「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

バトル・オブ・スカイアーク のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

レンタル版を視聴しました。まずはWOWOW先輩のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】

生き残るために少年たちが決死の戦いを繰り広げるSFアクション。一部の富裕層が巨大空中都市・スカイアークに移住する中、ラッグスたちは荒廃した地球でサバイバルを強いられていた。戦いの日々の果てに、彼らはこの世界の秘密を知ることになる。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………B
ミュータントの質…C
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………B-
おすすめ度…………C

【良い点】
・ストーリーが割としっかりしている


【悪い点】

・圧倒的説明不足
・もっさりアクション

ネット上をチラ見している限りではあんまり評判はよろしくなかったですが、B級SF映画としては割と良く出来ていると思いました。ストーリーはかなり王道的でありがちながらも、流れ自体は割としっかりしていてなかなか楽しめましたし、盛り上がりも見所さんもそこそこあって悪くなかったと思います。アクションシーンのもっさり感と説明不足が気になりますが、それ以外はまあ悪くなかったのでは……?

といいつつ、あまりおススメできるほどの映画ではないと思うので、おすすめ度はCにしました。

【以下、ネタバレ注意!】

結構面白かったと思うんですけど(続編希望)

さて今作ですが、富裕層が掌握するスカイアークという空中都市から追放された子供たちが、ミュータント蔓延る地上で過酷なサバイバルを強いられるお話です。そこに、新たに追放されてやってきた主人公は、実はスカイアーク反乱軍のリーダーの息子で、腕に救世主の証である13の傷を持っていたのでした。救世主であるという自覚が一切ない主人公は、周りからの重い期待に耐え切れず逃げ出すも、様々な経験を積みながら徐々に成長していく……という言ってしまえば非常にベタなストーリー

しかし他の映画と違う点としては、主人公は救世主という立場でありながら、腕に傷が13個あるだけの一般人なので、リーダーとしての素質もなければ特殊な能力もないということです。つまりクッソ弱いよ! そんなクソ雑魚主人公が、戦闘能力は相変わらずだが精神的に成長をしていく、というのが今作の大まかなあらすじです。

ということで、早速中身の方を見てゆきましょう。まずは良い点から。

この映画の良い点は、ストーリーの流れが割としっかりしていることです。これが結構大きい。

先に述べたように今作、ストーリーの流れ自体はかなりありがちです。おまけに説明不足も重なっていますから、見ていて様々な部分に疑問を感じる事ほぼ間違いなし。しかしそれを差し引いても、今作のストーリーは流れ自体は悪くありません

英雄の証を持っている者として周りに期待されながらも、なんの特別な力も持っていない少年の絶望や挫折、それでも仲間を救うため、真実に立ち向かうために立ち上がろうとする勇気やそれに伴う葛藤など、テーマというかやりたいことはしっかりと伝わってきて良かったと思います。

展開が雑な部分や粗削りな部分も多くありましたが、少なくともやりたいことの軸はしっかりとしており、それに伴うストーリー上の見どころもしっかりありました。この辺は、ありがちとはいえなかなか良かったと思います。個人的には、こういうベタながらも、主人公の挫折や葛藤、それを乗り越えた成長を見せられる展開は嫌いじゃないので良かったです。

というわけで、良い点は以上。続いては悪い点を。

今作の悪い点は、アクションシーンがもっさりしていることと、かなりの説明不足です。特に後者がなかなかの痛手でして……。

まず、今作はSF映画ですが、地上を闊歩するミュータントたちとの戦いがメインなわけですから、当然アクションシーンの出来は作品のクオリティに直結してきます。しかしこのアクションシーン、お世辞にも褒められた出来ではありません

特に主人公など、動きがかなりもたもたしていて迫力がまるでなく、全編通して戦闘シーンには緊張感がほぼありません。チャンバラシーンの出来具合だって、決められた動きを再現しているだけというのが丸分かりなレベルなので、戦闘で盛り上がる場面はありませんでした。

そして問題の説明不足。この映画、ストーリーの流れ自体は割としっかりしており、やりたいことはよく伝わってくるのですが、展開同士の繋ぎ方が雑というか、設定がガバっているというか、とにかく説明不足がかなり目立ちます。これが結構、見ていて気になってしまうんです。

まずこの映画、腕に13の傷を付けられた者は反乱軍のリーダーの息子であるという噂が地球に追放された子供たちの間で広まっている、というところから話がスタートするわけですが、そもそもその事実をなぜ追放されたガキどもが知っているのか、というのが引っ掛かるところから始まり、わざわざ怪物の餌にするために子供を一人ずつ追放しているという設定は無理がないかとか、なんでブルードロップとかいう怪物御用達の万能薬の存在をみんな知ってるんだとか、それはもう掘れば掘るほど説明不足から来る謎が出てきます。しかも、ストーリー上結構重要な部分ばかりなのでなおさら気になるという。

総評ですが、ストーリー的には結構しっかり出来ており、狭い範囲での出来事から一転、世界観を広げつつ続編への可能性を繋ぐオチなど、ありがちながらも全体的な出来はなかなか良かったと思います。反面、説明不足や戦闘面の盛り上がらなさなどが足を引っ張り、このような評価となりました。

一応、総合評価はB-となっていますが、かなりC+寄りの所に、個人的好みのポイント加算をした結果総合評価Bに滑り込んだような作品だったので、あまり胸を張っておススメできるような内容ではないかと思います。色々とベタですし説明不足ですし。

 それでも、個人的には結構好きだったので是非見て欲しいという気持ちもありますね。気になられた方は是非!
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