「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ことりばこ のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 日出る国
製作 2011
販売 ブロードウェイ

みんな……ことりばこ、って……知ってるかな?

知っている人は知っている、あの有名なネット発の都市伝説を題材にした映画です。まあ要するにひきこさんみたいなもんだな!(暴論) 興味のある人は「ことりばこ」で検索すれば記事が見つかると思うのでぜひ読んでみてください。一応、簡単なあらすじは下記で解説します。

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

ブロードウェイが誇る3大ホラー「ほんとうにあった怖い話」シリーズの最新作。1860年から1880年の間に島根県にある貧農村で秘密裏に作られたと言われる呪いの箱“子取り箱”。現代に蘇ったこの箱にまつわる忌まわしい物語を収録する。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
キャラクター……C
ホラー度…………C
設定………………C

総合………………D+
おすすめ度………D


【良い点】
・一瞬だけ見えるホラーセンスの高さ
・前半は結構面白い

【悪い点】
・後半のクッソグダグダな展開
・後半の完全にギャグな展開
・後半の

序盤は無駄な話多めながらも展開としてはさほど悪くなく、さらに子取り箱を発見してからの中盤のホラー的盛り上がりはなかなかのもので、前半部分だけならB-を取れるレベルのポテンシャルは秘めていると思いました。ですので、子取り箱を発見して一人目の犠牲者が出る中盤くらいまで視聴した後、何も言わずに見るのを止めれば良いのではないでしょうか。

【以下、ネタバレ注意!】

「なんやこれ結構面白いやんけこれは名作の可能せンアアァアアアアァアァアァアァアアァア!!!!!!!(絶命)」

先生怒らないから後半作ったやつ出てきなさい(激憤)

さて今作ですが、あの有名な都市伝説「ことりばこ」を題材にしたホラー映画です。「ことりばこってなんだよ」という方のために滅茶苦茶大雑把に説明すると、子取り箱とは、中に大量の血と間引きされた赤ちゃんの身体の一部を詰め込んだ木製の箱のことです。この箱は、近くにいる「子供を産むことが出来る女性」や「子供」に影響を及ぼし、その内臓をズタズタに引き裂いて苦しみ悶えさせた後、死に至らしめることが出来るという、所謂呪いの道具の1つだそうで。何でもその呪いの力が強すぎて、100年単位の時間をかけないと処分できないらしいっすよ?

ネット上をやわやわ探してみても、ことりばこの概要を短くまとめた物が見当たらなかったので超大雑把に書いてみたんですが、分かりましたか? 分かってください。興味を持った方は「ことりばこ」で検索すると元ネタとなった書き込みが見られますので、検索、しよう!

というわけで、今作はこれを題材にした映画です。映画の最初の部分にことりばこの詳しい説明があるので、元ネタ知らなくても映画自体は見られるかと思います。見る価値があるかどうかは別として……。

では早速、詳しい内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、ホラーセンスが良好な部分が一部あるということと、前半だけ見ればそこそこ面白いということです。

割と蛇足多めのキャラ&ステージ紹介を兼ねた序盤から入りまして、「絶対に入るなよ! 絶対だぞ!」と言われた神社に大学生グループが肝試しに行くという中盤を迎えるころ、今作のホラー度は最高潮を迎えます。偶然発見したことりばこを持ち帰ってきてしまったグループの1人が、宿泊をしているペンション内で奇妙な現象に遭遇する……というシーンのホラー描写は、この手のB級ジャパニーズホラーの出来としてはなかなか目を見張るものがありました。

机上に置かれた謎の木箱の蓋が空き、中からドロドロとしたドス黒い液体が流れてきて、気が付けばその箱の隙間から女の瞳がじろりとこちらを向いている……このあたりのシーンのおどろおどろしさや恐怖を演出する手法は本当に良く出来ていたと思います。その後、隙間から覗いてた女が這い出てくるあたりの描写は完全に蛇足でしたが、それを差し引いても結構良く出来ていました。

というわけで、このような良質なホラーシーンと基本的な話の流れの悪くなさ、またギリギリ許容できる範囲のテンポなどに支えられ、役者さんの演技のあれさなどを差し引いても前半部分だけはそこそこ面白かったです。特に、ホラー描写がしっかりしているのが良いですね! まあ、後半の展開の方がよっぽどホラーなんですけどね……(意味深)

というわけで、良い点は以上でした。続いて悪い点を。今作の悪い点は、後半の展開考えた奴自首しろということです。

今作、前半部分ではありがちながらもガッツリホラーしていたくせして、後半に差し掛かる頃にはその容体が急変します。「なんか管理人のおっちゃんが銃持ちだしてきたわ」と思ったあたりから暗雲が垂れ込み始め、「(神社に)行くなっつってんのに行くってのはおかしいだろうがよぉ!」等と激怒したおっちゃんが大学生を撃ち殺した辺りで、物語は見事グダグダの迷宮へと突入

その後は「せや! ことりばこにゴミ学生どもの子宮突っ込んで呪いの効力上げたろ!」「ついでにゴミ処理場建設計画賛成派にことりばこ送りつけて皆殺しにしたろ!」というまるで悪ノリみたいな展開が幕を開け、以降は死体漁りと逃げる大学生ハンティングシーンしかありません
何だこの展開は、たまげたなぁ……

以上のとおり、後半は謎展開の開始によりホラー描写が完全に姿を消し、蓋を開けてみると今作の犠牲者5人のうち、ことりばこの呪殺2に対して射殺3と明らかにおかしい仕上がりに。前半部分で無駄に期待を高められた分この失望感は異常で、本当に乾いた笑いすら出てきませんでした(真顔) このバランス調整をした奴は誰だぁ!

総評ですが、前半は不器用ながらも要所要所はしっかりしていて、この手の映画としては充分な合格点をあげられる出来だったんですけどね、気が付いたら擁護のしようもないクソ展開に……。前半で勝手にハードルを上げられた分その落差はクッソ大きく、「普通に美味そうでいい匂いのする料理出されたけど口に入れてみたら味がしなかった」レベルの失態で思わず真顔になること必須です。わざわざ見る程かというと、そんなことはないでしょう(無慈悲)

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