「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ファイナル・デッドシャッター 本当にあった呪いのカメラ のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ

製作 2014

販売 KADOKAWA

うわぁ、これはファイナル・デスティネーションシリーズの新作ですね、間違いない……。

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“祖父の死去を知った写真家:ブランドンは、祖父の資産相続人となった。 遺体写真家だった祖父が住んでいた家に行ったブランドンは、そこで祖父が使っていた古い“カメラ”を見つける。 ブランドンは早速そのカメラで写真を撮り始めるが、そのカメラにはすさまじい呪いが込められていることを知らなかった。 写真に写った夫婦やアシスタントは次々と謎の怪死を遂げ、その魔の手は遂にブランドンの息子にも及ぼうとしていた・・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……C
キャラクター…C
グロ度…………B
設定……………C

総合……………C+
おすすめ度……C

【良い点】
・グロシーンの作成に気合が入っている

【悪い点】
・内容がだれ気味
・後半の急な方向転換

グロシーンのクオリティはじめ、気合い入れて作ってあるのは伝わってくるんですけど、後半になると突然安っぽいダーク♂ファンタジー展開にシフトするのがなんとも微妙でした。基本的な出来はそこそこ良いのですが、内容が少しだれ気味であることなど構成上の問題を抱えているので、その辺をもっと練りなおせば良くなりそうな予感はしました。

【以下、ネタバレ注意!】

本当にあった(あったとは言ってない)

さて今作ですが、祖父の遺品のカメラで人を撮ったらその人が死ぬとかいう怪事件に巻き込まれてしまった主人公が、祖父の怨念を断ち切るためにカメラをぶっ壊そうとするも、息子を人質に取られてしまったのでカメラの世界に突入し、並み居る怪物どもを押しのけながら黒幕の祖父の亡霊を倒して息子を救いだすも息子が闇落ちする映画です。血筋には勝てなかったよ……。

それと、今更注意することはないとは思うのですが、今作はあのファイナル・デスティネーションシリーズとは一切関係ありません。そうと分かっていて「まーたパチモン映画かw」とかいう軽いノリで視聴する人が後を絶たないから配給会社が調子に乗ってこういうパチモンタイトル付けるのを止めないんですよ。ガチで釣られたならともかく、軽いノリで視聴している人も同罪だぞ(ブーメラン)

まあ見てしまったものはしょうがないので、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、グロシーンの出来が良く出来ているということです。

この映画に肝心要の外せない要素である死亡シーンについてですが、嬉しいことにこれのクオリティは結構高いです。特に、ホームレスバラバラ事件、ズル剥け(直球)、指ポロ言わざる白骨化、の三本セットのグロシーンの出来はなかなかのもので、グロ耐性がなければ気分が悪くなりそうなくらいのクオリティはあったのでないかと思います。

その他にも今作には、焼死性交、遠隔操作指斬り、ヒル風呂等々多彩な死に方が用意されており、見ている側を飽きさせません。この、クオリティとバリエーションを両立させるという気合の入れ具合は素直に評価できますし、話をだれさせないようにという工夫がしっかり伝わってきました。カメラで撮られたら死ぬ、という一見地味な内容になりそうな設定の中、この頑張りは良かったと思います。

良い点としては以上です。それでは、以下には悪い点を。今作の悪い点は、前半だれ気味になってきてしまうことと、後半の突然の方向転換です。

まず先ほど、今作は死亡シーンに気合が入っているので、見ている側をなかなか飽きさせないと言いました。しかしそんな工夫があっても、前半は少しだれ気味。確かに死亡シーン自体は多彩かつ高クオリティで、前半から割とポンポン人が死ぬので飽きはしないんですが、直接主人公(やその身内)の身に災難が降りかかリ始めるまでには結構間があり、その間主人公はボケーッと写真を撮っているだけで事態の重大さにまるで気が付いてくれないので、緊迫感がないと言いますか、若干単調気味と言いますか。

そうなっている原因としては、死亡するサブキャラにキャラクター的な掘り下げが殆どない上に話の大筋にもまるで関わってこず、ただカメラの性能を見せつけるためだけの犠牲者としてしか描かれないため、死んでも「ほーん」という感想しか出てこないことが大きいです。そのため、事件の謎を追うヒロインポジションのキャラが死に、主人公が直接死と向き合うシーンに入るまでは、実質話が進んでいないかのような感覚を覚えました。

そして、後半に急に起きる方向転換について。前半はそんな感じで話が進んでゆき、後半に差し掛かる手前で主人公がカメラの謎を認識して対策を立て始めるのですが、後半に突入したあたりで、この映画は大きな方向転換を迎えます。今まで呪いのカメラ一辺倒だったオカルトホラーの流れをぶった切るかのように、突然自称呪術師の頭が逝かれてるねーちゃんが登場したかと思うと、その後は息子を救うためにカメラの世界に突入するんだ! というなんだかよく分からない流れに。

それまでは直接手を下すわけではなく、間接的に死を提供してきた怨霊ジジイですが、カメラ世界突入後はなんかその辺をコスプレ死霊が出歩いてたり実体を持ったジジイが襲って来たりとかなり直球的な表現が増え、まるで安っぽいダーク♂ファンタジーを見せられているかのような気分に。個人的には、前半のような間接オカルトホラー路線をそのまま突っ切ってもらいたかったので、この転換は少々受け入れがたかったです。でも最後に主人公がジジイ相手に舌戦で一転攻勢するシーンはなかなか良かった。

なお、前半のまま進んでも着地点がどこに行きつくのか分からないことや、相応しい終わり方はどんなものなのか、むしろ余計話がだれたんじゃないか、などなどの疑問に答えることが出来ないこと、そして何よりこの転換こそが良かった、という方もいらっしゃるでしょうから一概に悪いとは言えないので、結局は好みの問題になるかと思います。でもあのままハッピーエンドで終わっとけばよかったのにクッソ安易なバッドエンド入れたことだけは絶許。

総評ですが、死亡シーンのクオリティはなかなか、かつテンポも悪くないため、しっかりと見てはいられる映画なんですが、その割に起きている事件は蚊帳の外感が強く、名もなきサブキャラがどっかで死んでるわ、というような感覚になってしまうためのめり込みにくく、何より後半に大きな方向転換があるので一筋縄にはいかない映画でした。後、取って付けたようなクッソ安易なバッドエンドはNG.

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