製作 2014
販売 アルバトロス
深海に潜む宇宙の侵略者との攻防を描くSFアクション。大統領の乗ったエアフォース・ワンがバミューダ海域に墜落し、オリバーたちは救出のため出動する。深海を探る彼らは謎の触手生物と遭遇し、さらに地球侵略を企む宇宙人の基地を発見する。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー…………C
モンスターの質……C
キャラクター………B
設定…………………D
総合…………………C+
おすすめ度 …………C
【良い点】
・キャラクターに好感が持てる
【悪い点】
・緊張感がない
・展開が強引
【以下、ネタバレ注意!】
ちょっと話の都合が良すぎるんとちゃう? まま、ええわ。
さて今作ですが、バミューダトライアングル内に墜落したアメリカ大統領の救助のために送り込まれた艦隊が、謎の触手モンスターと遭遇する、というお話になっております。内容的には、まあ至ってオーソドックスなB級モンスター映画になっておりました。
特に話すこともないので、早速詳細なレビューに入って行きましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、キャラクターに好感が持てる、ということです。
今作に登場するキャラクターたちは、皆がみんな結構キャラが立っており、行動も積極的でなかなか好感が持てます。主人公はもちろん、部隊員や司令官、果ては救出された大統領までもが各々の闘いを繰り広げる様はなかなかお見事。またキャラクター同士の絡みもしっかりしており、司令官と確執があり、彼女の命令を無視して単独行動を起こす主人公が、最後は彼女の命に従うシーンなど、キャラ同士の話だけで盛り上がりを見せる場面もいくつかありました。こういった、見せ場をモンスターだけに頼らない姿勢は評価できると思います。
というわけで、かなりあっさり目ですが良い点は終わり。以下は悪い点を。今作の悪い点は、緊張感不足であるということと、展開の強引さでした。
先ほど今作は、登場するキャラクターたちに魅力があっていい! と褒めました。しかしこれ、主要メンツ(とサブキャラ)に限った話です。「いや、サブキャラまで入れたら何が残るんだよ」と思われるかもしれませんが、問題なのは後ろで武器構えて突っ立ってるだけの他大多数の軍人、お前たちだよ!(激怒)
今作は「艦隊VSモンスター(宇宙人)」という話の都合上、艦隊の乗組員である数多くの軍人が登場します。当然、艦上での触手戦等では彼らも銃を持ち応戦するですが、この応戦をはじめとした艦上に人が多く集まるシーンのクオリティはかなり酷いです。もうとにかく後ろの軍人の皆さまにやる気がない。動きはとろいわ、もたつくわ、ぼーっとしてる奴もいるわでとにかく緊張感が全くないのです。ストーリーはスッカスカ、CGのクオリティも普通レベルの今作にとっては、これはかなりの致命傷だと思います。思わず、「歯ぁ喰いしばれ! 修正してやる!」と手が出るレベル。
また、展開の強引さも今作の出来に暗い影を落としている要素の一つです。あらすじにもあるとおり、今作はバミューダ・トライアングルで行方不明になった大統領を探しに行ったら突然大量の触手に襲われる、というお話なのですが、調べてみると地下に彼らの親玉である宇宙船が沈んでおり、しかもそれはかなり昔からそこに鎮座していたらしいことが中盤になって分かります。しかし今作においてこの辺りの細かい説明は見事な丸投げ。というより、色々と不自然な要素が多いとでも言いましょうか。
ベラベラと敵の正体(設定)を話してくれる博士はいるんですが、あまりに少ない情報から的確過ぎる答えを送るのはいかにも設定話してますよ感があって違和感マックスですし、敵宇宙船の弱点もとりあえず付け加えときましたよ感満載の安易さでそれが判明する流れもガバガバ、その他なかなか強引な設定や展開がいくつか(なぜエイリアンは今更攻撃してくるのか等々)あり、その説明も特にないせいでストーリー全体が薄く感じてしまうのです。
総評ですが、まあガバイ部分も見受けられるけれど、なかなか楽しめる映画でした。展開の強引さと緊張感のなさは痛いですが、キャラはそこそこ魅力的、かつ最終局面は安易な設定と分かっていてもそこそこ盛り上がるので結構面白いです。反面、中盤は説明もなしに話が進んでいき、これと言って映像映えする場面もないので少しダレやすいかな、と思いました。
しかし戦闘も多く、話はありがちながらも終盤はなかなか盛り上がるため、あまり細かいことを気にせず、ぼーっと見る分には結構楽しめると思います。気になられた方は是非。