「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

女子高生サバイバル・ドライブ のレビューです(総合評価E+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ

製作 2006

販売 アルバトロス

言いたいことは色々とありますが、後に取っておきましょう。

レンタル版を視聴しました。まずはあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

女子高生仲良しグループを襲う恐怖を描く、前代未聞のハイテンション・サバイバル・ホラー。楽しくドライブをする女子高生仲良し5人グループ。しかし暗闇が続く中道に迷ってしまい、道端の不気味なドライブインに駆け込む。不注意から駐車してあった車に追突してしまった彼女たち。慌てて逃げ去るが、後ろから先程傷を付けた車が狂ったように追い駆けきて…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………E
キャラクター……D
設定………………D

総合………………E+
おすすめ度………E

【良い点】
・女子高生(女子高生とは言ってない)が出てくる

【悪い点】
・女子高生がかわいくない
・垂れ流しと単調展開のせいで緊張感がゼロ
・すぐ喧嘩してやたら叫ぶのでとにかくうるさい
・一転攻勢がクッソ遅く一瞬で終わるので爽快感すら皆無

こんなもん見なくていいから(良心)

【以下、ネタバレ注意!】

さて今作ですが、女子高生5人で休暇中にドライブしていたところ、不注意で追突してしまった車のオーナーが運悪く殺人鬼で、銃で脅されて裸にされたり辱めを受けたりした後、数の暴力で一転攻勢、連続殺人魔を殺害し返すというお話です。
完全に一章じゃないか、なんだこのあらすじは、たまげたなぁ……。

後評価について、D-にしようかE+にしようか悩んで悩んで悩み抜いたのですが、女子高生がかわいくない上にやたらと不快な屑どもばかりだったことに咥えて一転攻勢もクッソ雑だったのでE+にしておきました。こんな作品を世に送り出した勇気だけは讃えてあげたいと思った(称賛)

というわけで、お察しのとおり以下には酷評しかありません。こんなクソ映画に慈悲はない。

この映画の悪い点は、緊張感のなさ、キャラクターのウザさ、そして見せ場のない展開の三点です。何を隠そう今作の致命傷は三点目なんですが……まあ、順番に見ていきましょう。

まずこの映画の問題として挙げられるのが、緊張感のなさ。何がまずいって展開が死ぬほど単調なんです。車をぶつけてキチガイに捕まり、最初の暴行を受けるまでの流れはなかなかスピーディーで良いのですが、それ以降は完全に「捕まる→暴力!→キチガイが飽きて帰る→逃げる→捕まる→暴力!→……」の繰り返しと恐ろしく単調。キチガイが意味不明なタイミングで突然帰りだしたかと思えば、思い返したかのように再び追いかけてくるという理解不能な展開が続きます。

これに咥えて、今作には垂れ流しの素質もあり、展開の単調さだけでは実現しきれなかった退屈さの提供に貢献してくれていました。車内で一人残された女が物資を漁るシーンをノーカットで垂れ流すのは基本、周りをうろついたり、どうでもいいドライブシーンを無編集のままお届けしたりと、垂れ流しに関する腕前はまさに一流。こういう、何の見所もないシーンをあえてカットしないという非凡な手法によって、視聴意欲と緊張感を削ぎ落すことに見事成功していました。

このように、今作は単調な展開の繰り返しと垂れ流しが本編の大半を占めている映画なので、内容的には三十分もあれば充分なのです。そこを伸ばしに伸ばして九十分の映画にしているわけですから、ストーリーは超強引かつペラッペラで中身が全くありません。もうこの時点でD評価不可避。

しかしこの映画、こんなことくらいではまだまだ進撃を止めません。次なる問題がキャラの魅力のなさ、というよりもキャラのウザさです。今作に登場するのは、女子高生5人組とそれを追い回すキチガイ女1人の計6人なのですが、こいつらがもうびっくりするほど魅力ゼロ。特に女子高生5人組の方については、魅力なしを通り越してクッソウザいんです。

何がウザいって、もうとにかくうるさいんですよ。ギャーギャーわめき散らすくらいならまだいいんですけどね、今作で言う「うるさい」とはそんな生易しいものではありません。2人以上揃えば言い争いが始まるのを基本スタイルに、意見が一致することはほぼなく、全員が自分の思ったことを口々に言い合い、何をするにも意見がまとまらず勝手にヒートアップしていくため、本編の半分くらいを占める車内移動中はとにかく口論と罵声と喧嘩の繰り返し。これがもうとにかくうるさい。

かつ、敵であるキチガイ女についても、女子高生を追い回す理由がとにかく理解不能で、意味不明なことを喚きながら意味不明な行動を取り、意味不明なタイミングで突然帰っていったかと思ったら意味不明なタイミングで再登場、を繰り返すだけの純然たるキチガイなので魅力など皆無です。そのお粗末さたるや、サイコパスと呼べばサイコパスの方々に失礼なレベル。こんなもんを90分も見せられてどうしろって言うんですかね……もうこの時点でD-回避不可不可避。

しかしこれだけなら、まだD-評価で留まることが出来たでしょう。しかし今作には、待ってましたと言わんばかりに最後の一押しが用意されています。それこそが、一体全体何を魅せたいのかさっぱり分からないストーリー構成です。こいつこそが、何もかも駄目な今作の中においても一際輝きを放っていた異才な部分でした。

この映画、あらすじや予告を見ると、さも「キチガイに追い回された女子高生たちが復讐のために一転攻勢する」内容を売りにしているかのように思いますが、実際の所そんな充実した内容ではありません。一転攻勢シーンが始まるのは本編終了直前、かつ一瞬で終わる上に、キチガイ女を殺害するまでにかかる時間よりもその後の死体蹴りシーンの方が長いという完全なる謎采配により爽快感は皆無

かといって、それを除けば他はノーカット垂れ流しと単調展開の繰り返しにより緊張感は外出中ですし、移動シーンでは罵声と口論が主導権を握っているためとにかくフラストレーションが募り、虐待シーンでも敵の行動が理解不能かつ支離滅裂なため恐怖もまるで感じないという、一体何を見て欲しいのか全く分からない展開が終始続きます。これがもう本当に、本当に退屈極まりない。これらの要素を冷静に考慮した結果、総合評価E+と相成りました。残当。

総評ですが、もう何をとってもまるで駄目、褒めるべき部分は一切なく、全ての要素が軒並み残念で、それに咥えてぶっ飛んで残念な要素もしっかり含まれているというEランクに相応しい映画となっております。緊張感皆無、ホラー感喪失だけに留まらず、見せ場であるはずの一転攻勢シーンすらまともに魅せられないようではクソ呼ばわりされても仕方ないと思いました。

こんなもん見なくていいから(念押し)

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