「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

タイムウォーリア のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2012
販売 ファインフィルムズ

この前、編集途中のこの記事を投稿してしまった挙句1時間近く放置するという凡ミスを犯した雑魚はこちら。すみませんでした(小声)

では気を取り直して、今回はみんな大好きアクション映画ですよ! 当然吹替えなんてないがな!

レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

マットとジミーの手元に大人気のシューティングゲームの海賊版が渡ると、ふたりは途端にはまっていく。しかし彼らは知らなかった、ゲームの最終レベルに到達する為には“魂”をサインアップしなければならないという事を。このゲームは、地球始まって以来続く、全戦争の黒幕のリクルーティングツールだった。マットとジミーは現実となった世界で予期せぬ運命を辿り、一人は不死のタイムトラベリング戦隊に変身し、敵に立ち向かっていく!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
キャラクター……C
設定………………C

総合………………D+
おすすめ度………C

【良い点】
・オープニングで高まる期待感

【悪い点】
・明らかに配分をミスったとしか思えない構成

面白そうな設定かつ(B級映画にしては)なかなか良質なバトルシーンで始まるオープニングに期待感を煽られたのですが、蓋を開けてみればこれがまあ酷い。かなりいい線まで行きそうなポテンシャルを秘めているだけに惜しいことこの上ない映画でした。この設定のままでいいんでリメイクしてくれませんでしょうか(切実)

【以下、ネタバレ注意!】

このゲーム、グラフィックが凄いぜ!(凄くない)

主人公がひょんなことからタイムトラベリング能力を獲得し、戦いに身を投じてゆく……という、ありがちながらも中二心をくすぐられるなかなか面白そうな設定の映画なのですが……
どうしてこうなった(絶望)

さて、「本編内容とあらすじが全然違うじゃねーか!」という不満が聞こえてきそうですが、とりあえずスルーして良い点から行きますね。

今作の良い点は、オープニングの期待感がなかなか凄いということです。

この映画は、メタルスーツに身を包んだサイボーグ忍者もといタイムウォーリアと化した先輩のバトルシーンで幕を開けます。そのバトルは迫真のカメラワークとスロー映像を駆使し、武装転送システムを利用して瞬時に武器切り替えを行いながらウォーリアが暴れ回るという、B級映画としてはなかなかの出来の戦闘シーンであり、これで期待感が一気に高められました

この後に始まる前半は結構なスローテンポなのですが、ここで高められた期待感のおかげで見続けることが出来た、と言っても過言ではないと思います。やはり開幕の盛り上がりは重要ですね。問題は、今作において盛り上がりを見せる部分はこことラストしかなかった、ということなのですが……。

では、以下には悪い点を。今作の悪い点は、明らかに構成の配分をミスっているとしか思えないほど構成にセンスがないこと、もうこの一点に尽きると思います。

 今一度あらすじを読んでいただきたいのですが、このあらすじだと、この映画は「タイムトラベリング能力を身に着けた主人公が実際の戦争に身を投じてゆくお話」、もしくは「タイム(中略)身を投じながら、このゲームを掌握している黒幕に戦いを挑んでゆくお話」という解釈になると思います。なりますよね?(不安)

しかし現実は、主人公は黒幕に戦いを挑むどころか、そもそもラストの数分しか戦いに身を投じないという驚きの内容。つまり今作、丸々90分を使って、主人公がタイムウォーリアとして実戦に身を投じるまでの話を描くという、もはや全編がオープニングと言っても差し支えないような内容なのです。

いや、面白ければ別にそれでもいいんですよ。主人公がタイムトラベリング能力を獲得した後、父もタイムウォーリアだったという現実と向き合い、タイムウォーリアとして生きる悩みを抱え、実戦の中で葛藤しながらも自分の成すべきことを見つけて行く……こんな話でも
盛り込まれていれば全く問題はないんです。逆に言うと、今作はありがちな設定のくせにこんなありがちな葛藤過程すら全く盛り込んでくれていない、ということですね。

じゃあいったい、「今作はラストシーンになるまで何をしているの?」というと、これがもうとにかくグダグダと主人公たちの下らない日常描写を描いているだけという酷い有様。そもそも魂をサインアップするまでに、家庭環境のイザコザだの本筋と全く関係ない話を展開しているくせに、サインアップ後もまるで実戦に身を投じる気配を見せようとせず、手に入れた超人的パワーに困惑し葛藤するアメコミヒーロー御用達の描写も全く入らず、その後にあるまともなバトルは頭がおかしくなって銃を乱射する友人を主人公がメタルスーツ着てボコるという全く燃えないバトルのみ。本当にどうしてこうなった。

総評ですが、この設定のままで堅実な作りをしていればそこそこ面白そうになったのに、どうしてこうなったのか、という感想以外出てこない映画でした。バトルシーンは良質なのだから、これをもっと前面に押し出してゆけばいいのに、と思ったのですが、まあOPとEDのバトルが完全な使いまわしだったので、多分バトルシーンを撮る予算がなかったんでしょう。

ただ予算のなさには同情しますが、構成のセンスのなさには同情できません。バトルシーンを撮れないなら撮れないなりにも、もっと超人的能力を手に入れた主人公の内面にスポットを当てた構成にしてほしかったと思います。というわけで、リメイクお願いしますね(届かぬ願い)

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