「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

スウィング・オブ・ザ・デッド のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2012
販売 アメイジングD.C.

雰囲気は良いけどそれしかない映画のレビュー、はじめさせていただきます。

早速スタートです。

レンタル版を視聴しました。(吹替えは)ないです。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“ゾンビ達で溢れ荒廃した世界で生き残る野球大好きコンビのベンとミッキー。 どこかにあるはずの安楽の地を目指し、車で旅を続けていた。 一見お気楽なキャンプ旅行。時には釣りをし、気分転換にキャッチボールをする。 人家をみつけると、勝手に入り込んで食料や必要な物資を補給する。 そして時々、ゾンビと遭遇する他は誰にも出会わない…。 ゾンビ殺戮にも慣れて気ままな生活を楽しむ野性的なベンと、以前の平安な世界が恋しくてたまらない神経質なミッキー。 ある日、たまたま拾ったトランシーバーの無線で、どこかに生存する女性の存在を知った二人がとった行動は―。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
ゾンビの質………C
キャラクター……C
設定………………C

総合………………D+
おすすめ度………C

【良い点】
・独特な雰囲気の演出には成功している

【悪い点】
・基本テンポが悪く展開がくどい
・内容がないよう(激寒)

まあ究極を言ってしまえば「好みによる」映画なんですが、良くも悪くもゾンビ映画してないのでその部分をどう受け止められるかで評価が決まると思います。私は嫌いなタイプの映画でしたが、こういうの好きという人もいらっしゃるでしょうからこの評価を当てにせずに気になったら見てみて、どうぞ。

【以下、ネタバレ注意!】

かなーり評価が割れそうなゾンビ映画だと思います。というより、現にAmazonレビューでは賛否大割れしてました。ちなみに何度も言いますが僕は嫌いです(半ギレ)

というわけで、そんな今作の詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、何と言っても作品全体を通していい感じの雰囲気がしっかりと出来ている点です。

今作は「ゾンビ×ロードムービー」とでも言うべき構成になっており、物語は基本的に主人公とその友人二人のヒューマンドラマ重視で進んでゆきます。ゾンビで溢れかえった世界で、あてもなく旅を続ける二人。今作では、その二人の旅の様子が存分過ぎるくらいに描かれているのですが、重要なのは二人が「逃亡」をしているのではなく、あくまでも「旅」をしているということ。これが、この映画全体に独特な雰囲気をもたらしています

この映画において、ゾンビは終末世界を演出するための道具にすぎず、あくまでも「誰もいない終わった世界」を旅する二人の物語がメインであるということ。また、基本的にゾンビとの遭遇はかなり控えめであり、あくまでも「ゾンビからの逃走」ではなく「あてもなく彷徨う旅」がメインとして据えられているということ。まあ、究極を言うと「本編見て、どうぞ」としか言えませんが、普通のゾンビ映画とはちょっとずれたところに焦点が当てられているこの感じは、今作を独特な映画に仕上げるのに貢献していると思います。

では、良い点は以上でした。続いては悪い点を。今作の悪い点は、とにかく話のテンポが悪い&展開がくどいこと、そして、内容がペラッペラなこと、このあたりが挙げられます。特に問題なのは前者くんですね。

先ほど今作は、「ゾンビ×ロードムービー」的な映画だと言いました。まあ、これ自体はAmazon先生のあらすじ(カット部分)にもしっかり書かれているので、認識としては問題ないと思うのですが、問題は主人公2人の「あてもない旅」に焦点が当てられすぎているせいか内容がスッカスカなことなのです。

まあ、「終末世界をあてもなく彷徨う旅を続けること自体が内容」だろと好意的に解釈することも出来ますが、それを差し引いても不味いのは今作にはゲームでいうところのイベントに相当するものが圧倒的に不足しており、しかもそのたまに発生するイベントにろくなものがないということ。実は問題なのは、内容の薄さよりこっちなんですよね。

