「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ハーモニー・オブ・ザ・デッド のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 スペイン、ハンガリー
製作 2015
販売 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

今回は一風変わったゾンビ映画です。とにかくゾンビが全然出てこないので結構人を選ぶと思いますが、個人的には全編通してかなり面白かったと思います。というか幼女先輩が可愛いのでそれだけで見る価値があるのではないでしょうか(極論)

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazonせんせいのあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“感染から9年。 瀕死の地球。 生き抜いた3人に希望はあるのかー。 驚異の感染力を持つウイルスによって、人類はゾンビへと変貌し、地球は絶滅寸前の危機に追い込まれていた。 9年後、雪に閉ざされた小さな町“ハーモニー”には、人類最後の生き残りジャック(ドノヴァン)と小さな娘ルー(マッコリガン)、そして、アルコールで身を崩したパトリック(フォックス)がひっそりと暮らしていたが、9年前の事件により、パトリックとジャックの間には深い溝が出来てしまっていた。 そんなある日、絶滅したはずのヤツらがが姿を現し、”ハーモニー”の街は再び恐怖に飲み込まれようとしていた。人類は遂に滅びてしまうのか。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………B
ゾンビの質………B
キャラクター……B
設定………………C

総合………………B
おすすめ度………B

【良い点】
・人間ドラマを中心としたストーリーが非常に面白い
・キャラ好感度が高い

【悪い点】
・ゾンビ映画としては物足りない

ゾンビによるアウトブレイクから9年後の、ほとんど人間もゾンビも死滅してしまった舞台を題材にした珍しい作品です。ゾンビ映画ではありますが、荒廃した世界を生きる3人の人間ドラマが話の中心で、ゾンビ成分はだいぶ少なめ……と、かなり色の濃い映画でした。ゾンビが全然出てこないためゾンビ映画としては少々物足りず、人を選ぶ要素はありますが、そんなことは気にならないほどストーリーがガッツリ面白いのでいいと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

幼女先輩が可愛いと思った(小並感)

さて今作ですが、男2人と幼女1人がゾンビアウトブレイク後の荒廃した世界を生き抜く、という内容の映画です。ただし、今作はアウトブレイクから9年が経過しており、ゾンビは全部死に絶えたという設定の世界が舞台となっております。

まあ、それだと映画にならないので、実際にはゾンビはしっかり生き残っているわけですが、終盤を除いては設定に違わずゾンビはほとんど出てきません。あくまで今作は、荒廃した終末世界を生きる生存者たちの人間ドラマに、ゾンビ要素を足した映画として解釈するのが正しいかと思います。

では早速、今作の良い点悪い点見てゆきましょう。まずは良い点から行きましょう。

今作の良い点は、人間ドラマを中心としたストーリーが良く出来ているということと、キャラクターの好感度が高いということです。

今作、ゾンビ映画でありながらゾンビが全然出てこず、荒廃した世界を生き抜く人間ドラマが中心だと言いました。そしてこの肝心の人間ドラマですが、クオリティはかなりのものです。2人が仲たがいしていた理由や、3人の隠された過去が明らかになるタイミングなどもなかなか良く、総じてストーリー面に関する不満はほぼありませんでした。何より幼女先輩が可愛いので多少の粗はセーフ(真理)

また、キャラクターたちの好感度が高いということも、人間ドラマのクオリティの向上に貢献してくれています。まあ幼女先輩の好感度がマックスなのは当然として、注目すべきは話の中心となる男2人の好感度の高さ。この男たち、とても人間の鑑と言えるような性格ではありませんが、その行動に共感できる、というのが重要です。

妻を亡くして自棄を起こした男と、それに失望して彼の代わりに娘を育てることを決意した友人。そんな2人が、9歳を迎えた娘の手によって徐々に溝を埋めてゆき、最後には「娘のために」という同じ気持ちを持って行動を共にするようになる……というあたりの話はかなりの胸熱。やっぱり幼女先輩は偉大だな!

また今作、男2人と幼女1人というキャラ構成もかなり絶妙なバランス。幼女がいるおかげで、男2人の友情と親子愛を始めとした人間ドラマにさらに深みが出ています。反面幼女は戦闘においては完全に無力ですが、そこは幼女だから問題ありませんし、なにより「なんでもいいから幼女守って!」という気持ちで見られるため、数少ない戦闘面ではバッチリハラハラさせられました。またこの幼女、男2人以上にしっかりしているほどの有能で、知恵を絞ってゾンビも1体撃退するなどかなりのお利口さん。やはり幼女は正義ですね、間違いない。

以上、今作の良い点でした。では、以下には悪い点……というより不満になり得る点を。

今作の悪い点は、ゾンビ映画としてはどうにも物足りないということです。

この映画、あくまで人間ドラマが中心で、ゾンビはそれ+の要素となっていますが、それにしたってゾンビ映画としてはやはり物足りません。終盤の籠城戦を除けばゾンビは全然出てきませんし、しかも今作のゾンビ、環境に適応し進化した結果、噛まれても感染しなくなっているというゾンビ映画にあるまじき設定のため、ゾンビ映画特有の「噛まれたら終わる」という絶望感や緊迫感がありません。

おまけに、終末という世界観の影響で登場人物は4人のみ、かつ3人が生存するため死亡シーンもほとんどなく、やはり戦闘面では物足りなさを感じた、という人もいると思います。個人的には、このストーリーなら戦闘描写はこんなもんでいいとは思うのですが、ゾンビ映画を見たいという期待を持って見始めると肩透かしを喰らう可能性も充分にありますね、特に冒頭のアウトブレイクシーンの出来がかなりいいだけに。

総評ですが、ゾンビ映画としては若干異質ながら、幼女が可愛い、ストーリーが面白いとかなりの満足感を誇る作品でした。特に幼女先輩がいい味を出してくれているので、このキャラ構成は大正解だと思います。反面、ゾンビ映画としては物足りなさを感じる人もいそうなため、ゾンビ映画として手放しにおススメはできません。でも面白いので、是非一度見ていただきたい作品だと思います。

全編通してかなり面白かったんですが、個人的には冒頭(9年前)のパニックシーンのクオリティにかなり興奮したので、全編あんなノリの普通のゾンビ映画バージョンも見てみたかったです。贅沢な悩みでしょうか。

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