「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ゾンビーバー のレビューです(総合評価C)

(画像:公式HPより引用)

そのド直球タイトルとチープさ全開のパッケージのセンスから、一躍有名になったゾンビ映画です。普段B級ゾンビ映画見ないような層も巻き込むことに成功した戦略は素晴らしいと思った。あと、公式サイトもあったので置いときますね。公式サイトは→こちら

ちなみに今作は、あの『ハングオーバー!』シリーズの製作陣と同じらしいですよ。私は2作目まで見ましたが、ギャグセンスが全く理解できなかった(直球)ので、今作も合わなかったのかなぁ……と思ったり。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“かわいい森の大工さん、ビーバーちゃんが突然変異! 人間いじめるの、ちょ~楽し~! ! 田舎道を走る一台のトラック、いい加減なおしゃべり運転のせいで、積み荷の汚染廃棄物が、かわいいビーバーの住む湖にドボン! そんなビーバーたちの湖の近くに、男子禁制の女子会キャンプを楽しむためにやってきた仲良し3人組(メアリー、ゾーイ、ジェン)。一晩かけて恋愛話やSEXトークを楽しむ3人、しかし彼女たちの彼氏や元彼(サム、トミー、バック)が突然小屋に乱入してきてセックスとお酒で大混乱。 そんな中、ジェンがバスタブで凶暴なビーバーに遭遇! トミーの徹底的な撲殺で事なきを得たのだが、翌日、捨てたはずのビーバーの死体がどこにもない。しかも、逃げたような血の足跡が・・・。今、極限の恐怖が彼らを襲う! ! (笑)(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……………C
ゾンビーバーの質……B
キャラクター…………C
設定……………………C

総合……………………C
おすすめ度……………B

【良い点】
・ゾンビーバーの質が高め
・王道的な要素が満載

【悪い点】
・立ち上がりが遅い
・テンプレ展開の連続で目新しい部分がない

その強烈なド直球タイトルに惹かれて期待を持って視聴しましたが、想像以上にテンプレ展開の連続で目新しい部分がなく、良くも悪くもいろいろと普通なゾンビ映画でした。個人的にはギャグセンスが合わなかったのと、もっとぶっ飛んだ内容を想像していただけに期待はずれでしたが、B級ゾンビ映画によくある要素がふんだんに盛り込まれているため、普段B級ゾンビ映画を見ない人にこそ見て欲しい映画です。

【以下、ネタバレ注意!】

B級映画はとにかく話題にさえなれば勝ちという風潮。そうだよ(肯定)

さて今作ですが、頭の弱い若者たちが森に遊びに行ったらゾンビと化したビーバーに襲われてビーバーになるというお話です。正直内容的にはそれ以上でもそれ以下でもなく、ビーバーが出てくる以外は良くも悪くも普通のB級ゾンビ映画でした。ということを踏まえて、以下に詳細なレビューを。まずは悪い点からいきます。

今作の悪い点は、立ち上がりが遅いことと、コンセプトの割に目新しさがないことです。

まずは前半のテンポについて。今作は全編約80分という、サックと見られる短さながらも前半のテンポはなかなか悪め。ビーバーが登場してまともに話が動き出すまでに30分、そこからゾンビーバーの登場まではさらにかかります。普通の90~120分映画なら許容範囲ですが、本編時間の短さを考慮すると立ち上がりはかなり遅めに感じました。ノリ重視の映画だけにこれは結構痛かったんじゃないかな(曖昧)

そして、私が今作において最も微妙だと感じた点が、目新しさのなさ。この映画、インパクトのあるイメージとは対照に、内容的にはかなりありがちな展開が大半を占めています。ストーリー内容がスカスカなのは見る前から覚悟の上でしたが、内容的にはあまりぶっ飛んだ要素もなく、どこかで見たことのあるような展開、というよりもB級コメディゾンビ映画のテンプレート的な展開が続きます。

その上今作、何よりも狙った展開やギャグが寒かった(というよりも個人的に合わなかった)こともあり、もっと突き抜けた内容を期待していた私としては、個人的には期待はずれでした。しかしこれ、逆に考えればこの部分こそが今作最大の評価できる点であるとも言えます。詳しくは以下の良い点にて。

それでは、以下には今作の良い点を。今作の良い点は、ゾンビーバーの質が高めであるということと、王道展開がふんだんに盛り込まれているということです。

始めにゾンビの質について。この映画の主役であるゾンビーバーなんですが、パッケージや予告を見ても分かるように作りは恐ろしくチープです。というかもろに人形なんですよ、どう見ても。しかしこれが何とも、味があってなかなか憎めません。ただ、もしこれだけで終わっていれば、「ああ人形か」と思うだけでこれといって特質することもなかったでしょう。しかし、噛まれた人間が人間ゾンビーバーに変化するという展開を迎える後半になってから、この人形が真価を発揮します。

それまで散々人形によるチープな寸劇を見せつけられて来て、丁度慣れてきた頃にいきなり人間ビーバ―登場ですから、もう盛り上がり方が凄いのです。完全に一昔前のチープなコメディ映画から、見た目も動きも技術的にも一気に進歩する様を見せつけられるわけですから、実際のクオリティ以上に人間ビーバーの出来が良く見えてテンションが上がりました。

そもそも、人間ビーバーのクオリティ自体もかなり良く出来ており、変身シーンの手の込みようはもちろんの事、気持ちの悪いメイクや独特の動きなども割としっかりしていたため、これに人形ビーバーからの技術進化という後押しが強力に作用してかなりの高クオリティに思えます。この魅せ方は非常に上手いと思いました。

そして、先ほど悪い点でも挙げたテンプレ展開の連続について。これについては、一概に悪いと一蹴することはできません。なぜなら、このテンプレ詰め合わせ展開こそが今作最大の武器ともなり得るからです。ホラーコメディ映画にとっては、ぶっ飛んだ内容と同じくらい「あるあるネタ」というのが武器となることは周知の事実ですからね。

そういった視点から見れば、今作はあるあるネタの宝庫と言えます。B級ゾンビ映画の王道、お手本とも言えるような内容ばかりが詰め込まれているため、そのような要素をあるあるネタとして楽しむことが出来る人にとっては、今作は良作と言っても過言ではありません。

総評ですが、インパクトのあるタイトルとは裏腹に、良くも悪くもよくあるゾンビ映画、という内容の作品でした。まあなんというか、結局「ハングオーバー!」と同じで、好き嫌いが結構出る映画だと思います。多少の捻りはあるものの、若者がゾンビに追い回されるだけというお約束展開が大半を占めるという内容を楽しめるかどうかに今作の評価はかかっていると思います。

でも私は、これを普段B級ゾンビ映画を見ない人にこそ見て欲しいです。正直、これ一本でB級ゾンビ映画のお約束はかなり掴めてしまうので、ここから他のB級ゾンビ映画に入って行くきっかけになり得る作品ではないかと私は思います。必ずしも楽しめるかというとそうではありませんが、気になった方は釣られた気になって是非見てみてください。

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