「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

バトルロワイアル・アイランド のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリア
製作 2006
販売 ARC

レンタル版を吹替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

ロメロ島に集められた 囚人たちは、TV番組収録の為、生死をかけた生き残りバトルを行うが…(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………D
ゾンビの質…………C
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………D+
おすすめ度…………C


【良い点】
・話のテンポが早い
・凝った演出

【悪い点】
・展開が単調で盛り上がりに欠ける
・話が広がらず緊張感がない

個人的には「これは駄作」と思ったのですが、ネット上だと割と高評価なものを多く見つけたのでおすすめ度を一段階上げておきました。その「良くも悪くもテレビ番組過ぎる」という最大の特徴から、ハマるハマらないがそこそこ割れそうな気はします。

【以下、ネタバレ注意!】

とりあえず今作、名前からは想像がつき難いですが、ゾンビ映画です。まあ、パケ裏の解説なんかにはその旨しっかりと書いてあったので、かなり良心的だとおもいます。

また今作、あらすじになるような内容のテレビ番組であるという設定なため、所々、というよりほぼ全編にわたり演出がかなりテレビ番組的。ナレーションやこれまでのダイジェストが入るのはもちろん、次週予告まで入れてくるという徹底っぷりでした。そしてこの、テレビ番組風というコンセプトが、わたしの中では物議を醸すことに。

さて、では早速、今作の詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、話のテンポが良いことと、演出が凝っていることの二点です。これらは、今作における「テレビ番組風」というコンセプトが良く作用していた部分だと思います。

まず話のテンポについてですが、テレビ番組という構成を意識していたからなのか、今作は開幕ルール説明の後即行でゲーム開始、びっくりするほど何の説明もなくゾンビの襲撃がありまして、その後も定期的に襲撃と戦闘を繰り返してくれる、という嬉しい特長があります。

ここで特徴的なのが、テレビ番組というコンセプトを徹底している都合上、自然と見どころのないシーンをカット出来るということ。話の流れやストーリー展開の都合を無視して、あたかも見どころのあったシーンだけを流しているかのような編集も、テレビ番組というコンセプトだと自然と受け入れやすい、というのが良く出来ていたと思います。これ自体は、戦闘や襲撃シーンを多く見せたいであろう今作との相性は良好だと思いました。

咥えてテレビ番組的なコンセプトがもたらす良い点のもう一つが、凝った演出を用意できる……というより、演出によって誤魔化しが効く点です。今作、CGの質や殺害シーンの出来はそれはもうお粗末なもので、CGは安っぽくCG感丸出し、殺害シーンなどはゾンビが群がって来た瞬間に、画面に「電波障害発生」的なテロップが流れて終了、という実に残念な代物ですが、その安っぽさも「これテレビ番組だし」という設定と演出があるおかげでそれほど気にならない……とでも言いましょうか。

この辺りは少し感覚的な話なので、感じ方は人それぞれだと思いますが、それでも他の映画に比べると、ガバガバCGと殺害シーンのてきとーなブツ切り感も多少許されている感じがします。戦闘シーンでは所々カメラを一時停止して戦闘ポイントを表示する、という謎演出によりガバッた戦闘シーンに誤魔化しを利かせられているのも、今作のテレビ番組というコンセプトの下ならではの特徴だと言えるでしょう。まあ、これらの演出、誤魔化しを受け入れられるかどうかは別問題として。私は受け入れられましたが。

さて、以上は良い点でした。では続いて悪い点を。今作の悪い点は、盛り上がりのなさと話の広がらなさ、この二点です。先に対してこちらは「テレビ番組風」というコンセプトが悪く作用していた部分だと思います。

まず盛り上がりのなさについて。確かに今作は無駄な話がほぼなく、定期的な襲撃と戦闘が続くという特長があるのですが、逆にそればかりが続き過ぎるんです。ゾンビの襲撃も、何の脈絡もなく突然ゾンビが現れてがぶがぶされる、というパターンが多いため、話がずっと一定のペースで進んでいるかのようで、ストーリーに大きな波がなく展開が誠に単調。これのせいで、襲撃シーンの多さの割には飽きやすいという弱点が。

咥えて、話が進むにつれ、参加者たちがこのゲームの裏側や誕生の経緯を知り……というようなイベントも全く発生しないため、ただでさえ舞台が離島から広がらない上に、新情報が全く入ってこないので話すら全然広がっていかずどうしてもダレ気味になり全編とおして緊張感が足りないという大きな問題もありました。この辺りは、テレビ番組というコンセプトにこだわり過ぎた問題点だと思います。

総評ですが、良くも悪くもテレビ番組過ぎる映画でした。他の映画のレビューでも書いていることですが、これはあくまでも映画ですから、あまり元ネタやコンセプトにした物に縛られ過ぎるのは良くないと個人的には思います。徹底してコンセプトに忠実に進もうとする姿勢は非常に評価できますが、やはり映画全体として見るとどうしてもどこかしらに粗が出てしまいがちな気がするので……。

ただし、(オチは別として)誰が生存するか全く読めない展開が続いたり、コンセプトに忠実に進んだおかげで各所に上手く誤魔化しを利かせられている点、話がどんどん進んでゆくことなど評価点も多いので、面白いと感じる人も多数いなそうな映画だと思います。あまり私の評価に縛られず、面白そうだと思った方は是非手に取ってみてください。「結構面白かった!」という方の意見も、よければ聞きたいですね。

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