「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

メガ・シャークVSグレート・タイタン のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2015
販売 アルバトロス

みんな大好きメガ・シャークシリーズの4作目。このシリーズ一体いつになったら終わるんですかね……?

1作目のVSジャイアント・オクトパスも見たことはあるんですが、このブログを始める前に見てしまっていたのでレビューはないです。本当に申し訳ない。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

モンスターパニック「メガ・シャーク」シリーズ第4弾。メガ・シャークの襲撃から1年。大西洋沖で、メガ・シャークの卵から生まれた新メガ・シャークが現れる。一方、ウクライナでは旧ソ連が発明した巨人型兵器・コロッサスが目覚めようとしていた。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……B
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………C
おすすめ度…………C

【良い点】
・モンスターのクオリティがそこそこ高い

【悪い点】
・サメと巨人の絡みがとにかく薄い

シリーズもついに4作目を迎えた今作ですが、まあ贔屓目に見ても作品としてはなかなかのクオリティで、シリーズ4作の中では1番設定がしっかりしていたと思います。ストーリーも割ときちんとしたものがあってその点は良かったのですが、反面モンスター同士の絡みが非常に薄いため消化不良感の残る作品でした。

【以下、ネタバレ注意!】

どう見てもベ……超大型巨人なんですが……。

いつの間にか4作も続いていたこのメガ・シャークシリーズ。なんだかんだ言っても(VSメカ・シャーク以外は)結構面白かったので、ついつい見てしまっています。一応話自体は続いていますが、「メガ・シャークとか言うデカいサメが暴れて人類が困っている」くらいの認識があればどこからでも見られると思うので、気になった作品から見てみてください。ちなみに、個人的には2作目のVSクロコザウルスが一番好きです。

では早速、今作の詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、モンスターのクオリティがなかなかに高いことでした。

今作のメインは見てのとおり巨人とサメなわけですが、彼らは出し惜しみされることもなく開幕から最後に至るまでしっかり括約してくれます。そして今作では、前作までと比べて確実にモンスターやCG周りのクオリティが向上しているため、巨大モンスターの進撃を充分楽しむことが出来るのです。

巨人やサメ単体でのシーンはもちろんのこと、特に両者がぶつかり合うラストあたりのシーンの迫力は(B級映画としては)そこそこの物。基本的にぬるぬると動いてくれるため動きにこれと言った違和感がなく、お粗末だったCGのクオリティも確実な成長を見せています……と、過去作を見ている方なら回を重ねるごとに成長しているCG関連のクオリティを楽しむことが出来るでしょう。やっぱ予算ついてるんすねぇ(感動)

とはいえ、今作から見始めた方ならば「こんなもんか」という程度の出来であるため、あまり期待は禁物ですが……。まあ、それを差し引いてもなかなかモンスターの動きはしっかりしていたと思います。

というわけで、以上良い点でした。以下には悪い点を。今作の悪い点は、何を隠そうモンスター同士の絡みが非常に薄いこと、これですよこれ。この点に関してだけ言うならば、今作はVSメカ・シャークに続く駄作という見方も出来るほど。

いつもどおり突然現れて海中を暴れ回る巨大ザメを倒す(or捕獲する)ために立ち上がった人間の皆さんが、サメに出し抜かれながら追いかけっこしたり喰われたり艦隊を壊滅させられたり……という部分がストーリーのおおもとにあるのは今作もシリーズ恒例なのですが、問題なのはもう片方の看板である巨人の扱いです。この巨人は、VSメカ・シャークの時のように、人類が対メガシャーク用に作った兵器……というわけではなく、メガシャーク関係なしに大昔に完成していた戦争用の兵器だったのです。

そのため必然的に、今作の前半ではサメの話と巨人の話が全く関係のないところで別々に進行してゆきます。もちろん、サメに対処する陣営の人間と、突如復活し暴れ出した巨人に対処する陣営の人間も別々に行動し、基本的に両者が絡み合うことは後半に入るまでありません。ここまでは、まあ良しとしましょう。

問題なのは後半、何とか無理矢理サメと巨人を戦わせる展開に持ってきたのは良いものの、これ以降は何をトチ狂ったのか、モンスターそっちのけで人間VS人間の話が始まってしまいます。いやまあ、巨人とサメも戦いはするのですが、その巨人を操っているのが今回の悪役の人間さんでして、巨人の圧倒的性能の前にメガシャークはなす術無しでボコられ、以降はサメ対処陣営も巨人破壊陣営も協力してその悪役を何とかする、という話が始まってしまうのです。

つまるところ、今作の話の大軸には「メガシャークVSグレートタイタン」ではなく、結局「人間VS人間」がメインに置かれているのです。ラストの展開も、それまで敵対していたメガ・シャークにしか暴走する巨人を止められないため、サメを援護する方向に皆が切り替えて共闘する……というような展開でもあれば熱いのでしょうが、残念なことにサメは巨人にとことんボコられっぱなしで空気もいいところ&結局巨人を操縦する悪役を人間の力だけでどうにかしてしまうため、「この映画にメガシャークいる?」というタイトル全否定の感想が浮かんできてしまうのです。

そもそも、そのラストに向かうまでもサメはサメ、巨人は巨人で話が独立して進むため、まるで全く別々の映画を同時進行で見させられているような気持ちになりますし、両者の絡ませ方も非常に強引、かつ絡んだら絡んだでサメは完全なる空気と化してしまう。いくらシリーズ中一番ストーリーがしっかりしていて、人間同士の絡みもたっぷりあったとしても、モンスター同士の絡みが薄まってしまっては本末転倒だと個人的には思いました。

総評ですが、映像面で着実な進化を見せており、ついに動きに違和感がなくなるほどにまで成長したことに感涙しつつも、ストーリーがどうもおかしな方向に向かっているんじゃないか、という感想を覚えたのはVSメカシャークの時と同じです。反面、VSメカシャークと比べるとストーリーは圧倒的にこちらの方が面白く、上に挙げたような悪い点も特に気にならなかった、という人にとっては、映像関連のクオリティも相まってシリーズ最高傑作と言えるほどの作品となり得るのではないかと思いました。

しかし個人的には、このシリーズを見ている人たちが求めているのは巨大モンスター同士の(お粗末な)バトル
であって、必要以上に人間が出しゃばる展開はいらないと思うのですが……どうでしょう。シリーズファンの声をお聞かせください(いれば)

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