「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ライカン のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2007
販売 アットエンタテインメント

恵まれたパッケージ、あっ……(察し)

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

“アメリカ西海岸の花火製造会社に勤めるケヴィンは、同僚が戻ってくるのを待っていた。 すると、誰もいないはずのオフィスに人の気配が。 事務所荒しかもしれないと思い、建物を巡回をするも不審人物の姿はない。 不意にまとわりつくような視線を感じたケヴィンは車へと走るが、 落としてしまったキーに手を伸ばした瞬間、車体の下に潜んでいた獣に襲われ傷を追ってしまう。 その夜からケヴィンの中で何かが変わり始めていく。 翌朝、会社の駐車場で無数の肉片が飛散した犬の死骸が発見される。 次の日には、同じ場所で身元不明男性のバラバラ死体が見つかり、従業員たちは戸惑いを隠し切れなくなっていた。 一方、ケヴィンは自分が凶暴になっていくのを止めることができず、 獲物を求めて彷徨ううちクリスティーンという女狼と出逢う。 クリスティーンはケヴィンを細菌で冒し、一族の繁栄を目論んでいたのだ。 しかし、ケヴィンが真の人狼になるには、闇の掟で人間との絆をすべて断ち切らねばならない。 ケヴィンはこのまま獣になってしまうのか―殺戮を繰り返す凶暴な牙はついに最愛の家族へ襲い掛かる!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……C
キャラクター………C
設定…………………C

総合…………………C
おすすめ度…………C

【良い点】
・ラストバトルの出来はなかなか良い

【悪い点】
・立ち上がりが遅くダレがち
・ギャグシーンのセンスが残念

素体自体は悪くないので「もっとここをこうすれば良くなりそうなのに」という部分は色々とあるのですが、とりあえずB級映画ハンターでもない限り完全なる地雷です。パッケージのカッコよさに釣られた方はご愁傷様でした。

【以下、ネタバレ注意!】

「ロボットに戦わせよう!」

「いい考えだ!」(理解不能)

こいつら何言ってんだ。

さて今作ですが、シリアス3割ギャグ7割、と言うような配分の映画になっております。わりとボケーッと見られるのでその点はおススメできるのですが……内容に少々問題が。では早速、詳細な内容に入って行きましょう。まずは悪い点から。

今作の悪い点は、立ち上がりが遅くて前半はダレがちということと、ギャグシーンのセンスが微妙であるということの二点です。

まずは前半の立ち上がりについて。今作、ライカンの登場自体も遅くはないですし、割と定期的に人を襲ってくれるのですが、どうも前半は話が進まない印象が強くダレがち。モンスターの登場も早いのになぜこんなことになっているのかというと、その原因はライカンの存在に主要キャラが誰も気付いてくれないからなのです!

折角ライカンさんが満を持して登場しても、やることと言えばそこらの一般人をがぶーするだけ。そのたびに主要キャラたちは「これは獣の仕業だ!」「いやUMA(未確認生物)の仕業だ!」と言い合うだけで、肝心のライカン襲撃イベントが起こるまでに実に一時間近くかかります。

もちろんその間は、ヒロインの恋人がライカンにがぶーされて「噛まれた人間もライカンになってしまうんだ!(謎理論)」な流れが入り、男がライカンへと徐々に変貌してゆく過程を描いてはくれているのですが、これがどうもギャグ重視のストーリーとはミスマッチしている感が強く、イマイチ頭に入ってきません。

またそのギャグと言うのも、正直言ってあまり褒められた出来のものではないというのがこれまた痛いところ。ライカンの襲撃を喰らって死者が出てるのに「撮影用のロボットで戦おう!」と言いだして実行してみたり、大ピンチに突然ズッコケオッサン3人組が登場してライカンを撃退してみたり、挙句の果てにはUFOが出てきたりともはややりたい放題。しかし、今作で問題なのはその中身ではなく、むしろタイミング

シリアスな展開を持ってきたかと思えば、その間間に完全に余計なギャグを挟むせいでテンポが悪くなっている上、全体的にシリアスとギャグの配分が非常に悪い。要するに、ギャグとシリアスのメリハリが終始ないため、常にごちゃごちゃしているというような感想を持ってしまうのです。このメリハリのなさは、この映画におけるもっとも悪い部分だと思いました。

そんな今作における良い点は、ラストバトルの出来は悪くないということ。

前半のダラダラした感じから一気に話が進んだ中盤を超えて迎えるラストバトルですが、これの出来はなかなか良いんです。やはり悪い癖である「シリアスの中にもギャグをぶっこまないと死んじゃう病」が発症していますが、それを差し引いてもまあまあ良いと言える具合。むしろギャグ自体の出来も悪くないので、それを入れるタイミングが微妙と言うことを除けば結構楽しめました。はい、以上です。

総評ですが、とにかく構成が悪い。ギャグしたいのに前半はダラダラとライカンに変貌するシリアスチックな話を入れてみたりだとか、「真にライカンになるには人間の頃の絆を全て断ち切らないといけないの!(謎理論)」といういかにも無理矢理なドラマチック展開をぶっこもうとして失敗してたり、散々述べたようにとにかくギャグとシリアスのメリハリがついておらずごちゃごちゃしてたり、と……。

ギャグ一つ一つの出来や展開、バトルなどはそう悪くもないので、やはり構成の仕方が悪いのかなぁ、と思って見ていました。いや、あくまでも私から見て「悪くない」という感想であるため、普段B級映画を見ない人が見ると「何やこのクソ映画……」となる可能性大です。そうでなくとも、どこまで「寒いノリ」「無駄に引き延ばされる話の展開」許容できるかでがらりと評価が変わってくる映画だと思います。ご利用は計画的に。

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