「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

超科学実験体ゾンビロイド のレビューです(総合評価D)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 カナダ、イタリア
製作 2015
販売 トランスフォーマー

立ち上がりは非常に良かったので期待して見てたらだんだんとあらぬ方向へ進んで行って、最後には視聴者ぶっちぎりで勝手にゴールインしてしまったクソ映画のレビュー、はーじまーるよ。

早速スタートです。

レンタル版を視聴しました。吹き替えはないです。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

第二次世界大戦末期。ドイツ軍の偵察に派遣された米兵のアダムスたちは、敵の奇襲により負傷し、逃げ場を失っていた。深い森を抜けた彼らは廃墟を見つけ、治療のため中へと足を踏み入れる。不気味な雰囲気を持つその廃墟には、人がいた形跡はあるが、物が散乱し、血まみれのベッドが無数置かれていた。すると突然、何者かが彼らに襲いかかり、兵士たちは次々と無残な死体に変わってゆく。実はこの廃墟は、ヒトラーが設置した極秘の人体実験施設で、形勢逆転を狙うナチスの最終兵器として、世にも恐ろしい「ゾンビ兵団」が開発されていたのだ…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
ゾンビの質………C
キャラクター……C
設定………………D

総合………………D
おすすめ度………D


【良い点】
・ゾンビやグロシーンの出来は良い

【悪い点】
・中盤の激悪テンポ
・意味不明なストーリー
・とにかく盛り上がりも見どころもない

ゾンビの出来だけ、立ち上がりの素晴らしさだけを見ればかなりの水準を誇る作品なのですが、中盤以降がとにかく苦行。意味不明なストーリーのもと見どころのない展開が続き、ゆったりしたテンポと思考停止に追い込まれる謎展開の畳み掛けに眠りを誘われます。

【以下、ネタバレ注意!】

上げて落とすは基本(ダメージ増加)

ちなみに立ち上がりの良さを良い点に咥えていないのは、これがあるせいで変に期待を持って見てしまうため、中盤以降に受けるダメージが底上げされるからでした。ふざけんな。

さて今作ですが、頭のおかしい博士が「戦場でボンボン出てくる死体リサイクルしたい……したくない?」とのことで、「せや! ゾンビ作ったろ!」というクッソ単純なストーリー……のはずなのですが、これでは面白みがないと思ったからなのかなんなのか、到底常人では理解不能かつ考察する価値もないような展開をぶち込んだせいで、肝心要のゾンビ要素がほとんどなくなってしまった、という調整を施された映画です。これにGOサインを出した無能は誰だぁ!

というわけで、そんな今作ですがとりあえず評価できる部分から見てゆきましょう。

今作の良い点は、ゾンビやグロシーンはなかなか良く出来ているということです。

今作、すでに取り上げているようにもう各所ズタボロの出来で、視聴中は睡眠不可避なレベルの映画なのですが、唯一褒められるのがこの部分、ゾンビとグロシーンの出来でした。今作のゾンビは王道を征くノロノロ系で、メイクもバッチリとキメており、見ている分には問題のないクオリティを誇っています。これに付随し、グロ描写や血の表現などもなかなかの質の高さで、シナリオを無視して純粋にゾンビだけを見れば、なかなか良かったと思います。

「おうおう、じゃあなんで『ゾンビの質』がC評価になってんだよ」という苦情が聞こえてきそうですが、その理由は以下の悪い点でお話ししますので、まま、そう焦んないで。

良い点は以上でした。では続いて、悪い点を。今作の悪い点は、中盤のテンポが激烈に悪いこと、ストーリーが意味不明なこと、そして最大の致命傷、盛り上がりや見どころが全くないこと、主にこの三点です。

緊張感あふれるなかなか良質な序盤、そしてゾンビの初襲撃を終えた前半から中盤への移り変わり部分、ここから、今作の悪夢が本格始動し始めます。まず気になったのが、中盤以降の激烈な話のテンポの悪さ。いや、テンポが悪いというよりですね、これ以降ガチでイベントが何も起こらなさすぎる、という方が正しいでしょうか。

今作、最初は主人公含む数名で行軍し、ゾンビの軍団とエンカウントするのですが、仲間たちは早々にリタイアするため、中盤に入る頃には主人公1人だけになります。ここからもうとにかく何にも起こりません。1人しかいないためやたらと無音の時間が長く、その上無駄に長ったらしいカットがふんだんに盛り込まれており、しかもゾンビ自体が全然出てきてくれないのでもう見どころが皆無。これがね、本当に眠気を誘って来るんですよ……。

そして、このクソかったるい中盤を超えても、その勢い(悪い意味で)は衰えるところを知りません。その後主人公は、病院から逃げてきたという生存者の女性と出会い、このゾンビたちはその病院で生まれたものであることを知らされます。そしてそれを知った彼が、仲間のかたき討ちのためにその病院に殴り込みをかける……という展開が待っています。これだけ聞くとなかなか面白そうなのですが、これがまた酷い。

実際には、病院に乗り込んだ主人公は一瞬で敵に捕まり、そこでゾンビ博士が今作のゾンビの設定について長々と独り言をくっちゃべっているのを聞かさるだけで、もうゾンビとの戦闘はありません。というより、今作においては序盤以外まともな戦闘がなく、そもそもゾンビ自体がほとんど出てこないんです。そのくせ、見どころはゾンビが出てこないと発生しないような構成になっているため、いよいよ今作、中盤以降の見どころは皆無と言って過言ではないでしょう。そしてこの「ゾンビの出来は良いんだけど、そもそもゾンビが出てこない」というのが、今作の『ゾンビの質』をC評価にした理由です。

と、ここまでテンポは悪いわ見どころ皆無だわと来ていますから、せめて終盤くらいは……と思いたいところですが、ここまでガタガタに崩れたストーリーを立て直せるはずもなく。というより今作は、ガタガタに崩れたストーリーに対し、終盤では留めの一撃を咥える作業に入ります。

もはや解説する気にもなりませんが、一応今作のラストは(恐らく)「主人公くんは精神を病んでいたので、生存者の女性もゾンビも実在しねーから! 全部彼が見た幻覚だったんだよ!」という堂々の夢オチ。いや、夢オチ自体を否定するつもりはないんですけどね、もうどう見ても奇をてらうためだけに安易に使ったとしか思えないんですよね、それまでの内容が全く面白くないだけに(辛口)

ちなみに、(恐らく)と書いたのは、今作ラスト付近の話の構成がこれまた非常に難解で、まあ生存者の女性が幻覚だった件についてはともかく、結局ゾンビが実在したのかしないのか、病院はあったのかなかったのか、そもそも仲間なんていたのかいなかったのか、このあたりについての解釈がハッキリしないためです。しかし、これまた無理に話をややこしくしてラストだけでも話を小難しくすることにより、それまでのスッカスカな内容を誤魔化そうとする手段にしか見えなかったのでこれ以上の考察はしません。時間の無駄です(辛辣)

総評ですが、序盤の期待感を返して。序盤は、質の高い行軍シーンに始まり、なかなかのクオリティを持つゾンビとの戦闘などなかなか見どころがあり、一気に期待を高められるのですが、そのせいで中盤以降に受けるダメージが底上げされます。もっと言うと、ゾンビの質が高いだけに「こんなクソシナリオじゃなければ……」と思うと余計に腹が立つ。まあ結局何が言いたいかというと見る価値なし。

とりあえず、監督と脚本は悔い改めて✝

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