「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ミュータント・ワールド のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 カナダ
製作 2014
販売 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

なんでや! 結構面白かったやろ!(ネット上でボロクソ言われてる並の感想)

さて今回は、天下のソニー様が販売しているモンスター?映画です。最近Fallout4にドハマリしている自分からすると結構面白かったんですけど、あまり評判が良くなさそう(Yahoo!映画レビュー、Amazonカスタマーレビュー調べ)。悲しいなぁ……。

レンタル版を吹替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“凶暴なミュータントに支配された地球の運命は・・・ 美しき戦士が人類滅亡の危機に挑む SFサバイバル・アクション! 地球探査グループは、ある日、地球滅亡クラスの被害が予想される巨大隕石の落下を傍受。 仲間を連れ立って格納庫に避難するが、リーダーのマーカスが逃げ遅れ、消息を絶ってしまう。 そして10年後、なんとか生き延びたマーカスの娘メリッサら数名は、大きな地震によって太陽電池が故障したことから、地上調査に踏み切ることにする。 だが、外は氷河期のような寒さに包まれ、凶暴な突然変異体“ミュータント“に支配されていた。 父の血を受け継ぐメリッサは強烈なリーダシップを発揮し、彼らの攻撃に立ち向かう・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……C
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………C+
おすすめ度…………D

【良い点】
・かなりテンポが良く、流れがシンプルで快適

【悪い点】
・とりあえずやりたいことやってみました感がかなり強く、構成が雑
・設定ガバガバ

B-かC+かで死ぬほど悩んだ挙句、結局はC+に落ち着きました。激烈なテンポの良さとシンプルな展開に支えられ、特に前半部分は楽しんで見られます。ミュータントシティ戦以降は若干失速し盛り上がりにも多少欠けますが、B級映画としてはまだまだ許せるレベルでした。でもガバ設定とガバ展開はNG.

【以下、ネタバレ注意!】

世間の評価と自分の評価が食い違ってしまう現象は悲しくなるのでやめろ(真顔)

さて今作ですが、隕石落ちて来てシェルターに10年隠れてたら外はFalloutで世紀末だった、というお話です。つい最近は……シェルターに隠れとったのか?

まあ正直上記のあらすじ読んでいただければだいたいの内容は掴めてしまうので、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、激烈なテンポの良さとシンプルな構成により前半の視聴快適度がクッソ高いことです。

この映画、「①隕石落ちてきて→②シェルターに逃げ込んで→③10年経過して→④外の世界に出る」という流れが前半にあるのですが、この間延びしそうな4つのステップを恐ろしいスピードで処理してくれるため、かなり早く話が本題に突入します。さながら「もうこの辺はお決まりのお約束みたいなもんだから詳細な描写はいらねーよな!」と言わんばかりの開き直りで、③→④への流れなどシェルター内の生活描写がほぼゼロという潔さ。

ただ、こちら側としても見たいのは荒廃した世界でのミュータントとの戦いであって、①→④あたりのお決まり展開なんてねっとり描写してなくても全く構わないので、この潔い展開カットはありがたく感じました。咥えて、この映画は話の流れがクッソシンプルでやりたいことが非常に分かり易いため、特にこれらの傾向が顕著に出る序盤の視聴快適度はクッソ高いという特長があります。このテンポの良さは見習ってほしいと思う。

では、以下には悪い点を。今作の悪い点は、とにかくやりたいことやってみた感が強くストーリー展開がぐちゃぐちゃになっているということと、ガバ設定です。

先ほど、この映画は話の流れがシンプルでやりたいことが分かり易いと言いましたが、反面展開同士の繋ぎはかなり強引かつぐちゃぐちゃで、起きていることは理解できるんだけれどもどうしてこうなっているのかが全然分からないという恐ろしい問題があります。

これはどういうことかというとですね、例えば作中で「どう見ても脱出不可な状況にいたはずの仲間と突然合流」したり、「何の面識もない敵のおっさんが突然助けてくれ」たりという事態が起こるのですが、この映画は肝心の「どうして脱出できた」「どうして助けてくれた」という部分をガン無視して話を突然進めやがるせいで、展開同士の繋ぎの部分がほとんど機能しておらず話の構成的にはかなり粗が目立つのです。つまり、やりたい展開、やってみたいことを入れたはいいけれど、それの説明や経緯をすっ飛ばしてしまうせいで全体的に繋ぎが雑なんです。

咥えて今作、ガバ設定が目立つというのも痛いところ。この映画、「結局ミュータントってなんだよ」という物語の核となる設定から、「子供が産まれなくなった」という死に設定、「夜だけミュータントになる」というご都合主義設定にいたるまで、各種設定についてはかなりガバガバです。これとガバ構成が合わさってしまったことが、今作を手放しで褒められない所以となっているのです。

また、ミュータントは目が緑のタダノ人間であることや、籠城戦以降のアクションがのっぺりしていることなどから、後半ほど盛り上がりに欠けるということも若干気になるところでした。

総評ですが、前半の視聴快適度は相当なレベルである一方、ミュータントとの戦闘という肝心の見せ場に向かうにつれてだんだんと粗が大きくなってゆくので、何と言うかすごく惜しい映画だと思いました。もう少し、もうほんの少しまともな作りだったならば、個人的にはB-付けていたと思います。

それでも、個人的には結構好きな映画でした。ネット上の評価が低い理由にも頷ける一方、これはやっぱり悲しいなぁ……(無情)

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