グゴッ……グゲゲゲェェェェ……
キャッチコピー出オチシリーズやめろ。
レンタル版を字幕で視聴しました。吹替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“一人息子を亡くしたアニーとポールは、新しい生活を始めるため田舎町の一軒家に移り住んだ。ある時、アニーが一人で家にいると、地下室から物音が聞こえ、人の気配が。亡くなった息子の霊だと信じたアニーは、友人の霊媒師メイと夫のジェイコブを自宅に招き、降霊を依頼。メイは危険だと判断して断るが、ジェイコブはメイがいない間に一人で降霊を始めてしまう。そして降霊はすぐに成功。しかし、ジェイコブに乗り移ったのはアニーの息子ではない邪悪な何かだった…。その時、なぜか大勢の町の住人も、アニーたちを殺そうと家に押しかけてくる。状況を理解できぬまま、豹変したジェイコブと町の人々から逃げ回るアニーとポール。すると突然、怯える2人の目の前で、男の一人が家の壁に吸い込まれてしまう! 「グゴッ! グゲゲゲェェ! ! 」 すると堰を切ったように、家中のいたるところから、次々と悲鳴と謎の轟音が鳴り響きはじめるのだった…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー………C
霊の質……………C
キャラクター……C
設定………………D
総合………………C-
おすすめ度………C
【良い点】
・閉鎖的な村の空気や不気味な雰囲気の表現は悪くない
【悪い点】
・幽霊に関する異常な説明不足
演出的には悪くないのですが、とにかく幽霊が何したいのか全然分からない上に被害者面だけは一丁前にしてくるのでだんだんとイラついてくる映画でした(個人的見解です)。虐殺パーティーもあるので楽しめないことはないのですが、本題までも長いし私には合いませんでした。
【以下、ネタバレ注意!】
さて今作ですが、中古の家買って村に越してきてみたら、どうもその家は呪われた家だったらしく、主人公たちが様々な怪奇現象に見舞われた挙句に、勝手に乗り込んできた村人たちが幽霊に襲われて全滅する映画です。なんだこのラスト。
では、早速内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、前中盤に流れる不気味な雰囲気等の演出については悪くはないということです。
この映画、一家が中古の家に越して来て新しい生活を始めるというスタート部分から、後半に入るまでに流れている不気味な雰囲気の演出についてはなかなかGood. 実はこの家の昔の住人が死体を売っていたんだとか、家に棲みついている霊が生贄を求めているんだとか、その呪われた家の背景にある描写を交えて不気味な雰囲気を醸し出しながら進行してゆくストーリー展開自体は悪くはありませんでした。
一歩村に出てみると、村人たち全員の様子がおかしい、どこか冷めた目でこちらを見てくる、という閉鎖的なド田舎村特有の不気味さの演出も悪くはなく、見どころが全くないという内容ではなかったと思います。また、今作は終盤に村人大虐殺のスプラッター描写も入っているので、これも見所の一つ。しかしその虐殺シーン、いろいろと頭が悪すぎて私はあんまり楽しめませんでした……その理由は以下に。
というわけで良い点は以上。続いて悪い点を。今作の悪い点は、幽霊や家に対する異常な説明不足です。
この映画の一番の肝である呪いの家やそこに居候している幽霊どもについてですが、ハッキリ言って説明不足というか掘り下げ方がかなり浅いということは否めません。先ほど、家にまつわる背景を交えながら進行してゆくストーリー自体は悪くないと言いました。しかし、結局のところ今作は幽霊に関する設定や家に巣食う本当の悪霊の正体についてはかなりの部分が謎のままで、かなりモヤモヤしたまま終了となります。
しかし、幽霊その他に関する設定がモヤモヤなまま終了することは割とよくあるのでそれは別に構いません。ここで問題なのは、今作に登場する幽霊は恨みの対象や目標をしっかりと持っている上、度々ちょっかい出しに来たりわざわざ主人公の身内に憑依して自分の境遇をベラベラ喋ったりと素晴らしく自己主張が強い霊であるということです。
彼らは、自分たちを呪いの家の最初の生贄に捧げた村人たちのことを死ぬほど恨んでおり、こんな村滅んでしまえ系の過激派なのですが、そのくせ村外部から来た主人公たちにちょっかいを出しまくったり、村と全く無関係な主人公の身内を殺して回ったりする池沼で、オマケに主人公たちが来る前にも家に越してくる外部の住人を食べると満足して三十年眠ってしまうというクソ雑魚なのでもう何がしたいのかまるで意味が分からないんです。
自分を生贄にささげた村人のことを死ぬほど恨んでるくせに、村から捧げられた生贄(呪いの家の入居者)を食べて満足しちゃうとか身体だけじゃなく脳みそまで焼き切れてますねこれは……そのくせ、熱い自分語りと可哀想アピールだけは一丁前にしてくるのでウザい。
しかし村人も村人で、「あの家に棲んでる霊は自分たちのことを恨んでいる」ということは百も承知なはずなのに、なかなかしぶとい主人公たちを追い回すために自分たちから幽霊の巣窟と化した家に乗り込んで、結果幽霊に返り討ちに合って壊滅という頭の悪さなのである意味バランスは取れていました……どうやら脳の回路が焼き切れていたのは幽霊だけではなかったようです。
自分から入っていくのか(困惑)
あえて主人公たちを殺さないことにより、村人たちが痺れを切らして家に乗り込んできたところを一網打尽にする、という高度なプレーにも思えましたが、それなら中盤で主人公の知り合いを殺す必要がない、主人公たちにちょっかいをかける必要がない、最初からやれ等々突っ込みどころは盛りだくさん。しかも、今度は村人たちを返り討ちにしたことでご満悦なのか、散々ちょっかいを出した主人公たちに対しては結局手を出すことなく退散したりと終始目的がはっきりしません。生贄喰えれば何でもいいのか村人たちに恨み晴らすこと優先なのかはっきりしてください。
総評ですが、スプラッター表現、雰囲気の演出など見どころも確かにあるのですが、なによりも幽霊に関する説明不足や表現の残念さが目立ってしまい総じて微妙な出来と言わざるを得ない映画でした。個人的には、恨みを持った幽霊自体が人間に憑依したりして、激しい自己主張や自分語りをしてくる描写が死ぬほど嫌い(直球)なので、肌に合わなかったのかなぁと思います。幽霊が自分の境遇ベラベラ喋って殺戮続けるのはギャグにしか見えないから止めろ。
もちろん光る部分もあるということで、こういう映画を好きな方はいらっしゃるでしょうし、スプラッターシーンも結構気合入っているので楽しめる方は楽しめる映画だと思います。グゴッ グゲゲゲェェェェしたい方は是非どうぞ。