「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

DEATH FILE 2 のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 日本
製作 2006
販売 フォーサイド・ドット・コム

ついに見ました。あのDEATH FILE の続編です。

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

人気アイドル・茶L澤奈央と秋山奈々共演によるサスペンスホラーシリーズ第2弾。一連の連続殺人事件から数ヶ月…かつて実奈たちが封鎖したはずの殺人予告サイト「デスファイル」が再び現れ、またもや猟奇的殺人事件が連続して起こり始める。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………B
キャラクター………B
設定…………………D

総合…………………B-
おすすめ度…………C


【良い点】

・終盤の盛り上がり
・キャラクターにそこそこ好感が持てる

【悪い点】
・設定がガバい

総合評価をC+にするかB-にするかで死ぬほど悩みましたが、個人的には結構好きな展開だったのでおまけでB-にしました。導入だけだった前作とは違い、見どころも盛り上がりもきちんとあり、ラストも綺麗に締まります。設定がガバい部分も見受けられましたが、総じて真面目に作られた良作だと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

正直上のあらすじを見ただけでは「なんのこっちゃ」と思われても仕方ないと思うので、まずはあらすじの補完を。さて今作ですが、タイトルを見ればわかるとおり「DEATH FILE」という映画の続編です。基本的には、「とある連続殺人事件を追っていた刑事が『DEATH FILE』というサイトに辿り着く。そこに名前(とかその他諸々)を書かれた人間が、まあいろいろあって殺されるという不可解な現象を目の当たりにした彼女たちは、殺人事件捜査の一環としてそのサイトの謎の解明のために動くのだが……」というのが前作の大まかなあらすじとなります。そしてこれを受けた今作は、「DEATH FILEというサイトがマスコミをとおして広く知れ渡ってしまった後の世界」を舞台にして展開されます。まあ、言うほど知れ渡ってないんですけど……。

前作である「DEATH FILE」では、このWEBサイトの謎の解明に力が注がれる一方目立った進展はなく、事件も何の解決も見せずにエンディングを迎えてしまったのですが、今作ではストーリーのキーとなる連続殺人事件の解決までしっかりとやって綺麗に終わるため、2作揃って1作品という見方は間違いではなかったようです。まあ、DEATH FILEの謎についてはぜーんぜん解明できていないんですが、それはパクリ元の某NOTEも一緒だし、まあ多少はね?

では早速、今作の詳細な内容を見てゆきましょう。まずは、先に悪い点から行きましょう。

今作の悪い点は、設定がガバっている部分が見受けられるということです。これがですね、割と容赦なくガバいんですよ。

前作から引き続き、この映画ではDEATH FILEという殺人サイトの謎を中心として話が進んでゆきますが、まずこのDEATH FILEというサイトに関する設定に欠陥が多い。前作では「知る人ぞ知る」という程度のサイトだったために話が成立していましたが、今作の冒頭ではこれがマスコミに流れ、結構な話題になってしまいます。それを受けて、悪ふざけの投稿をしたために死んでしまう学生たちの話も描かれるのですが、某NOTEと違って誰でも書きこめ、しかも悪ふざけ程度の軽いノリで死が決定してしまうほどの超性能サイトの割には、明らかに被害が少なすぎるんです。

だって、某NOTEと違って誰でも書き込めるんですよ? 一応ネット上で裁判があるとはいえ、「オタクだから」「ウザいから」程度の理由で死刑になるのでは、名前を書きこまれる=死と言っても過言ではありません。その場合、どんなことが起きるのが自然か。

真っ先に思いつくのは、政治家や芸能人などの有名人が被害にあうこと。もし誰でも書きこめる某NOTEがあったとしたら、こういう事態が起きない方が不自然ではないですか? しかし今作では、被害にあうのは名前も知らないそこらの一般人ばかり。

