「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

戦慄病棟 EXETER のレビューです(総合評価C+) 

(画像:Amazon商品ページより引用)

こちら、「退院したい」で有名(?)なホラー映画になっております。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

10年以上も放置された人気のない廃墟。そこは知的障害や精神異常の子供たちを集めた元精神病院で、かつて虐待や悪魔払いの人体実験などを繰り返し、大勢の子供が亡くなっていた。そして、今も子供たちの霊がさまよっていると噂され、人も寄り付かない場所であった。パトリックは友人に誘われ、その廃墟で開かれるパーティーに、弟のロリーと参加することに。友人たちは、廃墟の噂を確かめようと、遊び半分でロリーを媒体として交霊会を始めるが、ロリーの体に、本当に異変が起こり始めてしまう。怯えた友人たちは廃墟から逃げ出そうと試みるが、すべての出口は何者かに閉ざされ、脱出不能に。そしてロリーに取り憑いた悪魔は、次から次へと体を乗り移り、少年たちを支配してゆくのだった! !(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
キャラクター………C
ホラーの質…………D
アクションの質……B
設定…………………D

総合…………………C+
おすすめ度…………C

【良い点】

・前半の疾走感が心地よい

・戦闘シーンのクオリティが高い

【悪い点】

・中盤にだれる

・脚本がガバガバ

これはホラーなのかアクションなのか……。ホラーとしては突っ込みどころが多すぎて脚本がガバガバなのでさほどなんですが、グロシーンの質がそこそこ良く、なによりアクションシーンの質が無駄に高いので見どころ的には悪くなかったです。

【以下、ネタバレ注意!】

キャッチコピーが狙いすぎって、それ一番言われてるから。なお、当然の権利のように「退院」発言は含まれておりません。

さて今作ですが、廃墟と化した精神病院(?)でアホどもがパーティーして馬鹿騒ぎ、悪ふざけのノリで悪霊を召喚してみたところ見事成功し、悪霊と化した仲間が大暴れ、それを止めるとまた別の仲間が憑りつかれて大暴れ、歯ブラシブッさしたり顔を半分にしたりして撃退し、最終的には正体を現したラスボスヒロインと熱い攻防を繰り広げ、容赦なくボッコボコにして脱出するお話です。アクション映画かな?

では早速、今作の良い点悪い点を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、前半の流れるような疾走感と、戦闘シーンのクオリティが高いということです。

まずは前半の展開について。今作、あらすじにもあるようにガキどもが悪霊を召喚してしまったことから話が始まるのですが、そのことに対し、主人公たちはまず何とか除霊を試みようとします。しかしその除霊の方法がとにかくガバガバで、ネットで適当に検索かけてヒットした方法を試してみるだの、ヤクをぶち込んだマシュマロを喰わせて悪霊をシャブ漬けにして退散させようだのもうやりたい放題。

さすがに、そこそこ良識のある主人公は、悪霊を退散させるために神父さんに増援要請を送っていたのですが、あろうことか車で逃げ出したアホどもが完全によそ見をしていて神父さんを轢き殺し、その後「これがばれたらムショ行き」だのなんだの揉めに揉め、神父の死体をバラバラにして煮込んで瓶詰めして捨てよう! とかせめて死体は隠そう! とかを本気で言い出す人間の屑っぷりをいかんなく発揮

もうこの間の展開は流れるようにポンポン進んでゆき、酷い内容と駆け抜けるようなリズム感溢れる展開によって、話の深刻さの割には完全にギャグにしか見えません。でもそれが良い。他にも、間髪入れず逆再生、「質問は?(ドヤァ)」→挫折、即席ウィジャ盤など草の生えるポイントはいくつかあり、総じて疾走感あふれる展開とガバガバすぎる内容が続く前半は、ギャグとして普通に楽しめました

続いて、特に後半に見られる戦闘シーンの質の高さについて。この映画はホラー映画であると思うのですが、ラスボス戦をはじめとし、悪霊の取り付いた仲間との取っ組み合いや戦闘がそこそこ発生してきます。まあ、悪霊の奇襲による一方的な殺戮はともかく、悪霊を前にした取っ組み合いや戦闘シーンのクオリティはこれがなかなか高いんです。

悪霊との激しい攻防はもちろん、ダブル歯ブラシや顔半分スラッシュなど戦闘シーンを支えるグロシーンの質もそこそこ高く、敵を容赦なくグサグサやってくれるので楽しんで見られます。そしてなにより、ラスボスとの熱い格闘戦がもう見どころ満載。顔をズタズタにされそうになっていたところを弟との共闘で一転攻勢、相手をボッコボコにして焼殺するというラストは盛り上がり不可避。ホラー映画としてはともかく、前半のギャグと後半の戦闘は間違いなく今作の強みだったと思います。

では、以下には悪い点を。今作の悪い点は、ガバガバな脚本と中盤にだれてくることです。

まずは中盤の展開について。先述のとおりこの映画、前半後半にはそれぞれ違った見どころがしっかりとあるのですが、悪霊にも見慣れてくる上に話が全然進まなくなってくる中盤は完全にだれてきます。中盤に比率が大きくなってくる申し訳程度の謎解き要素では満足できないのもそうですが、何より前半かなり飛ばしてたのでそれが落ち着いて失速してしまった感が否めない、というのが痛いところ。

また今作、見どころこそあれ設定としてはなかなかガバッているというのも、探索メインである中盤の存在意義を薄れさせている要因だったのではないかと思います。この騒動の元凶となっているデヴォンという人物は誰なのか、デヴォンの目的は……などなど色々な謎が提示されるにはされるのですが、正直言って割とどうでもいい上に、いざ正体を現したデヴォンの動機はありがちな上にかなりガバガバで、「そんなことのためにこんな回りくどいことを……?」とつい言いたくなってしまうような出来になっているのです。うーんこの

総評ですが、まあストーリーとしては結構ガバガバだけれども、前半は前半で笑って見られるし、後半は後半で結構良質なグロシーンと戦闘シーンに支えられて見どころがしっかりあるので、中盤を耐えればなかなか楽しんで見られる映画だったと思います。退院要素はありませんが、釣られて見てしまったとしても割と楽しめる……かもしれません。

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