例えば、2人が無線でアニーという女性の生存者を知る場面。その女性との絡みも一応あるにはあるのですが、彼女はどこに住んでいるのか、他にも生存者はいるのか、どんな女性なのか……などなど散々引っ張った割に、その結末は相方がアニーに足を撃ち抜かれるだけで疑問は全て謎というクソみたいな終わり方。今作の折角の目玉(になりそうな)キャラが、相方に怪我を負わせて動けなくさせ、その後に待ち受ける車内での激長籠城シーンを演出するためだけの道具にしか使われなかったというのは流石に使い方が下手すぎるとしか言いようがないと思うんですけど……。

と、今作の前中盤での一番の目玉イベントがこんな出来ですから、他のイベントなど期待できるはずもなく、今作は車内での激長籠城シーンが始まる後半までろくなイベントがなく非常に退屈、というバランスになっておりました。まあ、後半は公判でまた別の問題を抱えているのですが……。

さて先ほど、「あてもなく彷徨う旅自体を内容と捉えることも出来る」と言いました。言いましたがこれ、かなり苦しい解釈です。これこそが今作における一番の問題児、とにかくテンポが悪く展開がくどいということです。

前中盤はこれと言ったイベントもなくあてもない旅をするだけなのですが、これがもう旅をしているというよりも無駄なシーンの垂れ流しの連続とでも呼ぶべきような内容で、例えば二人が歯磨きしているだけのシーンを延々と垂れ流しにされるシーンなど酷いものでした。おっさん二人が歯磨きするだけの映像をフルで流す必要が一体どこにあるのか、私には理解に苦しむね(ペチペチ) この二人に特にこれと言った目的がないというのが、余計に垂れ流し感を強くさせている原因だとも思います。

そして賛否が分かれる問題の後半、激長車内籠城シーンについて。今作のラストシーンは、車内で大量のゾンビに囲まれて動けなくなるという迫真の籠城シーンなのですが、このシーン自体の出来は結構良かったと思います。大量のゾンビに囲まれ、2人がだんだんと心をやられていく様なんかがなかなか良く出来ていたなと。問題は、これがとにかくくどいということですね。

特に、デブが車外に飛び出していった主人公の帰りを待っているシーンの垂れ流し感は尋常ではなかったです。確かに、彼のちょっとした動き、ボソッと発した独り言、表情なんかで感情を上手く表現できていたとは思いますが、そもそも今作には全編通して緊張感が圧倒的に不足しているため、今更こんなことされても緊張感や悲壮感なんてこれっぽっちも伝わってこないんですよ、とにかくくどいし。

他にも賛否は分かれそうですが、主人公二人は頭のネジが2、3本飛んでるタイプのキャラでどうにも好感が持てないこと、ゾンビが本当にただの道具と化していて、ゾンビに魅力が全くないこと、主人公二人はゾンビに対して舐めプの連続で危機感がまるでなく、死んでもまあ自業自得としか思えないこと、車内で激長籠城シーンをしてた割には、かなりあっさりと脱出に成功してしまうことなど、私が不満に感じたポイントを挙げ出せばきりがなく……。

総評ですが、僕はこの映画嫌いです(半ギレ)

あてもなく彷徨う旅を題材にするのは良いんですが、だからこそ重要なたまにあるイベントがことごとく盛り上がりに欠けるというのはどう考えても致命傷。しかも、ゾンビや生存者の女性アニーに魅力が全くなく、演出に使うためのただの道具としてしか使えていない、というのも問題大ありですね。使えるものはもっと有効に使って、どうぞ。

とまあ、私に言わせれば不満しか出てこない映画でしたが、ハマる人はハマるらしいので、このレビューを鵜呑みにせず興味のある人はぜひ挑戦してみてくださいね! あ、テンポの悪さと展開のクドさに耐えられないあなたは脱落必至ですのでおススメはしません。

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