国籍 アメリカ
製作 2015
販売 トランスワールドアソシエイツ
さて今回は見てのとおり、ダニー・トレホ兄貴が出演しているゾンビ映画です。
きっと大活躍するんだろうなーゾンビをバッタバッタなぎ倒しちゃうんだろうなー
レンタル版を字幕で視聴しました。吹替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
1846年。北カリフォルニアに位置するシエラネバダ山脈で噴火が起き、逃げ遅れた人々が溶岩にのまれ死亡した。それから150年以上が経過した現在。“悪魔の山”と呼ばれるその山は再び噴煙を上げ始めた。マグマ大爆発が予測され、政府は地元住民に対し避難勧告を通達。デントン保安官はロバーツ一家と共に32キロ圏外へ移動を始める。しかし、時既に遅く、“悪魔の山”は大噴火を引き起こし、山に取り残されてしまった一行。その時、彼らの前に現れたのは、想像を絶する生ける屍の大群だった・・・!ひとり、またひとりと犠牲者が出る中、果たして彼らは生き延びることが出来るのか!?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ゾンビの質………C
キャラクター……C
設定 ………………C
おすすめ度………D
【良い点】
・全体的に致命傷と呼べるほどの部分がないので見てはいられる
【悪い点】
・トレホ詐欺
・単調で盛り上がりのないストーリー
・ゾンビの出来が平凡すぎる
ものすごく悪いと言えるほどの部分はこれと言ってないのですが、反面良いと言えるほどの部分もなく、その上細かい不満点がちらほらと存在しているので、はっきり言って平凡以下の出来と言わざるを得ません。これまたつらいのが、他のゾンビ映画にないような特長すら持っていないということなので、本当に今作をわざわざ見る意味はないと思います。
あ、それとトレホ兄貴は主演でも何でもなく、ゾンビとは一切戦いませんので、彼目当ての視聴はやめた方がいいと思います(無慈悲)
【以下、ネタバレ注意!】
さて、早速良い点悪い点を見て行きたい――と思うんですが、どうも今作パッとしないせいか、良いと言えるほどの部分がないんですよね……悲しいことに。強いて言うならば、いろいろと平凡すぎる反面、致命傷となる部分がないため一応見てはいられるということでしょうか。
この映画、後述しますがもう本当に平凡な出来で、ゾンビの出来もそこそこのレベルならこれといった特徴もなく、ストーリーは不満こそあれDを付けるほど悪いわけでもなく……と、パッケージとは裏腹に内容的には平凡・オブ・ザ・平凡の道を進んでいます。しかしそのおかげか、とりあえず最低限のレベルは全要素クリアしているため、不満はありつつも見てはいられるのです。まあ、この「見ていられるけれども面白くはない」という部分がまた苦痛ではありますが……。
というわけで、これが今作唯一の良い点(?)です。いやもう馬鹿にしているようにしか聞こえないかもしれませんが、とりあえず最後まで見られるというのは割と重要なことだと思うので、良い点に挙げておきました。というか、これを省いてしまうと本当に書くことがないんです。お願い許して!
というわけで、以下には悪い点を。今作の悪い点は、どうにも単調気味で盛り上がってこないストーリーと、コンセプトの割にはゾンビが平凡すぎるという点、そして何よりトレホ詐欺です。
この映画、致命傷はないと先ほど言いました。しかしそれを差し引いても、ストーリーの単調さだけはどうしても気になります。前半の無駄な会話シーンでごたごたするのはまあ良いとしても、中盤の「逃げ→立て籠もり→喧嘩→逃げ……」の件など本当にダレ気味。何より、ヒロインとジジイがお互いに対してやたらと好戦的なのが問題で、ことあるごとにクッソ下らない喧嘩をしやがるためやっていられません。それでもテンポは悪くはない方で、ラストシーンにそこそこの盛り上がりはあるので悪くはないのですが、それを考慮してもこれは……という感じです。
次なる問題点は、ゾンビの出来具合について。今作、ゾンビの出来自体は可もなく不可もなくな感じなのですが、インパクトのある煽り文句や設定の割にはあまりにも無個性。火山から蘇ったので身体が熱々設定は、触ると火傷を負うどころか「アツゥイ!」となる程度で全く特徴になっておらず、もうちょっと何か面白い使い方が出来たんじゃないか……と思うだけになんとも残念でした。
しかし、これらは全くの序の口。この映画における一番の問題点は、なんとどう見ても主演を飾っているはずのトレホ兄貴が全く活躍しないことなのです! 通称トレホ詐欺!
今作、誰がどう見ても「トレホがゾンビと戦うんでしょ?」という感想を抱くであろう作品でありながら、なんとトレホはゾンビと戦わないどころかほとんど登場しません。それもそのはず、話のメインとなる時代には、トレホはいないからなのです! 「じゃあトレホいったい何役なんだよ」と言われると、「ゾンビと主人公たちとの戦いがあったという昔話を話すおっちゃんの役」としか言いようがありません。しかも話す役とは言っても、登場は最初と最後の数分にしかありませんので、語り部のくせに姿も見せなければ声も全く聞けないという始末。なんだこの詐欺は、たまげたなぁ……。
総評ですが、はっきり言って見る価値はありません。別にクッソつまらないというわけでもないのですが、ゾンビ映画としてとにかく無個性すぎる、ということが原因として挙げられます。トレホとバーニングゾンビという二つの強みを持っているはずでありながら、そのどちらも機能していないのでこのような評価となってしまいました。残当。
なお、「トレホがゾンビと戦うんやな!」と騙されてトレホ目当てで借りてしまうとフリスビー不可避なので、その点だけはご注意いただきたいと思います。