「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

シャークネード エクストリーム・ミッション のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2015
販売 アルバトロス

ナンバリングは外れていますが、正真正銘あの有名サメ竜巻映画の3作目でございます。

いつの間にかシリーズ化していた今作ですが、まあB級サメ映画においては「最後まで飽きずに見られる」ということ自体かなり貴重な出来事ですからね。1作目の時点でなかなか面白かったですし、シリーズ化するのも妥当と言えば妥当……なんでしょうか?

B級サメ映画としてはなかなか面白かった1作目、さらに進化した2作目を受けての3作目。その内容はいかに……?

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

世界中を熱狂させたサメパニックシリーズ第3弾。未曽有の天変地異・シャークネードが、アメリカの首都・ワシントンに襲い掛かる。フィンたちが訪れていたユニバーサル・スタジオ・フロリダにも大量のサメが押し寄せ、園内は地獄絵図と化す。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………B
サメの質…………B
キャラクター……B
設定………………E

総合………………B-
おすすめ度………C

【良い点】
・相変わらずテンポが良いので飽きずに見られる
・サメの質の向上もあり、戦闘関連の出来は上々

【悪い点】
・前作に比べると盛り上がりに欠ける

例の3作目です。テンポの良さと戦闘関連のクオリティの高さはやはり健在で、そこは安心してください、しっかり楽しめました。しかし、前作までと比べストーリーが多少複雑化していることや、盛り上がり方も前作までと違った部分に重点が置かれているため、その変化をどう捉えるかで評価が変わってくる映画かと思います。個人的には、前作までの分かりやすいストーリーや盛り上がり方が好きだったので今作は少し微妙に感じました。

またこの映画、シリーズ物ということで、登場人物をはじめ話がバッチリ繋がっており、1作目から見ないと話についてゆけません。そのため、まずは1作目からの視聴をおススメします。

【以下、ネタバレ注意!】

いつの間にかこのシャークネードシリーズも3作目ですね。こんな一発ネタ全開の作品が3作も出てるとかアメリカ頭おかしい……。でもB級サメ映画かつ面白い映画って貴重だからね、仕方ないね。

というわけで今作は、サメを巻き上げた竜巻が街を襲うという意味不明なコンセプトの映画です。前作までと話が繋がっているので、視聴の際には1と2を先に見ることをおススメします。というか見ないとついて行けませんぞ。

では早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、相変わらずのテンポの良さと戦闘関連の質の高さです。

わりとこのシリーズとおして言えることですが、この映画の良さとして挙げられるのはまずテンポの良さ。開幕とほぼ同時にシャークネードがホワイトハウスを襲撃するというトンデモないシーンから始まる今作は掴みがかなり上々で、開幕のインパクトはバッチリ。もうこの時点で興味を向けさせられます。

その後もシャークネードのこまめな襲撃により話はダレルことなく中盤を突破、後半にかけて若干失速しますがラスト付近では見事に盛り返し、総じてテンポの良さに助けられ視聴満足度はなかなかのものでした。この、序盤からとにかく展開をトばして視聴者の興味を掴むという2からの手法は大正解だと思います。

咥えて今作、戦闘関連の質の高さも良い点に数えられます。これまた相変わらずですが、今作でも戦闘の質の良さは健在。なかなか良好なCGを武器に、ホワイトハウスやユニバーサルスタジオ、果ては宇宙を舞台に、サメや主人公が大暴れする様はなかなか見ものです。特に、最序盤のホワイトハウス崩壊戦と、終盤のレーザー照射以降の宇宙戦はなかなかの盛り上がりを見せました。

と、ここまで前作の良い点をしっかり引き継いでいる今作ですが、それでも気になる悪い点が。それは、前作に比べると盛り上がりが足りないことです。

小ネタを挟み込む能力や優秀な伏線回収能力を備えていた前作に比べ、今作でのそれらはあまり芳しくありません。特に、メインキャラやサブキャラ以外の、所謂モブキャラ(ニュースキャスターや一般市民)の扱いがかなり雑に。そして、前作ストーリーの盛り上がりに多大な貢献をしたモブたちの見せ場を削ったことが祟ったのか、今作は特に後半の盛り上がりに欠けているように感じました。

確かに今作、終盤の父ちゃん単身特攻シーンや出産シーンなど、盛り上がるシーンもいくつかあります。あるのですが、今作では無駄に話のスケールを広げ過ぎた結果目の前のシャークネードへの対応が雑になりがちで、また話をデカくし過ぎたために主人公たちだけが頑張る一方、一般の人々はほぼ蚊帳の外という展開が続くので、前作のように市民全員を巻き込んで高揚する、というような分かりやすい盛り上がりに欠けるのです。

しかしその分、今作には前作よりもしっかりとしたストーリーがあり、メインキャラ同士の掛け合いで話を進めていこうとする傾向が強まってはいます。いるのですが、これがまた少し曲者。前作までは、「とにかく目の前のシャークネードを何とかしよう!」というクッソ単純でシンプルなストーリーを軸に立ち回っていたおかげで、小ネタやサメの襲撃などストーリー以外の部分を素直に楽しむことが出来ました。

ですが今作においては、これに中途半端にストーリー要素を咥えてしまったせいで話が無駄に小難しくなっており、どうもシンプルな危機感やハラハラ感を感じにくいというか、目の前のシャークネードとの戦いが雑になっている気がするというか、無駄なストーリーのせいで今シリーズ最大の武器だったノリと勢いが損なわれている気がするというか。この影響をモロに受けたのが後半~ラストの宇宙戦部分で、正直なところ、ストーリーはもっとシンプルな前作路線で良かったと思います。

総評ですが、戦闘やテンポの良さに対する満足度は前作から引き続き高いものの、前作に比べるとストーリー関連での転換が大きく、この部分をどう評価するかで好みが分かれそうな映画だな、と思いました。依然としてB級サメ映画の中では良作の部類に入ることは間違いないのですが、ほぼ文句なしのレベルだった前作に比べると、個人的には失速したかなと思います。

反面、主人公勢は拍車をかけて人間を辞めており、前作以上に活躍目覚ましいので、合う人には今シリーズ最大級にマッチする可能性を秘めていると思います。話の規模のデカさを映画のスケールのデカさと同一視出来たなら、今作は前作以上の良作に思えるかもしれません。まあ要するに好みの問題ですね!(丸投げ)

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