「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

メトロポリス2035 のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2007
販売 アルバトロス

「たまにはSFでも見るか……」と思って手に取ったらアルバトロスだった、訴訟。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

『超能力学園WxY』のアレクシス・ソープ主演によるSFアクション。2035年、国民は脳にIDチップを埋め込まれ、巨大な都市国家に管理されていた。連邦警察のマクダウェルは、主任・バレンタインから国家に反逆するレジスタンスチームの調査を命令され…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
キャラクター………B
設定…………………C

総合…………………B-
おすすめ度…………C

【良い点】
・キャラクターが魅力的
・ありがちながらも面白いストーリー

【悪い点】
・ストーリーが淡白すぎる

個人的には結構良作だと思いました。特にストーリーとキャラクターがよかったと思います。とは言え、しっかりとガバい点も見受けられました。それさえなければ、かなりの良作に化けそうな予感がしただけに残念ですが、出来自体はなかなか良かったと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

頭の中にIDチップ

近未来SFものはあんまり見ないので、レビューがガバるのもやぶさかではない(意味不明)

SFの定石やら細かいことはよく分からんので、思ったことを素直に書きます。というわけで、今回はこちらのSF映画。正直、悪い点も多々あれど結構良く出来ていたと思います。

さて、もう書くことがなくなってきたので、早速詳細なレビューに入って行きましょう。まずは悪い点から行きます。

今作の悪い点は、とにかくストーリーが味気なさすぎることです。

今作のあらすじを補完すると、「お偉いさんが税金を着服して私腹を肥やすため、市民の頭の中にIDチップを埋め込み、それをとおして発展した都市の幻影を見せつけている」という世界の中で、「レジスタンスと出会ったことでその事実を知った警官の主人公が、この陰謀を阻止するために立ち上がる」という感じになります。これ自体は、何ともありがちながらもなかなか堅実で良いと思うのですけれど、問題なのはこのストーリーの割に展開が淡白すぎることです。

こういうストーリーにするときって、(定番かどうかは知りませんが)やはり「幻想とはいえ不自由なく暮らせる豊かな世界の方が幸せなのか、それとも貧しさ、厳しさを受け入れても現実で暮らす方が幸せなのか」みたいな問題提起とか、そう言う深い部分に言及する描写が一つくらいあってもいいと思うんです。

しかし、今作においてはそんな深いところに踏み込む場面は皆無で、かつ主人公は基本クッソ単純な思考回路でしか行動しないので、どうしても展開が味気なく感じてしまうのです。ちょっと周りに流され過ぎといいますか。

 まあ、あれよあれよとIDチップ容認派に追われる羽目になる主人公ですから、レジスタンスたちと行動を共にしたりするのは分かるんですが、「ID世界」「現実」も両方を知る立場の主人公には「厳しい現実に連れ戻すより、市民にとっては現状維持の方が幸せなのでは?」的なことを少しは考えて欲しかったと思う(現実逃避派)

咥えて今作は、政府の攻撃によりレジスタンスは死ぬほどあっさり壊滅するので、政府軍とレジスタンスとの駆け引きや戦略的な攻防すらも全く描かれません。そのため、特に後半は圧倒的戦力を前にした主人公とヒロインだけによる孤軍奮闘、特攻ゲー具合が加速し、かなりゴリ押しな印象を受けてしまいます。

というわけで、目立った悪い点は以上でした。まあ、レーザーだかビームだかのCGがしょぼいのは目を瞑ってください。では、以下には良い点を。

今作の良い点は、キャラクターが魅力的であることと、粗はあるけれども良く出来たストーリーの二点です。

まずストーリーについて。先ほど、ストーリーが淡白すぎて物足りないというようなことを言いましたが、それを許容できればストーリー構成自体はかなり良く出来ていたと思います。特に良かったのが、黒幕が常に主人公たちの二手三手先を読んで行動しており、彼の計画が単に「現体制の維持」という防戦に留まっていないこと。これにより後半は特に、話が常に次へ次へと進んでゆくのでとても惹きこまれました

これと併せて良かったのが、キャラクターの魅力についてです。ヒロインは強い上に行動的で、主人公は渋くて好感が持てる。そして、そんな彼らの抵抗すらも全て計画に利用しまうほど、強大で有能な悪役。彼ら三人のおかげで、ストーリーがさらに面白くなっていたと思います。特に私は、この有能な悪役の存在が非常に良かったと思いました。まあ、詰めが甘かったのが非常に残念ですが。
格下だからと言って舐めプしてはいけない(戒め)

総評ですが、所々に粗もあるけれども、総じて良く出来た作品だと思います。脚本自体はかなりいい線を行っていたと思うのですが、後はこのテーマにふさわしい話を盛り上げるための深みが足りないことが気になりました。先述のとおり、近未来SFには疎いのであまり偉そうに語るのも気が退けますが、期待せずに軽い気持ちで見る分には結構いい映画だと思います。

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