「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

レッドウォーター サメ地獄 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2003
販売 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

毎回てきとーに借りているので、今回はちょっと古めの映画です。

レンタル版を視聴しました。吹き替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編(木曜洋画劇場Ver.)からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“サンダースは石油会社に勤める元妻ケリーの依頼を受け、アチャファラヤ川の国立保護区内に建てられた石油掘削現場で仕事をすることになった。 折しもその下流の湖でリゾート客が巨大ザメに襲われる事件が発生、世間を騒然とさせていた。 サメ退治に莫大な懸賞金もかけられるが、その被害は広がるばかりだった。 サンダースは危険を覚悟で目的地へと急ぐが…。 サメと人間との死闘を描く、絶体絶命のモンスター・パニックアクション!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
サメの質…………C
キャラクター……B
設定………………C

総合………………C+
おすすめ度………C

【良い点】
・キャラクターに好感が持てる

【悪い点】
・サメの存在感が薄い

基本的に、かなり真面目に作られているタイプの映画でした。前半のテンポの悪さはキャラクターの出来で乗り切り、中盤以降はサメを交えて話を進めていきます。しかし、全編通してサメの存在感がかなり薄いので、サメ地獄という題に惹かれてサメに期待している方には厳しい内容かもしれないです。

【以下、ネタバレ注意!】

サメ地獄(1匹)

こんなんじゃ地獄になんないよ

今作ですが、まああらすじ以上でも以下でもないような内容の作品です。強いて言えば、「サメVS人間」というよりは「人間VS人間(VSサメ)」といった感じの内容なので、そう言う意味でもサメ地獄感は薄め。そのため、「あぁ~サメが見たい! サメが見たいんじゃぁ~!」という方には不向きな映画だと思います。

ではその点を踏まえて、以下のレビューをどうぞ。まずは良い点から行きましょうか。

今作の良い点は、キャラクターに好感が持てることです。

今作のキャラクターたちは、主に「油田掘りに行くチーム」と「金探すチーム」に二分することができます。前者の方々は主人公やヒロインを含む勢力で、純粋に油田の採掘が目的、後者の方々は悪役勢力で、油田の底に裏切り者が沈めたというギャングのボスの金を回収することを目的としています。ここで、金探すチームはまあよくある悪役という感じで特質することもないのですが、主人公属する油田堀に行くチームの面々に対してはなかなか高い好感を覚えることが出来ました。

過去に起きた事故を引きずって生きる採掘技師の主人公と、その彼に再度採掘を依頼するヒロイン(元嫁)を中心に、主人公を支える相方や気さくで頼りになるオッサンなど脇を固めるメンツもなかなか。特に、主人公がお堅い感じなのがいいんです。また、主人公やヒロインをはじめ頭の弱いキャラが(約1名除き)いないため、これと言ってイラつかされることがないというのも重要。キャラ同士のやり取りもなかなか良かったです。

そして彼らの存在に一番救われたのは、もうサメが全く出現しない前半パートでした。前半は主に彼らの会話中心で話が進んでゆくわけですが、本来なら長すぎてダレそうなところも、彼らがしっかりと繋いでくれました。逆に言うと、「キャラクターとか別に……」と思った方は、前半きつかったかもしれません。

というわけで、今作の良い点は以上。以下は悪い点を。今作の悪い点は、とにかくサメの存在感が薄いこと、これですね。それはもうタイトルとの反比例っぷりがすごいです。

この映画、前半はサメがほとんど出てこないと言いましたが、その前半部分を超えると今度はギャングと主人公サイドとの闘争が始まります。この間もやはりサメは出てこず、彼が登場するのは採掘機器爆発後、主人公サイドがギャングに捕まる後半部分になってから。しかし、油田にサメが出現してからもはっきり言ってサメは空気でした。

そもそも話の軸が、「沈んだ金を狙うギャングVS彼らに捕まっている主人公サイド」という構図は最後の最後まで変わらないので、川に向かう動機があるギャングはまだしも、主人公サイドはとにかくギャングをどうにかすることばかり考えているためサメどころではないのです。というより、そもそも川に行かなければサメに襲われることはない=奇襲がないため、モンスター映画としてはどうにも緊張感不足で(特に後半は)ダレ気味。タイトルにサメ地獄と堂々とついている分この空気っぷりはどうしても気になってしまいます。

サメのクオリティ自体は結構高く、サメに襲われるシーンもなかなか迫力があり、捕食シーンもしっかりと書き込まれているため、サメ自体に対して評価できる部分は非常に多いのですが、そもそもそのサメが全然出てこないというのは減点せざるを得ませんでした。うーん惜しい。

総評ですが、サメが一番の見どころであるのに全然登場してくれないため、必然的に人間同士が争っていてサメは脇役……という印象を受けてしまう映画でした。人間同士の闘争自体はそこそこ見どころもありこれはこれで面白かったのですが、やはり物足りない。もっとサメ出して。

ですが、全体的に硬派な雰囲気で纏まっており、サメも気合が入っていて人間同士の闘争もしっかり見られる出来になっているなど、かなり真面目に作られている映画だと思うので、個人的にはそれがすごく良かったと思います。変にネタに走らない姿勢はすごく好きでした。でも真面目に作られているからこそ、サメの存在感の薄さやダレ気味になっている部分が際立っている……気もします。難しい。

では、今回はちょっと短い気もしますが、あんまり書くことがないのでこれで失礼しとうござりまする。

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