「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ザ・デッド インディア のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 イギリス
製作 2013
販売 アメイジングD.C.

公式サイトがあったので貼っときますね(公式サイトは→こちら

今作ですが、ゾンビ界隈では密かな人気を誇るザ・デッドシリーズ?の二作目です。一作目は「ゾンビ大陸アフリカン」という名前の映画で、私もこのブログ始める前に見ました。でもあんまり内容覚えてない……(小声) 

さてこの映画、近年のアグレッシブゾンビブームの中でもあえてノロノロゾンビを採用しており、それが人気の理由でもある作品です。気が付くと画面のどこかでゾンビが徘徊しているというような演出が、昔のゾンビ映画を思い出させてくれる……という感覚が堪らない、とハマる人も。

ちなみに、この手の映画では珍しくブルーレイも発売されています。やっぱ人気なんすねぇ!

ちなみに、二作目とは言ってもゾンビ発生の導入からガッツリやってくれる上に前作とは舞台も違うので、別に前作を視聴していなくても全く問題なく楽しめます。それとどうでもいいですけどアフリカンの方はタイトルで損してると思う。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“迫り来る、12億の恐怖― 電気技師のアメリカ人ニコラスは、インド郊外で風力発電の開発に従事していた。 彼には、インドで出会ったイシャニという恋人がいて、いつの日かアメリカで一緒に暮らす日を夢見ていた。 ある日、ニコラスの携帯に彼女から緊急事態を告げる連絡が入る。何やら街中の様子がおかしいと…。 ふと作業中の風力発電塔から見下ろすと、遠景に彼の目にも驚愕の光景が飛び込んできた。人間が人間を襲っている!? イシャニが危ない!しかし、ニコラスのいる場所から彼女が暮らすムンバイは500km 離れていた。 ニコラスは、愛する者を救う為、恐ろしい勢いで増殖しているゾンビの群れをかきわけて、ムンバイへの道を突き進む決心をする。 はたして、2人に未来は訪れるのか…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………B
ゾンビの質………C
キャラクター……B
設定………………C

総合………………B-
おすすめ度………B

【良い点】
・シンプルでありながらも、テンポが良く盛り上がりがしっかりあるストーリー
・キャラクター、特に主人公の描写がグッとくる

【悪い点】
・ゾンビが無気力すぎる

ノロノロゾンビやこういった昔ながらのノリが好きな人には堪らない、そうでない人でも普通に楽しめるなかなかの良作だったと思います。個人的には迫力のあるゾンビが好きなので、ゾンビの出来自体はそこまでハマりませんでしたが、シンプルなストーリー展開やキャラクターの描き方はかなり良く出来ていたと思います。ゾンビやラストシーンなど多少人を選ぶ要素はありますが、是非見ていただきたい一本です。

【以下、ネタバレ注意!】

さて今作ですが、あの(?)ゾンビ大陸アフリカンの続編、というか世界観を共有した別舞台での映画です。先にも書きましたが前作を見ていなくても問題なく楽しめるよ! 大まかなストーリーとしては、ゾンビが大発生したインドを舞台に、恋人を迎えに行くために500kmの道のりを移動するという内容の映画となっております。その途中に男の子と出会い、彼と一緒にゾンビだらけの中ムンバイを目指す、というような内容。ゾンビの少ない田舎から市街地を目指して移動するゾンビ映画ってちょっと珍しい……かもしれません。

でも市街地のシーンは案外あっさり終わっちゃうので、個人的にはもっと市街地入ってからの件が欲しかったです。まあ、それはいいとして、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、主人公をはじめとしたキャラクターの出来が良いということと、シンプルながらもしっかり見所のあるストーリーです。

まずはキャラクターについて。今作に登場するキャラクターですが、なかなかに魅力があります。それも、単に好感度が高いというよりは、人間くささが良いというか、その行動に共感できる部分が多くあるというところに魅力を感じました。特に良かったのは主人公ですね。「はるか遠方まで恋人を助けに行く」というヒーローチックな設定とは裏腹に、自分の身の丈に合った行動を取り、また自分の無力さに泣かされるシーンも入っていたりして結構グッときました。

そんな主人公の魅力を一番表現できているのが、旅の途中で車内から動けなくなっている母娘と出会うシーン。彼は、潰れた車に挟まれた彼女たちを何とか助けようとしますが、周りを大量のゾンビに囲まれ、彼一人の力ではどうしようもないことを悟ります。そこで咄嗟に、「車の潰れたパーツを撃てば隙間が出来て動けるようになるかもしれないから、屈んで耳をふさげ」と言い、その直後に、彼は母子の頭を撃ち抜いてしまうのです。

こういう、手遅れな生存者をせめて楽に死なせてあげようという優しさを主人公が見せるシーンって、なかなかありそうでないんですよね。しかも、子供ごとやっちゃうシーンとなるとかなり珍しいんじゃないんでしょうか。正直、「どうせ子供だけは助かるんだろ?」とか舐めて見ていた自分には、結構衝撃のシーンでした。自分だけの力では何もできないという無力感や虚しさ、そんな自分への苛立ち、そして、この理不尽な状況に対する怒りなど、交差する複雑な感情を良く表現できたシーンだと思った(絶賛)

とまあ、今作にはこのシーンをはじめとして、なかなか見どころのあるシーンが数多く含まれています。ゾンビの大群の上をパラグライダー(?)で飛行するシーンや、相棒となる少年と出会うシーン、彼との旅路やバイク泥棒のオッサンとの再会などなど、今作は見所がいっぱい。特に、無情さや虚無感を感じさせてくれるリアルなシーンが多くあったように思います。ストーリー内容的にはシンプルですが、今ではめっきり減ってしまったノロノロゾンビとの相性はかなり良かったと思いました。

では、良い点は以上でした。続いて悪い点、というより個人的不満点を。

今作の不満点は、ゾンビに迫力がなさすぎる点です。これがどうしても個人的に受け入れられず……。

この映画、古き懐かしきゾンビ映画にあるようなノロノロゾンビが主体なのですが、彼らゾンビがかなり無気力に描かれています。おそらくわざとだと思うのですが、いったいいつのゾンビ映画だよと思うほどトロトロとしていて迫力はぼなし。これを、私のように「迫力なさすぎだろ」と捉えるか「ゾンビはこれでこそいいんだ上等だろ」と好意的に捉えるかは完全な好みだと思うのですが、個人的にはもうちょっと迫力が欲しかったです。

 いや、私も走らないゾンビの方が好きなんですよ? 好きなんですけど、速度はこのままでいいのでもっと腕とか上半身を突き出してきたり、近距離まで来た時くらいはキレよくつかみ掛かってきたりしてきてほしいなぁ……という思いがどうしても浮かびました。後この映画、主人公がゼロ距離でゾンビ数体に囲まれてつかみ掛かられるシーンが2、3回あるんですけど、その度に難なく振りほどいて余裕で逃げていくのだけは萎えるのでやめてほしいと思った。

 総評ですが、ゾンビ映画としてのクオリティはかなりのもので、シンプルなストーリーや魅力あるキャラクターたちのおかげでなかなか楽しめるのですが、このタイプのゾンビが受け入れ難いという方も一定数いるだろうな、と思う映画でした。後瓦礫に埋もれるラストシーンはハッピーエンド厨の僕には受け入れられないのでNG

ともかく、かなりしっかりできた映画であることには変わりないので、興味のある方は見て損はないと思います。

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