「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ウォーキングZ のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

人間をゾンビ化させる謎のウイルスの流行により、世界は崩壊した。僅かに生き延びた人々は、“生ける屍”たちの襲来に脅えながら、ただ死を待つばかり。そんな状況の中、スコットは恋人・ベスの帰りを信じて決死のサバイバルを続けていた。彼の日課は、ゾンビたちをかいくぐって、生存に必要な物資を街まで探しに行くこと。そして、CB――短距離無線――で知り合ったジョージと、通信を交わすことだった。だがある日、ジョージの妻・バーバラもウイルスに感染してしまい…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
ゾンビの質………C
キャラクター……C
設定………………C

総合………………D+
おすすめ度………D

【良い点】

・前半は描きたいテーマが割と伝わってくる

【悪い点】

・見どころと盛り上がりに欠ける

・終盤の安直すぎる展開

前半は描きたいテーマがそこそこしっかりと伝わってくるので悪くないのですが、終盤以外はゾンビとの遭遇や探索シーンなどはほとんどダイジェスト形式で流されるため終始盛り上がりに欠けるというのが痛いです。また、終盤はそれまでの流れと全く無関係なクッソ安直な展開が繰り出されるのでかなり微妙な雰囲気のまま終了という残念さ。改善すべき点をきちんと潰していけば結構いい作品になったんじゃないかと思うばかりに残念です。


【以下、ネタバレ注意!】

さて今作ですが、ゾンビパニックにより荒廃した後の世界を舞台に、パッケージの禿げたお兄さんが一人で恋人を待って引きこもりながら生き抜くお話です。ウォーキング(歩くとは言ってない)

というわけで、早速今作の内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

この映画の良い点は、前半は割と描きたいテーマが伝わってくるので、そこそこ飽きずに楽しめることです。

今作、コンセプト的には荒廃した世界で、はぐれた恋人を待ちながら一人生き残る男のストーリーを描く、という感じなのですが、今作の前半は離れた仲間と無線で連絡を取りあって近況を報告し合いつつも、山小屋で独り恋人を待ち続けるという男の悲壮感溢れる様子を、過去の回想シーンや無線先の仲間の死も交えながらなかなか上手に描写出来ており、のっけから飽きて仕方なかった、と言うことはありませんでした。以上。

では、かなりあっさり目ですが良い点は終わりとして、続いて悪い点を。今作の悪い点は、とにかく見どころと盛り上がりに欠けるという点と、終盤の安直すぎる展開です。

前半はそんな感じでまあまあいい感じに進んでゆく今作ですが、中盤に差し掛かったあたりでこの状況が大きく変化する事件が。その前にまず前提として、前半から続くこの展開、中盤に差し掛かる辺りでいよいよ若干飽きてきます

外に繰り出すシーン自体がほとんどないため、基本的にゾンビとの遭遇と言うのが圧倒的に少なく、まともな探索シーンもゼロな上、引きこもりの現実→申し訳程度の探索シーン(ダイジェスト形式)→恋人との回想シーンと言う流れが基本的に変わらず、見慣れてきてしまうからです。

そして主人公の男が待ち続けているヒロインですが、なんと何の前触れもなくかなりあっさり帰還します。それもかなり唐突に。そしてかなりあっさり退場。回想シーンをこれだけ挟みまくってくるんだから、さぞ感動的な出会い(と別れ)でもあるのだろうと期待していた気持ちは見事に裏切られ、気が付けば何の盛り上がりもないまま待ち続けていた恋人が死亡と言うあるまじき事態に。いやだったら、何でこんなにしつこいほど回想シーン入れてきたんでしょう。

さらに問題なのが終盤、探索に乗り出す&生存者を発見し、大量のゾンビに囲まれて身動きが取れない……という、やっとまともに話が動き出しそうだ、という予感がし始めた頃、この物語はまさかの方向へ。なんとその時に出会った少女、恐ろしく都合の良いことにゾンビウイルスに対して免疫を持つ人物だそうで、それを人々の役に立てるために、フランスにある研究機関まで行かなければならないんだ! とのこと。それを聞いた主人公は奮闘し、ゾンビ包囲網を見事突破します。主人公は噛まれてしまったけれど、彼は彼女をフランスまで送るため、少女を連れて旅をすることになりましたとさ。ちゃんちゃん。

ここで重要なのは、この免疫どうこうの話自体は結構ベタなのでさほど驚きもしないのですが、それをこの映画でやってしまったということ、これがなかなかの問題です。先に述べたように今作、前半はヒロインを待って引きこもるだけ、中盤はそれが続いてだれてきて、盛り上がりもなくヒロインが帰還&死亡し、山小屋を出て生存者たちと出会うのは話も終盤に差し掛かった頃、という段階を踏んでいますが、中盤まで山小屋で悲壮感漂わせながら引きこもってる話だけをしてきて、終盤になって突然ぽっと出てきたキャラが世界を救う超重要人物だとか言われても、そりゃ見ている方としてはあまりにも唐突&ものすごく安直というイメージを持ってしまいます

恋人も生きる希望も失った男が、この荒廃した世界で唯一見つけた希望、その少女を守る決意をした、という流れにしたかったのかもしれませんが、それにしたって少女の免疫設定はこの流れの中にあってはあまりにも浮いてしまっており、出し方も恐ろしく唐突なので非常に不自然、かつ展開がブレブレに感じられてしまうんです。

総評ですが、前半はまだしも中盤以降は見どころも盛り上がりもなくちょっと退屈気味で、終盤については別の映画見てるんじゃないかと思うほど話が凄く浮いてしまっている、というなんとも残念な出来の映画でした。正直、恋人との回想はもう少し抑え気味に要所要所だけで流しつつ、かつ中盤は探索シーンに時間を割いてゾンビとの遭遇を増やし、終盤に満を持して恋人登場、ハッピーエンドに思えるも、実はもうヒロインは噛まれていて……みたいな展開にしておけばよかったんじゃないでしょうか。ベタだとは思いますが。というわけで、一言で言ってしまうとなんとも物足りない映画でした。

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