特徴であり、その柱を務めるのは見ての通り6人のサイコパスたちなのですが、この映画はまず彼らの簡単な紹介で幕を開けます。彼ら一人一人の特徴を簡単なエピソードを交えて紹介してくれるこの冒頭シーンには、はっきり言って少しワクワクしました。人肉料理人、ぶち抜き歯医者、人間剥製師に殺人レスラー、集団自殺教唆おじさんに、その娘の残忍ババアなど、この時点では全員がきちんと個性を持っており、今後の展開に期待を持たせてくれました。この時点では。

しかし話を進めてみれば、この6人の中でキャラが立っていると言えるのはなんと殺人レスラー1名のみで、残りは総じて無個性か空気という語るも恐ろしい内容。さらに酷いのは、あれだけ紹介の時に各々の得意なフィールドや殺し方を紹介していたにもかかわらず、人肉料理人は人肉料理しないし、集団自殺おじさんはカリスマ性があるとは到底思えないようなクッソ安っぽい演説しかしないし、歯医者と人間剥製師に至っては極端に出番がない上退場シーンも非常に雑という惨状。

対して、殺人レスラーはゴリラもびっくりの高耐久力で終始主人公たちの行く手を阻み、キル数も数多く稼いだりとしっかりと見せ場が用意されていて、カメラに写っている時間も長く、そのうえエンディング突入前の対峙シーンやエンディング中のオチの一つを担当させてもらったり、と完全にラスボスの風格を漂わせており、他の無能どもが空気な分、1人で4人分くらいの働きをさせられていました。

このように、今作のバランス調整はかなり滅茶苦茶なので、(設定上は)特徴を持ったサイコパスが6人も出てくる割には殺し方に個性が全くなく、あまりにも芸がありません。業務量の見直しが必要だって、それ一番言われてるから。

総評ですが、サイコパス6人の魅力を軸に立ち回る映画でありながら、その肝心のサイコパスに関してバランスが完全に崩壊しており、レスラーゴリラが強烈な個性を放っている一方でその他はほぼ空気、一番ボスキャラの風格を漂わせている集団自殺教唆おじさんに至っては活躍なし見せ場なし退場あっさりの冷遇で、殺し方にも個性が感じられないのでほぼほぼ芸がなく……と、面白そうなコンセプトに反して内容は完全に力負けしている、というような映画でした。

話の内容のわりにはヘビーな感じがなく気軽にみられるのは良いのですが、スプラッター映画としては何とも中途半端で微妙な出来だったと思います。

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