「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ミリタリーステート のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

「結構見ごたえあったなぁ」と思ってウッキウキで調べてみたらボロクソ言われてて草も生えませぬぞ。まあ、評価の絶対数自体が少ないからね、しょうがないね

レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“テロ攻撃でニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルズの主要都市は大量破壊兵器によって全滅。アメリカ政府は戒厳令を布く。 政府はプライベート傭兵を雇用、市民の生活を監視させて、どのようなテロ活動も突き止めるため、最新無人機(ドローン)パトロール・システムを開発する。 コンピュータ科学者でもあり、ドローンシステムをコントロールするパターソンはある日、 政府が管理している潜在的テロリスト候補のリストに自分の名前が記されているのに気づき衝撃を受ける。 命の危険を感じたパターソンは政府の機密ファイルを持ち出して、彼の妹サムと一緒にドローンの監視の届かないレッドゾーンと呼ばれる砂漠地区に逃げる。 今や政府の最重要容疑者に指定された彼らは政府に対抗するレジスタンス組織と砂漠で出会う。 政府もそのことに気付きファイルの存在を隠すため、パターソン、サムを含めたレジスタンス全体を消去するためにかつてない大規模な攻撃を始める。 果たして生き残るのはどちらか?今、世界を分ける一大決戦が始まる!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
設定………………D

総合………………C+
おすすめ度………C

【良い点】
・各所に盛り上がりがしっかりある
・前半は話のテンポも良く飽きずに見られる

【悪い点】
・設定ガバガバ
・中盤以降の失速

基本的な出来具合としては決して悪くなく、銃撃戦の質もストーリーもキャラクターもB級アクション映画としてはそこそこのレベルを保てています。その分、設定はかなりガバッており、見ていて「え?」と言いたくなる点も多々ありましたが、各所に盛り上がりがちゃんとあるという嬉しい利点があるので最後までしっかり見られました。

【以下、ネタバレ注意!】

なんでや! 面白かったやろ!

さて今作ですが、テロリストの手によりロスが核の炎に包まれたことでアメリカ国内の秩序が崩壊、政府が暴走を始めた近未来で、政府のドローン管理権限者かつキリスト教徒の主人公が危険人物判定を喰らい、政府から身を隠すために逃げ回っていたところレジスタンス()に助けられるというお話です。政府の特殊部隊に追われながらも、彼は妹を守るため、レジスタンスとともに戦いの中へ身を投じてゆくのでした……。

では早速、今作の良い点悪い点に目を通してゆきましょう。まずは良い点から。

この映画の良い点は、前半のテンポの良さと各所にしっかりと見られる盛り上がりです。

まずこの映画、特に前半のテンポの良さについてはなかなかGood. テロによる核攻撃の発生があり、その後に国が乱れる描写をはさんで、主人公が追われるようになる……という話の本筋突入までの流れが結構スムーズで、話がポンポンと進んでゆくため、まずは飽きずに興味を持って見始めることができます

その後は、追われる主人公とそれを助けるレジスタンスたちとのやり取りが中心になりますが、銃撃戦が合間に何度も入ってくるので話がさほどだれて来ません。会話シーンばかりにならないことと、戦闘がちゃんとちょこちょこ入ってくるおかげで逃避行の緊張感がそれほど削がれないことは、今作の前半の出来をしっかりと支えていたと思います。

それに咥えて、今作は各所にしっかりと盛り上がりがあるためなかなか見ごたえがある、というのも嬉しいところ。まずは、話の掴みのテロリストによる核攻撃、これが(ツッコミどころはありますが)結構な緊迫感とクオリティを持って制作されていたので、ここでしっかりと興味を掴みに来てくれたのがまず大きい。これと本筋突入までのスムーズな流れのおかげで、今作前半はかなり良い出来だったと個人的には思ったくらいです。

その他にも、銃撃戦や格闘戦のクオリティ自体は決して悪くないのでそこそこ盛り上がっていますし、レジスタンスとの合流前の主人公と妹の逃避行の件もなかなかの緊張感があって悪くありません。そしてラストシーンである、妹と敵兵との対峙は結構な盛り上がりがあって……などなど、今作は話の各所に大なり小なり盛り上がるポイントがいくつかあるので、これも今作を飽きずに視聴することができた一因だったと思います。

では、続いて悪い点を。今作の悪い点は、中盤以降の失速と設定のガバり具合です。特に設定のガバり具合はなかなか目につくものがありました。

まずは中盤以降の失速について。先ほど、今作は前半のテンポが良く、それ以降も無駄な会話などが少なめなので、最後で飽きずに視聴できると言いました。しかしそうは言っても、中盤以降の失速はどうしても気になってしまいます。失速というか変わり映えしない絵面に見慣れてくると言うか、「逃げる→追われる→戦う→逃げる……」の繰り返しで単調気味と言うか、話の中身がないのが目立ってくると言うか……まあ言い方としてはいろいろありますが、結局のところ中盤からはグダって来るんです。

この原因としては、先に述べたようにストーリー自体が割と中身がないことや、中盤は展開が単調気味なことなどが考えられますが、何よりも問題なのは設定がガバガバすぎてストーリーにまで影響を与えていることです。こいつが今作一番の問題。

テロ事件をきっかけに政府が暴走し、市民が暴徒化して……という流れからの、主人公に容疑がかかって逃走という流れまでは分かるのですが、その後主人公や敵が一瞬だけ使った謎レーザー兵器に関して一切言及されなかったり、アメリカを脅かすシステムダウンを引き起こした主人公とテロリスト集団を追う敵がたった3人しかいなかったり、話の鍵を握りそうな雰囲気のドローンは全然本編に絡んでこなかったり、主人公がこれ見よがしに取り出した親の形見のペンダントが露骨すぎてそいつにチップ仕込んであるであろうことが丸分かりだったり……と内容的にはかなりガバガバ

先述の各所に見られる盛り上がりというのも、戦闘面やミリタリー的な要素が、と言うよりは、人間同士のやり取りなどの部分に起因するものが多く、総じて話の規模の割には展開に深みがありません。

総評ですが、設定、内容のガバり具合ともになかなかのものでしたが、その分見どころはしっかりとあり、前半のテンポの良さや悪くない戦闘シーンも相まって結構ちゃんと見ていられる映画でした。ミリタリー要素はあれですが、そこそこ面白いので気になられたら是非! ただドローンは全く出てこないのでご注意ください。

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