「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ジュラシック・プロジェクト のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

↑パッケージ詐欺

国籍 イギリス
製作 2014
販売 アルバトロス
大胆なパッケージ詐欺はB級映画の特権。

※実際にはこんな雄々しい恐竜は出てきません

さていきなり注意点ですが、今作は全編ハンドカメラによるPOV(一人称視点)映画です。画面揺れもそこそこあるので、苦手な方はお気を付け下さい。

レンタル版を視聴しました。吹替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

アマゾンの熱帯雨林を舞台に、未知の巨大生物を追い求める調査隊の奮闘を描いたアドベンチャー。ハウソン教授率いる調査隊と取材クルーたちは、アマゾンの奥地で巨大な“何か”と激突する。一行はさらに進むが、多数の動物の死骸を目の当たりにする。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……D
恐竜の質………C
キャラクター…C
設定……………D

総合……………C-
おすすめ度……C

【良い点】
・恐竜自体のクオリティはなかなか高い

【悪い点】
・前半のテンポがクソ
・恐竜がしょぼい

大胆なパッケージ詐欺から繰り出されるクッソしょぼい恐竜くんには落胆不可避でしょうが、終盤の辺りはなかなか緊迫感もあって良かったと思います。しかしそれでも、前半までに溜まりに溜まった不満を解消するには至らず。総合C-かD+かで悩みましたが、後者となりました。

【以下、ネタバレ注意!】

これは恐竜というよりも、デカいトカゲという方が近いのではなかろうか。

さて今作ですが、アマゾンの奥地に調査行ってみたらなんか恐竜が生き残ってた! というお話です。と言いつつ、そもそもこいつらが恐竜の生き残りだというのは登場人物たちが立てた推測でしかないので、マジでトカゲが進化した化け物の可能性も無きにしも非ず。というかそっちの方があり得るのでは。

では早速、今映画の詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、恐竜自体のクオリティはそこそこ高いということです。

この映画の看板であるダイナソーさんですが、これのクオリティ自体は結構高いです。CGの出来がなかなか良好というのもあるのですが、しっかりと実物大の模型を作ってそれを動かしている場面も多々あり、同時にこだわりも感じることが出来ました。

また単に恐竜の出来が良いというだけではなく、今作は恐竜の出し方や誤魔化し方が上手いというのも出来が良く感じる理由の一つ。見せつけるべき場面ではしっかりとドアップで見せつけ、映せない部分はアップ等を使って上手く映さない、というような工夫もしっかりとされています。また、姿が見えずとも鳴き声がしょっちゅう聞こえてくるので、常に恐竜の存在を意識させられる緊迫感の演出もなかなかGood. 恐竜との遭遇も多く、総じて恐竜自体に関する出来はなかなか良かったと思います。

では続いて、悪い点を。今作の悪い点は、とにかく恐竜がしょぼいということと、なにより前半のテンポが悪すぎるということです。特に後者は大問題。

先ほど、恐竜自体に関するクオリティは高いと言いました。確かに、恐竜の出来自体は良いと思います。しかしどれだけ出来の良い恐竜でも、そもそもそれがクッソしょぼいとなると話は少し変わってくるわけで。

まず、今作に登場する恐竜は1種類のみです。まあこれ自体はまだしも、その1種類というのがデカくも小さくもない絶妙なサイズのトカゲ面した化け物でして、これを登場人物たちが「恐竜の生き残りだ!」と騒ぎ立てるのでなんとも言えない虚しさに襲われます。いやまあ、恐竜の生き残りが進化の過程で環境に適応するために小型化しただとか、理屈は分かりますよ? 分かりますが、こんなトカゲの化け物だけポーンと唐突に出しておいて、「うぁわ恐竜だ!」というのはあまりにも盛り上がりに欠けると言いますか、期待外れと言いますか……。

しかしまあ、恐竜=デカいという勝手なイメージを持っていること自体が悪いのかもしれません。そのイメージを煽っている詐欺パッケージは論外ですが、例えラプトルクラスのサイズの恐竜しか出てこなくてもそれは立派な恐竜映画です。今作も恐竜のサイズは残念ですが、それは別に構わないという人もいるでしょう。

しかしそう考えたとしても、前半部分における話の進まなさとクソみたいなテンポの悪さ、こればかりは擁護のしようがありません。もう何が酷いって、恐竜の初登場までにたっぷり1時間かかるんですよ。この時点ですでに論外臭が半端ないのですが、他にも問題は山積み。

今作、大雑把にいうと未開の地を調査に訪れた一行が恐竜と遭遇するという単純なストーリーなのですが、恐竜登場までの前中半部分はもう見事なまでに話が進まないんです。恐竜については鳴き声が聞こえてくる件があるくらいで、その他はやれ仲間が怪我しただのやれサソリが肩に乗ってきただのやれ新種のヘビ見つけただの無駄な話のオンパレード。いやまあ、これはこれでまあまあ面白いのですが、違うだろうと。その話で伸ばしていいのはせいぜい30分が限度で、1時間も垂れ流していいような内容では明らかにありません

しかもおまけに、今作の主人公はPOVにありがちな撮影厨のクソ野郎で、仲間を煽る、暴言を吐く、クソ寒い過ぎたおふざけをする……等々撮影すること以外何の役にも立たない無能なためヘイトがどんどん溜まりますし、ヒロインはヒロインで口ばかりのお喋り無能クソ野郎といいところが全くありません。前半の話の進まなさと超が付くほどの無能二人によって溜めこまされたストレスはなかなかのもので、恐竜が登場する頃には完全にテンションが冷め切っていました。

総評ですが、後半部分だけならC+、前中半部分はD、まあ割ってC-、という感じの映画でした。恐竜にもっと迫力があり、主人公とヒロインがウザくなく、前半のクソテンポさえなければ結構いい線まで行ったんじゃないかと思いますが、それだけ変わるともはや別映画ですね、はい。

とにかくパッケージ詐欺に萎えさせられるので、ティラノサウルスクラスの恐竜を期待している方には全くおススメできないということは確かです。

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