もっと言うと、今作における連続殺人犯。こういった人間も、真っ先にDEATH FILEに名前を書かれるターゲットになったとしてもおかしくないはずです。マスコミで取り上げられるほど知名度があり、誰もが気軽にアクセスでき、名前を書きこめるネット版DEATH NOTE.こう書けば、今作におけるDEATH FILEの被害の少なさは異常です。まずこれが、どうしても気になってしまいました。

しかしそれに目を瞑ったとしても問題は山積み。例えば、今作におけるキーパーソンの連続殺人犯の最後の隠れ家が、以前(1作目冒頭)に事件を起こした廃屋だった、という展開。これ、燃える展開だと思って作ったのでしょうが「警察ザル警備すぎるだろ、そもそもそんな場所真っ先に捜査しに行けや」という感想しか出てきません。他にも細かい部分で、設定のガバりやご都合主義展開は見られます。

まあ、これがモンスター映画とかなら「設定ガバガバwww」くらいの気持ちで流すことも出来るのでしょうが、今作はあくまでもサスペンス映画、しかも終盤の展開やメッセージ性を見るにかなり真面目な刑事物ドラマなので、この設定のガバりはなかなかに致命傷でした。これが今作の悪い点でした。

では続いて、今作の良い点を。今作の良い点は、キャラクターに好感が持てるということと、終盤の盛り上がりがなかなか良いということです。

前作から引き続き、今作には女刑事の主人公をはじめ、相方のオッサンやら前作では空気だったキーパーソンの連続殺人犯やらDEATH FILEの管理人のガキやらが続投します。そして、前作でまともな見せ場があったのが管理人のガキだけだったのに対し、今作では主要人物全員にそこそこの見せ場がしっかりとあります

特に、前作では不可解な事件の対応に追われるだけで振り回されっぱなしだった主人公が、今作ではしっかりと自分の頭で考えて行動し、一連の事件に対しての自分なりの答えを出してエンド、というのが個人的には響きました。悪役もしっかりと悪役していますし、総じてキャラクターの好感度は高かったですまあ、棒演技を除けば……

続いて、後半の盛り上がりについて。先述のとおり、話の導入だけに留まっていた前作とは違い、今作では綺麗に話が完結します。前作の段階では、未回収の謎が多く残っていたため若干心配でしたが、今作では少なくともその一つについては綺麗に決着をつけて終わってくれたため、視聴後の満足度は結構高かったです。

DEATH FILEの存在を知ることとなった連続殺人事件の捜査そっちのけでDEATH FILEの捜査をしていたので、このままDEATH FILEの話を進めていく……のかと思いきや、今作の終盤では連続殺人犯とのやり取りが中心となって話が進み、その解決に向かう、という構成は結構好きでした。DEATH FILE中心に移った話が、しっかりと物語の発端に戻って来てくれるのは良かったと思います。

反面、DEATH FILE関係で残った謎については放置のままのものが多かったり、先述のように設定がガバった部分も見受けられますが、少なくとも主人公と連続殺人犯との決着が名実ともに綺麗に片付いたのは非常に好印象でした。まあ、このラストに納得が行く行かないの話しは別として。個人的には納得いきましたが。

総評ですが、設定のガバりなど突っ込みどころも見受けられるものの、基本的には悪くなく、総じてしっかりと作られた良作でした。DEATH FILEの謎に躍起になりすぎるあまり肝心の事件は未解決のまま、という事態も起こらず、あくまで殺人事件の解決までがゴール、という構成も刑事物としてはアリだと思います。

反面、DEATH FILEに残った謎については未解決のものが多いですし、DEATH FILE自体はバッチリ残っているので基本的に何の解決にもなっていませんが、刑事物としてはこれはこれでいいんじゃないかな、と思ったり。また、終わり方が何の救いもないので結構な絶望感が漂います。このあたりは好みでしょうか。

2作続けて見なければならないので長い、という問題もありますが、結構面白いので興味を持たれた方には是非見ていただきたい1本です。いや、2本です。

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