「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

パラノーマル・エクスペリメント のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 ドイツ、アメリカ
製作 2013
販売 アルバトロス

面白い面白くない以前に話の内容が理解できない映画のレビュー、はぁじまぁるよ!

早速スタートです。

レンタル版を視聴しました。吹替えなんて甘えたものは、当然の如くありません。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

アメリカ史最大のタブー“MKウルトラ計画”を題材にしたサスペンスホラー。失踪した友人の行方を捜していたジャーナリストのアンは、CIAが極秘に行っていた生体実験の存在を知る。調査を続け、アンは遂に遺棄された実験施設を発見するが…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
ホラー度…………C
設定………………C

総合………………C+
おすすめ度………C

【良い点】
・前半のホラーレベルが高い

【悪い点】
・内容が複雑すぎて話についていけなくなる

・後半の安易なホラー描写

かつて、米国が実際に行っていたとされる洗脳実験”MKウルトラ計画”を題材にしたオカルト映画です。題材自体は史実に基づいているだとかホラー度がどうこうとか以前に、とにかくストーリーが難解で内容を非常につかみにくい映画です。それ以前にきちんとした内容があるのかどうかも謎と来ているので、なかなか人を選ぶ映画ではないでしょうか。

【以下、ネタバレ注意!】

この映画、実際にあった洗脳実験を題材にしてるらしいっすよ? 僕はMKウルトラ計画なんて知りませんでした……(無知) ちなみにその実験の内容ですが、どうもマインドコントロールの効果を実証するため、薬物投与を被験者の同意なく行ってた、ってものらしいっすよ? 興味のある兄貴姉貴は「MKウルトラ計画」で検索、しよう!

さて、そんな実在の実験をモチーフにしているとはつゆ知らずに今作を見てしまった私ですが、これが意外と楽しめました。話はさっぱり分からなかったけどな! しかしまあ、MKウルトラという全貌の見えない題材を扱いつつオカルトテイストに仕上げてある作品、かつ一応実在の実験を基に話が作られているので、あまり断定的に「これは宇宙人の仕業!」「これは霊の仕業!」「これは単なる薬の作用!」等というわけにもいかず、結局どっちつかずでどうとでも解釈できる内容になっているので、正直MKウルトラについての予備知識があったからと言って内容が理解できるかは怪しいと思います。まあ、知らないに越したことはないので、もし今からこの映画を見ようとする人は、その概要くらい知っておくと話がスムーズに入ってくる……かもしれません。

と、諸注意を終わらせたところで早速、この映画の詳しい内容を見てゆきましょう! まずは良い点から。

今作の良い点は、前半のホラーレベルが高いということです。

今作は実在した実験を題材にしながら、それをオカルトチックに取り扱った作品であるため、当然ホラー描写も数多く含まれています。中でも、その実験(に使われた薬物)の全貌や正体について謎が多い前半、突如として現れる幻覚なのか霊なのか悪魔なのか分からない敵との接触を果たす数々の描写は、ホラーとして結構良く出来ていたと思いました。映像的にも、ハンドカメラによるPOVと第3者視点を適時切り替えてゆく方式でなかなか見やすいので、前半は素直にホラー描写やビックリポイントを楽しむことが出来ました。前半は。

というわけで、良い点は以上です。続いて悪い点を。今作の悪い点は、内容がとにかくごちゃごちゃしすぎているということと、後半のホラー描写が安易過ぎるということです。

まずは内容の難解さについて。いや、内容が難しすぎること自体は別に良いと思うんですよ、事前の予備知識を持って見ればきちんとわかる程度の内容ならば。問題なのは、真相に迫っているようで実際はなーんにも掴めていない展開と、話の方向性が曖昧過ぎて後半はどういうお話に持って行きたがっているのかまるで分からない内容、これです。

先に述べた通り、今作は実際にあった実験を題材にしているということで、敵の正体や実験に隠された謎について、あまり明確にしてくれません。そのため、先ほど挙げた2つの問題が浮上してくるわけですね。それでも、前者の問題は微々たるものです。真相に迫っているようで~ という展開自体は、使い方次第で生きてきますからね。となると、問題なのはやはり後者だということになります。

今作は、マインドコントロールの実験で使用された薬物を投与された(した)主人公たちが、幻覚とも現実とも言えない相手に追われながらその真相を追及してゆく、というお話しですが、この追ってくる敵の正体について、含みや謎を持たせようとしすぎて後半はもう展開がグッチャグチャ。薬物による影響だと思っていたら実は~ というところまでは順調だったのですが、その薬物を投与された人間は実は受信機になって身体を乗っ取られて云々なり、かと思えばやっぱり単なる薬物の幻覚なんじゃないのなり、その難解さは予備知識をもってしても駆逐されることでしょう。

そしてもう一つ重要な要素として、後半はその謎の敵との物理的な接触、戦闘が増えるため、折角前半いい感じに積み上げてきたホラー描写が一気に崩れます。後半は怖くもなく、しかしストーリーにはついていけないまま、真相も何も分からず……と、頭に疑問符を浮かべたまま、エンディングを迎えることとなるでしょう。

総評ですが、内容が難しかった(小並感) これにつきます。前半はいい感じに謎を散りばめてきてホラー描写も良かったのですが、それを放置しつつさらに謎を散りばめ、物理的接触を増やしてホラーな雰囲気を壊し、最後は解釈を視聴者に全て委ねて終了という流れになる後半が問題児ですね。

確かに実在の実験を基にした映画ですから、あまり断定的ではなく曖昧な内容になってしまうのは多少仕方ないですし、そもそもこの「単なる薬物の影響なのか、それとも未知の世界に存在する何かが実在するのか……」という、視聴者に真相を考えさせる設定も個人的には嫌いではないのですが、これが映画として面白いかと言われるとまた別問題、という……。

こういった作品は2回3回と見るべきなのかもしれませんが、2回目を見るほど引き付けられる魅力もない、というのも辛いところでした。「君みたいな、実在した事件を基にしたお話が大好きなんだよ!」という兄貴姉貴は視聴してみて、どうぞ。

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