「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 オーストラリア

製作 2014

販売 トランスフォーマー

賛否があるということは重々承知していますがそれでもあえて言いたい。「なんやこれ名作やんけ!」

ちなみにマッドマックスは怒りのデスロードしか見てないです。にわかですまんな。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“生 き る た め に 狂 え ! 謎の彗星が地球に降り注ぎ、ほとんどの人類がゾンビ化してしまう謎の奇病に侵されてしまった近未来。わずかな生存者たちは過酷な現実を必死に生き抜こうとしていたが、食料や物資は不足し、さらに隕石の影響で貴重な燃料資源は使用不可能になってしまう。妻子を失った平凡な整備工・バリー(ジェイ・ギャラガー)は同じ境遇の生存者たちに助けられ、彼らが所有するガレージに命からがら避難する。はたして、このまま世界は狂気と絶望に支配されてしまうのか? その時、一筋の光明がさす。バリーたちはゾンビの血液がガソリンの代替になることを発見したのだ。滅びてたまるか! 人類の逆襲が片田舎のガレージで始まった! ! !(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……B
ゾンビの質……B
キャラクター…C
設定……………E

総合……………B
おすすめ度……B


【良い点】
・飽きさせないストーリー展開
・ゾンビのクオリティが高い

【悪い点】
・設定がクッソガバい

設定が死んでいること以外は軒並み高水準に纏まっている高クオリティなゾンビ映画でした。飽きさせない構成とテンポの良い流れを筆頭に、出来の良いゾンビとの戦闘シーンやオリジナル要素など、総合的に見れば大満足の出来。

しかし、完全なるご都合主義要素と思いつきレベルの展開が満載なため内容的にはガバガバで、肌に合わないという人も割といると思います。とは言え、個人的には是非とも見て欲しいおススメの一本でした。

【以下、ネタバレ注意!】

誰がオチにコマンドー入れていいっつったオラァ!(歓喜)

さて今作ですが、突然人々がゾンビ化して街がパニックに陥る中、妻と娘を失った主人公が悲しみに暮れながらも、妹を探してゾンビを積んだトラックで走り回るお話です。魔改造されたゾンビ搭載型トラックは火を噴いて加速するぞ!(申し訳程度のマッドマックス要素)

というわけで、早速中身の方を見てゆきましょう。まずは悪い点から行こうかと思います。

今作の悪い点は、何を隠そうクッソガバガバな設定です。普段いろんな映画の設定についてはガバガバガバガバ言っている私ですが、正直今作は他の映画の比じゃないよ!

この映画の設定の何がガバガバかというと、大きく分けて度を越したご都合主義と完全なる説明無視です。今作、序盤こそ普通のゾンビ映画しているのですが、中盤になって突然「ガソリンがただの水と化したので車が走らなくなった」と言いだしたのを皮切りに、「ゾンビの血はガソリンの代わりに使える(昼のみ)」だとか「よく分からないクスリぶち込まれたらゾンビ操れるようになった」だとか、もはや何でも言ったもん勝ちのような超カオスなご都合主義展開が始まります。終盤の展開のカギを握る「謎の特殊部隊」の正体が本当に謎のままだったりと完全にやりたい放題。

しかもこれ恐ろしいことに、なぜガソリンが使えなくなったのかだとか、なぜゾンビ操れるようになったのかだとかに関する説明は一切ありません。この手の映画によくあるクッソガバガバな都合の良い説明だとか、小学生レベルの弁解等も一切なく、ガチで「なってたもんはなってた」という恐ろしいほどの開き直りが全編に渡って展開されます。後半なんてもうノリと勢いだけで突っ走っている感満載なので、話の整合性や伏線を積み重ねた重厚な展開等を期待して見ると今作は間違いなくゴミです。でもここまで開き直られたら逆に文句言えないんだよなぁ……。

というわけで、悪い点は以上でした。続いては良い点を。今作の良い点は、ゾンビのクオリティがなかなかに高いことと、とにかく飽きさせてくれないストーリー展開です。

まずはゾンビの出来について。今作のゾンビや、ゾンビとの戦闘描写のクオリティについては控えめに言っても結構なハイレベルでした。ゾンビ自体の出来もさることながら、カット演出を多用したリズム良いゾンビとの戦闘シーンはかなり見やすくて爽快。銃を軸としたゾンビとの戦闘描写は充分な見ごたえがあり、快適な視聴を続けさせてくれます。

しかしそれだけにとどまらず、ただ一方的にゾンビを嬲ったり、逆にゾンビが強すぎて逃げ回るだけだったり、ということがないというのも今作をハイレベルに感じる要因の一つ。この映画のゾンビは、昼はノロノロとしていますが夜はなんか代謝の関係(適当)で動きがクッソ俊敏になり、一気にスタイリッシュゾンビへと変貌を遂げます。昼は狩る側であっても夜は立場が逆転し、逆に防戦を強いられる……この緩急が、今作の戦闘に深みを持たせ、戦闘やストーリー展開が単調にならないようにしてくれていました。この設定は(説明こそガバくとも)上手いなと思います。
まるでダイイングライトみたいだぁ……(最近購入並感)

そして何よりも、今作一番の強みは見ている側を飽きさせないストーリー展開。今作は始め、街に突然沸いたゾンビたちの脅威に対し、主人公がなす術もなく逃げ回る展開で幕を開けます。最愛の妻と娘を失い、妹も謎の集団に拉致され、主人公自身も自殺を図るという絶望的な状況からのスタート。しかし、中盤に他の生存者たちと出会うことで、こんな状況に変化がやってきます。

ゾンビの特性を掴んだおかげで対処にも慣れてきた中盤は、先述したようなゾンビとの戦闘シーンがメインに切り替わっていきます。昼と夜で全く違う顔を見せるゾンビたちは実に魅力的で、彼らとの戦闘を充分に楽しめるパートです。

そして終盤は、先述した「ゾンビ操り師と化した妹」と共に謎の特殊部隊との戦闘、すなわち対人戦メインの展開へと切り替わっていきます。ゾンビを用いた波状攻撃や、銃持ちの相手に対してガバガバな知略を尽くした戦闘、申し訳程度のマッドマックス要素や銃なんて捨ててかかってくる相手との突然の肉弾戦など、とりあえずやりたかったこと詰め込みました、と言わんばかりの盛り上げ方で突っ走り、今作は終了となります。この、常に展開が動いているという構成、前半中盤後半でそれぞれ違った一面を見せながら進んでゆく展開のおかげで、今作は終始飽きることなく楽しんで見ることが出来ます。私はこれを一番評価したい。

総評ですが、とにかく話の設定はガバガバで、割と重要な部分に関する説明や話の根幹に関わってくる部分の設定も一切合財説明はなく、話の整合性というか「なんで?」の部分を完全放置して進んでゆくスタイルの作品なため思ったより人は選ぶでしょう。しかし、その分ゾンビとの戦闘のクオリティは高く、ストーリー構成も工夫が詰まっていて飽きずに見ることが出来、なによりオリジナリティ溢れる展開も盛り込まれているため、個人的には是非とも見ていただきたい一本でした。続編出たら間違いなく見ます(絶賛)

ただし、案の定マッドマックス要素は殆どないに等しいので、その部分だけは注意してください。まあ、言うまでもないですが。

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