「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

逃走中 殺人ハンター のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 JAPAN
製作 2010
販売 ジョリー・ロジャー(パッケージ情報)

まさかAmazon先生もYahoo! 映画先生も機能していないとは夢にも思うまい。 製作はジョリー・ロジャーって書いてあるけど販売はまた違ったような……まあ、この辺の細かいことはよく分からないのでスルースルー。

レンタル版を視聴しました。まずは予告編&あらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

一攫千金の鬼ごっこゲームに参加したランナーたちの、命懸けの逃走劇を描いたアクションサスペンス。女刑事の光子は、さまざまな武器を持ったハンターから100分間逃げ切ったら賞金1億円というTV番組「デンジャラス・デイズ」に参加するが…。(あらすじ:ゲオ宅配レンタル商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……D
設定………………D

総合………………D+
おすすめ度………C

【良い点】
・ハンターの襲撃が多く、長ったるい無駄話も少ない

【悪い点】
・棒読み

・ガバガバ設定
・ワンパターンな展開

どちらかと言えばC―に近いD+です。全体的に酷い出来ですが、グダグダとした会話シーンが少なく襲撃(?)シーンが多いのがせめてもの救いですね。「捕まると殺される」という設定があるくせに本家より緊張感がないというなかなか恐ろしい出来なので、劣化版逃走中としてどうぞ。

【以下、ネタバレ注意!】

「来いよネオハンター、銃なんか捨ててかかって来い」

「てめえなんかこわくねぇ!(銃ポイー)」

コマンドーじゃねぇか!

というわけで、某テレビ番組のパクリかつ超絶棒読み&最終決戦が完全劣化コマンドーな映画のレビューです。ちなみに、ルールは元ネタの某テレビ番組とほとんど一緒。


「某テレビ番組見たことねぇ」という方のために簡単に説明しておくと、基本ルールは『黒服のハンターから制限時間いっぱい逃げ切るだけ』という非常にシンプルなものです。そこに、運営側からいくつかミッションが科せられる、という演出が入ります。

ちなみに某テレビ番組ですが、最近のやつは無駄に余計なストーリー入れようとしたりクソミッションが多すぎたりで全然見てないです。(シンプルだった頃に)もどして

という愚痴をここで言ってもあれなので、早速この映画の詳細なレビューに入って行きましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、とにかく襲撃シーンがふんだんで、無駄話が少ない構成です。

今作、逃走中のパクリということもあって、ハンターによる襲撃シーンが話の中にちょこちょこと挟みこまれます。そのおかげか、参加者同士のグダった会話シーンは少なく、長々と茶番を見せつけられることもないので、(序盤を除き)基本的にはずっと見ていられる、というのが最大の長所

話の合間合間には、参加者たちがこのゲームに参加した背景設定やエピソードなどが語られますが、人数が多いからか尺の都合なのかこの部分もかなり短めで、その後にはすぐハンターが登場して殺害シーンに移ってくれます。何と言うか、視聴者が見たいものをちゃんと分かってくれている感じがしました。

なお、「茶番が少ないと言うが、この作品全体が茶番なのではないか」「ハンターによる襲撃が多いのは良いが、そのクオリティがあまりにあれでないか」というご意見はそっと胸にしまっておいてください。

では以下に、悪い点を。今作の悪い点は、神がかった棒読み、ワンパターンすぎる展開、とってつけたようなガバガバな設定の三本です。

まずは、今作を見た誰もが気になったであろうことについて。今作に出てくるキャラクター、もとい役者さんたちですが、これがもう「普通」と言えるレベルに達している人を探す方が難しいほど全員が全員見事な棒読みです。


「演技の上手い人が確保できないから、いっそ下手な人で揃えればバランスとれるんじゃね?」
と言わんばかりの見事なバランス調整には舌を巻くばかり。どれだけ窮地に立たされても、どれだけピンチでも、セリフを読むリズムも表情も全然変わらない見事なポーカーフェイス。このおかげで今作、基本どんな場面でも緊張感皆無です。

緊張感皆無繋がりで言うと、今作は展開が非常にワンパターンであるということも緊張感の剥奪に貢献しています。中盤からネオハンター襲撃までの終盤まで、今作はずっと「キャラの背景説明→ハンター襲撃→殺害→キャラの……」の繰り返し。まあ、元ネタが非常にシンプルな鬼ごっこゲームなだけあってこれはある程度仕方ないのかもしれませんが、腐っても映画ですからね、やはりワンパ展開は辛いものがあります。

そして最後、ガバッガバ極まりない設定について。今作は「政府の機能が衰えて犯罪が横行する近未来の日本」を舞台にしているのですが、口ではそう言っているものの舞台は誰がどう見ても普通の秋葉原「政府機能が低下して殺害を放映するテレビ番組まで許容されているような時代」であるにもかかわらず、警官はそれなりに仕事しているし街も平和だしではまるでお話になりません

他にも、ラスボスとして登場したネオハンターが主人公の上司だったという後出し感満載の展開や、キャラの背景設定がペラッペラであること、多数のハンターに囲まれても余裕で逃げ切れること、さらにはラストバトルでコマンドーをやったりと、「お前ら設定とかまともな展開考える気あるんか?」と言いたくなるほどの酷さ。こればっかりは擁護のしようがないです。

総評ですが、頭空っぽに見る分にはそこそこでも、とても真面目になんて見ていられない映画でした。特にワンパ展開と棒読みがなかなかの曲者で、ネタにするならまだしも真面目に見ると結構な苦痛を伴います。緊張感も皆無なので基本おススメはしませんが、劣化版逃走中としての体裁はそれなりに保っている気もしないでもないです。興味のある方は是非。

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