「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

タイムハンターズ 19世紀の海賊と謎の古文書 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 ロシア
製作 2013
販売  トランスフォーマー

たまには気分転換にアドベンチャー? SF?もいいかな、ということで、目に付いた面白そうなやつを借りてみました。

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】


【あらすじ】

ロシア、モスクワ。ジャーナリストのディミトリは、19世紀の米国に実在したロシア領・フォート・ロス(ロス砦)についての調査中、社内に保管された機密文書の中から、自分にそっくりな似顔絵と謎の手紙を発見する。真実を探ろうと、アメリカに渡るディミトリ。到着した彼は現地のスタッフ、マルゴらと砦の跡地へと向かう。ふと携帯電話を覗くと、そこには見知らぬソフトがインストールされていた。不審に思いながらソフトを起動すると、突然、ひと気のなかった跡地が活気にあふれた町に変化してしまう。そのソフトはなんと、行きたい時間、場所に一瞬で移動できるタイムマシンだったのだ! 驚きながらも、タイムトラベルしたことを喜ぶディミトリ。しかし、いきなり現れた海賊に、大切なマルゴと携帯電話を持ち去られてしまい…。思いもしない大冒険に挑むことになったディミトリは、海賊の手からマルゴを救い、タイムマシンと機密文書に隠された謎を解き明かすことができるのか! ?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
設定………………C

総合………………C+
おススメ度………D

【良い点】
・話のテンポが良さ気で高揚感がある
・映像とか結構きれい

【悪い点】
・説明不足で展開がよく理解できない
・クッソ意味不明なストーリー

基本的な部分は割と出来ており、面白いといえば面白いですし、冒険の高揚感とか盛り上がりもちゃんとあって私は結構好きな映画だったのですが、ストーリーに関しては今何が起きているのか全く分かりませんでした。とにかくストーリーがクッソ激烈に難解なので、日本人には早すぎるんじゃないかと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

さて今作ですが、タイトルのとおりまあよくある時間旅行的アドベンチャー映画です。しかしまあ、これがまたかなりの曲者でして……。

これといって言うこともないので、早速良い点悪い点見てゆきましょう。まずは悪い点から行きたいと思います。

今作の悪い点は、展開同士の繋ぎが雑で今何が起きているのか分からない事があるということと、ストーリーが難解すぎて意味が分からないということです。

まずは展開について。今作、展開、というかストーリー部分については「タイムスリップした先で海賊にタイムマシン(スマホ)奪われたので取り返しに行くンゴ」というだけと非常にシンプル。そのため、話の流れ自体は割と掴みやすいのですが、展開の繋ぎというか、ストーリー構成が随分と滅茶苦茶かつとんでもなく説明不足な部分があるため今何が起きているのかクッソ分かりにくいという問題があるのです。

その象徴的な部分が、今作の終盤にある、今1820年にいたはずなのに時間移動描写も何もなくいきなり主人公が1825年にいるというシーン。これはもう説明不足なんてもんじゃありませんぜ。しかもその後、またしても時間移動描写無しで普通に1820年に戻って来ていたりするのですから、完全に話に置いてけぼりを喰らいます。これが現代と1820年とを行き来する位時間に差があれば分かるんですが、5年後なんて変わり映えしない時間を説明もなく行き来されるので混乱必至。

他にも、今作に登場する固有名詞(デカブリストの乱、ロス砦etc……)に関する説明はほぼなく「説明しなくても分かるよね?」という前提で話がどんどん進んでゆくため、途中で全くついて行けなくなります。また、そもそも今作の主人公が時間移動アプリ(タイムマシン)を手に入れた理由についても全くの説明不足で、終始何が起きているのかの状況把握には頭を悩まされました。そして私は考えることを止めた。

しかし、こんな分かりにくさなど全くの序の口。今作における一番の問題点は、とにかくストーリーがクッソ難解で話に全くついていけないということです。

先ほど、話の流れ自体はシンプルで掴みやすいといいました。言いましたが、それは「スマホ取り返す」という部分に関してだけのことで、そもそも主人公たちがタイムスリップした目的については、何の説明もないためさっぱり分からないんです!

いや、確かにタイトルにあるとおり、謎の古文書に関する謎を解くために過去に飛んだ、ということは分かるんですよ。分かるんですけど、時間移動後、主人公は古文書そっちのけで明らかに別の目的のために奔走し始め、軍の人間と仲良くなったり、やたらと密書書いてもらうようお願いしたりと、これがもう何をしたいのかさっぱり分からないんですはい。

これと、先述した固有名詞説明拒否現象、説明不足、展開が分かりにくいストーリー構成などが合わさり、何かしたいのは分かるんだけれど何をしたいのか分からないという状況がガチで終始続きます。しかもその割には、展開に大した深みもないという問題も。

特にこの固有名詞説明拒否現象についてはかなりの曲者で、もう言うなれば、「ガンダムってアムロとシャーが戦うんでしょ?」くらいの知識しかない人がいきなり逆シャア見るくらい無謀です。この映画、ロシアの人なら分かるんですかね?

と、とにかくクッソ難解なストーリーが足を引っ張りまくる今作ですが、個人的には結構楽しめました。その理由は、テンポが良く冒険もの特有の高揚感があることが良い点として挙げられるからです。

今作、話の内容自体はさっぱり分かりませんが、それでも話のテンポは結構良さ気でアクションシーンも多く、ロケ地も自然が綺麗で村を行き交う人々の雰囲気もいい感じに演出されており……と、楽しめる部分は随所にあります

特に、背景の海やアクションなどをはじめとする映像的な綺麗さがなかなか良質で、海賊との戦いや現地軍人との共闘などに、冒険もの特有の高揚感や盛り上がりが感じられたのが良かったです。普段はゾンビやらモンスターやらホラーやらの暗い映像ばかり見ている私の荒んだ心を、バッチリ癒してくれました。また、ダラダラと会話ばかり続かせずに、しっかり動き回って冒険? してくれるというのも嬉しいところ。総じて、激烈難解ストーリーさえ気にしなければ、基本はしっかり出来ていた作品だと思いました。

総評ですが、日本人には早すぎた映画だと思います。というより、ロシア人でも厳しいんじゃないでしょうか。とにかく主人公が行動する動機、目的の部分が見えてこず、「何かの目的に基づいて行動してはいるんだろうけど、その動機の部分が全く分からない」という事態にずっと頭を抱えることとなります。個人的には結構好きだったんですが、2回目を見ようとは思えないですね。見ても理解できる気がしないです。

余談ですが、情報収集のために『タイムハンターズ』でネット検索をかけてみると、ガチ考察姉貴の映画感想ブログが出てきて、楽しく読ませていただきました。恐らくこちらを見かけることがなかったら、この映画の主人公が何をしたかったのか一生理解できないままだったと思います。恐らく、この映画を見ても内容は半分も理解できないのが普通だと思うので、「見たけど全然内容分からんしクッソモヤモヤするンゴ」という方は『タイムハンターズ』で検索、かけよう!

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