「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

スネーク・ダイヴ のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2009
販売 アットエンタテインメント

Yahoo!映画レビュー平均→1.3点/5点
Amazonレビュー平均   →3.7点/5点

え、何この差は(困惑)

まあ、どっちのユーザーレビューも3人しか書いてないから、偏るのも多少はね?(マイナー映画の宿命)

さて今回はこちらの映画。サメと並んでB級モンスター界を牛耳るヘビさんですが、今度は潜水艦に潜入した模様です。ヘビさんも電車に乗り込んだり飛行機に搭乗したりとなかなか忙しいですね。

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

“逃げ場のない潜水艦内で、突然変異を遂げた<猛毒ヘビ>が隊員を襲う…。まさに潜水艦版「スネーク・フライト」! 絶体絶命のスネーク・パニック登場! 引退を間近に控えた潜水艦艦長のオニール中佐は、海軍学校を卒業したばかりの新人たちと潜水艦を移動させるという任務を命じられる。自分の最後の航海が、子供のお守り同然のミッションだと憤慨するオニール。しかしこの任務には、彼にも知らされていないある危険な目的が隠されていた…。 途中、女性生物学者のアンドレアを乗船させてから、艦内では次々と乗組員が倒れていく。原因不明の症状に、整った医療施設での治療が必要とされる緊急事態におちいる。 さらに追い打ちを掛けるように、彼らを乗せた潜水艦は、中国海軍に囲まれ、その攻撃を受ける。無闇に水面へ浮上すれば、中国からの更なる攻撃が。このまま海底に留まれば、原因不明の死が待ち受けている。さらに死者が続出し、緊迫していく艦内で更なる混乱が。彼らに襲いかかったものとは、アンドレアが持ち込んだある生物だということが発覚! それは核により、驚異的な突然変異が生んだ〈巨大毒蛇〉だった!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
ヘビの質…………C
キャラクター……B
設定………………C

総合………………C+
おすすめ度………C

【良い点】
・キャラに好感が持てる
・飽きにくい展開

【悪い点】
・ヘビの扱いが中途半端
・緊迫感、迫力不足

話が次々と進んでゆくのに咥え、キャラクターも良く出来ているのでなかなか楽しめる映画でした。反面、肝心のヘビに対する対処方や扱いの仕方が多少雑で中途半端だったのは残念です。しかし結構面白かったことに間違いはないので、個人的にはなかなかおススメ。

【以下、ネタバレ注意!】

結構面白いじゃんアゼルバイジャン

というわけで、今回は「ヘビ×潜水艦」な映画です。これといって触れておくべきこともないので、早速詳細なレビューに入って行きましょうか。まずは悪い点からいきましょう。

今作の悪い点は、何と言っても肝心要のヘビさん方の扱いが中途半端なことと、緊迫感が不足しているということの二点です。

この映画におけるキーワードは言うまでもなく「潜水艦」と「ヘビ」なわけですが、甘めに見積もってもはっきり言ってヘビは空気です。上記のあらすじには、「潜水艦内にヘビさんが現れて大パニック! おまけに中国艦隊にまで囲まれちゃって、私たちどうなっちゃうの~!?」という感じの事が書かれていますが、実際のところは中国艦隊の脅威がクッソデカくどう考えてもヘビがおまけという体たらく。

まあ実際問題、艦内のヘビによる被害は船員の一部に留まりますが、艦隊から魚雷でも貰おうものなら一撃で全滅ですからね。艦長の「ヘビ退治なんかに割く人員はねーよ近くに艦隊いるんだぞ」という態度がすべてを物語っていると言っても過言ではないでしょう。ド正論ですし。

そういうわけで、今作においてはヘビの脅威レベルが微妙なため、当然それに対する対処も雑になります。「ヘビは暖かいところに集まるから、機関室だけに暖房付けておびき寄せて閉じ込めればいいんじゃね?」からの「あかん寒すぎて計器に異常出そうやわやっぱ操縦室も付けたろ」で操縦室にヘビドバーなどなど。


今作において一番盛り上がったシーンが、武装を積んでいない潜水艦でハッタリかまして中国艦隊を追い払ったシーン
というのが、ある意味この映画を象徴しているとも言えます。その他、明らかに作り物のヘビが混じっていてそれを踏んづけたり、巨大ヘビはCGがガバガバなど、総じてヘビに関する出来はあんまりと言わざるを得ませんでした。ヘビが入り込んだかどうかよりも、中国艦隊の動向の方が重要ですし。

以上のとおり、今作は中国艦隊とヘビというダブルの脅威に晒されているわけですが、ここで問題がもう一つ。それはどういうわけか、これほどの脅威が迫っているのにも関わらず緊迫感が全く足りないことなのです!

どちらに対しても対処が中途半端になっていることももちろんですが、それ以前にヘビはヘビで脅威性が低すぎる、艦隊は艦隊で脅威が目に見えず、基本様子を見ているだけで攻撃してこないのでどうも危機感が伝わってきにくいという原因もありました。ヘビの脅威を全面に押し出してくる後半も、ガバッガバなヘビさんのCGから繰り出されるナイフとのホラホラ格闘戦にはもはや草不可避。展開がどんどん進む半面、この緊迫感のなさはなかなか気になりました。

では、以下には良かった点を。今作の良い点は、好感の持てるキャラクターと、飽きない展開です。

今作に搭乗するキャラクターたちですが、これがなかなか見事。例えば艦長と機関長などは、上司特有の高圧的な感じも嫌味な感じもほとんどなくかなりの人間の鑑ですし、ヒロインも非常に行動的で見ていてイラつきません。反面、悪役は徹底して人間の屑で、安っぽい正義感や人情味などを見せないブレなさが非常にGood. ヘビの存在感が薄いからこそ、こういったキャラクターの存在感がしっかりとあるのは非常に強みだと思いました。ただし、「好感が持てる(有能だったとは言ってない)」なので微注意。

続いて展開について。今作、特筆するほど話のテンポが速いわけではなく、スピード感があるわけでもありません。というよりも、割とストーリーがスッカスカなので進める話がないとでも言いましょうか。しかしだからこそ、次々と襲い来る艦隊とヘビ、ダブルの脅威への対処に追われる様を見るのが純粋に楽しめるのです。

事実内容はスカスカでも、ヘビや艦隊の襲撃は定期的にあり、かつその脅威がなくなることはないため、常に何かしらの対処を迫られているというシチュエーションと、事態を改善するためにどんどんと行動を起こしてゆく展開、これが上手く噛みあっていたので、今作は基本飽きずに楽しんで見ることが出来ました。まあ、このような状況が出来上がっているのに緊迫感が足りないというのは、やはりかなりの問題な気もしますが。

総評ですが、良い点も問題点もそれぞれあるなかなかの凡作、という評価に落ち着きました。全然見られる&標準少し上くらいの出来で、普通にそこそこ面白いかつ突っ込みどころもあり、ある意味B級映画の入門用にはなかなかの作品……かもしれません。反面、肝心のモンスターであるヘビさんがやや空気気味なので、モンスター映画としては微妙。見所さんも結構あるので、興味のある方は是非どうぞ。

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