(画像:Amazon商品ページより引用)
国籍 アメリカ
製作 2013
販売 トランスフォーマー
何が驚いたって、これPOVだったことですね。てっきり俯瞰視点映画だと思ってたのでビビりました。
(POV:ハンドカメラなどで撮られた主観視点映像を中心に構成された映画)
しかも今作の場合、「RE:KILLというドキュメンタリー番組がある」という設定で、この映画丸々その番組を見させられるという内容になっていたので、映画というよりはテレビ番組見てる感覚に近いです。というかもはやテレビ番組です。これについての賛否は、とりあえずおいておくとして。
レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“全人口の80%がZOMBIE! 今から5年前、謎の<蘇生死者ウイルス>が世界中に蔓延し、人類の80%が感染。感染者は人間を襲い、人肉を喰らうゾンビへと姿を変えてしまったのだった。その後、感染拡大を防ごうと、ゾンビを一掃するためにつくられた精鋭部隊<R師団>の活躍のおかげで感染者は日に日に減少。唯一感染を免れた街、NYは政府によって管理され、軍以外は立入ることができなくなっていた。しかしある日、隔離されているはずのNYに、何者かが密かにゾンビを運び入れているという情報が入る。一体誰が、何のために…?真相を突き止めるべくNYへと向かった隊員たちだったが、彼らを待ち受けていたのは、閉鎖された街を支配する、大量のゾンビ軍団だった…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー………B
ゾンビの質………B
キャラクター……C
設定………………C
総合………………B-
おすすめ度………C
【良い点】
・ゾンビやグロシーン、戦闘等の質が高い
・頭を空っぽにして楽しめるストーリー
【悪い点】
・POV特有の画面揺れ、暗さなどが特に激しく見にくい
個人的には結構楽しめて満足だったですが、Yahoo!映画レビューやAmazonレビューを見ていると割と否定的な意見が多かったことや、POV特有の画面揺れ、テレビ番組垂れ流しという構成など結構アクが強い作品なので、おススメ度は少し下げておきました。
【以下、ネタバレ注意!】
もうこの時点で「あっ、無理無理」という人も出そうですね。結構人を選ぶ映画だと思います。それを踏まえて、以下のレビューをどうぞ。まずは良い点から。
今作の良い点は、ゾンビやグロシーンの質が高いということと、頭を空にして楽しめるストーリーです。
まずはゾンビの質について。今作に登場するゾンビは元気良く走りまわるアグレッシブ系です。まあ、これの好き嫌いは置いておくとして、ゾンビ自体はかなりしっかりと作られていました。今作のゾンビは基本的に少数での登場は少なく、ゾンビと遭遇する時は常に大多数との戦闘になるのでそれで誤魔化している感はありますが、それを差し引いても大量のアグレッシブゾンビとの戦闘における絶望感や緊迫感、迫力はなかなかのものでした。
咥えて今作、グロシーンの出来が良いということもゾンビとの戦闘の質の高さに貢献しています。要所要所でしっかりと手を抜かないグロ描写を入れてくれるのは、見ている側としても飽きにくくて良かったと思います。また、銃撃や爆破などもしっかりと描写してくれるので、総じて戦闘関連の満足度は高かったです。
次にストーリーについて。今作、ストーリー評価にBを付けておきましたが、これは別にストーリーが奥深いだとか感動的だとかそう言う意味のBではありません。今作は全編テレビ番組という設定もあり、ストーリー自体は割とスッカスカで内容は非常に薄いです。
しかし逆に、テンションを削がれる長ったるい会話シーンや無駄な話もほとんどなく、戦闘シーンの詰め合わせみたいな構成になっているため、これがまた質の高い戦闘シーンとの相性が良い。とにかく無駄な話が少ないため、頭を空にして戦闘を楽しむために見るのならかなり良い構成だったと思います。質の高い戦闘シーンとの相性の良さ、これが今作のストーリー評価Bの理由でした。
なお、「途中途中に入るCMが邪魔くさい」「インタビューシーンとか無駄やしイラネ」という意見もあると思いますが、これらを無駄と思うか茶番と思うか面白いと思うかは人それぞれだと思うのでスルーします。個人的にはCMが結構面白くて好きでした。
では以下には悪い点を。今作の悪い点は、POVである宿命か、いろいろとすごく見にくいということです。普通のPOVなら別に気にならないことでも、今作ではこれが大きな問題で……。
POV映画というと激しい画面揺れは付き物ですが、今作はアクション重視の映画なのでそれが特に気になります。そして悲しいかな、この激しい画面揺れとアクションシーンとの相性は良いとは言えません。咥えて、今作は(特に後半)暗すぎてよく見えない、という事態も頻発します。
折角質の高い戦闘描写も、力を入れているグロシーンも、そもそも見えなければ意味がありません。これだけ戦闘に力を入れるのなら、POVではなく普通の俯瞰視点映画にすればいいのに、という意見の方も多いのではないでしょうか。テレビ番組風映画ということで、折角頭空っぽにして楽しめる設定であるのに、画面揺れのせいで見ている途中キツかった、という人もいるでしょう。内容は良いのに損をしてるなー、と思います。
反面、テレビ番組風の演出を多用しているという点や、カメラが部隊に同行するという設定で臨場感を演出している等、今作にはPOVでしか出来ないこともしっかりと盛り込まれているため、一概に「絶対俯瞰視点の方が良かった」とは言えないとも思いますが、このあたりになってくるともはや「好み」としか言えません。
総評ですが、画面揺れが一番の敵でした。これが割と平気だという方で、かつ戦闘がしっかりしてればストーリーなんてスッカスカでいいんだよ、という私のような方は結構楽しめると思います。しかしそう考えても、画面揺れが激しいせいで戦闘シーンも良く見えない部分があるため、俯瞰視点で見たかった、という想いもあります。総じてアクの強い映画でしたが、興味を持たれたゾンビ好きの皆さまは是非どうぞ。