「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

マウント・ナビ のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 日本
製作 2014
販売 キングレコード

久しぶりのPOV映画です。今作は全編手持ちハンドカメラによる一人称視点映像ですので、酔いやすい方は特に注意ですよ!

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。なお、予告編には他の映画の予告も含まれていましたのでご注意ください。

【予告編】

【あらすじ】

自主制作のホラー映画を撮影するために、不吉な山として古来から伝承が残る””なび山! に入る若い男女7人の撮影クルー。過酷な撮影状況のため、彼らは不和を起こす。その時彼らは上空に浮かぶ謎の飛行物体を目撃する。その正体を探るため、””なび山””の奥深くへと踏み入れる若者たち。しかし、そこは人が決して踏み入れてはならない禁断の場所であった。そして禁を破った若い男女を未曾有の極限恐怖が襲う。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………D
モンスターの質……D
キャラクター………D
設定…………………D

総合…………………D+
おすすめ度…………D

【良い点】
・グロシーンの出来はまあまあ頑張っている

【悪い点】
・中盤のダレ方
・設定ガバガバ
・キャラクターの無能さ

「POVはここがダメなんだよ」という要素をガッツリと前面に押し出したかのような作りになっておりました。もうとにかく撮影の不自然さが尋常ではないので、その時点で全くおススメはできません。

【以下、ネタバレ注意!】

先に述べておきますが、今作のレビューは主に酷評の嵐です。それでも別にいいけど、という方はこれ以下もどうぞ。

さて、まずは今作がどんな映画なのか簡単に説明すると、エイリアンにガッツリ異種姦されて無事出産する映画です。製作者頭おかしい……

では映画の内容も分かった(?)ところで、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から行きます。

今作の良い点は、グロシーンの出来はまあまあ頑張っているということです。

正直なところ今作、設定はガバガバ、キャラは無能の集まり、エイリアンの出来もお粗末で、話は全く面白くないなど、もうどこをどうとっても駄作以上の何物でもないのですが、唯一グロシーンの出来だけは及第点、と言ったところでした。作り物感が強いことは否めませんが、POV特有のブレも駆使しており、見かけ以上の出来に仕上がっていたと思います。

ただしこれ、他の点がダメすぎて、強いて良い点を挙げるとしたら、というレベルの代物なので、決して期待してはいけません。この駄点だらけの映画の中、唯一標準レベルをクリアしている要素、と言う方が正しいと思います。

では、以下には酷評、もとい悪い点を。今作の悪い点は、キャラクターが無能の集まりであること、中盤のダレ具合が酷いこと、そしてなにより、各種設定がもうガバッガバであることの三点です。

まずはキャラクターの無能さについて一言。今作のキャラクターはまるで絵に描いたかのようなクソ野郎の集まりです。POVお馴染みの「何があっても撮り続けてやる!」厨や、恐ろしく傲慢な「俺が……監督だ!」おじさんなどなど楽しいキャラクターたちがいっぱい。しかも彼らのクソさは後半に行くにつれて加速してゆくため、キャラに対する好感など微塵も感じられませんでした。

そして、中盤の展開の酷さについて。今作、序盤のスローテンポを除けば無駄話も少なめで、エイリアン襲撃をはじめとした様々なイベントが定期的に起こってはくれるのですが、もうこれでもかと言うほど話がまるで進まないので途中でダレてきてしまうのです。

いや、正確には話は進んでいると思うんですよ、多分。ただこの展開がワンパターンかつ唐突過ぎるものの連続なため、見ているこちらとしては一体どこへ向かいたいのかまるで不明瞭で完全に冷めてきてしまうのです。

序中盤に「悲鳴→誰かが疾走or逃走→探しに行く→悲鳴……」のパターンが続くだけでも嫌になってきますが、後半はこれに加えて到底理解不能な展開の連続。エイリアンが出てきたと思ったら突然人間の女を犯しだし、かと思えば侵された女は顔面蒼白になりながらちょくちょく正気を失って仲間を岩でタコ殴り。女を見捨てて山を降りる降りないで大揉めしたかと思えば、突然謎のおっさんが現れてスコップで襲われてみたりなど、今作は展開の足並みそろってなさがとにかく半端ではないのです。

これに加え、結局エイリアンの正体は不明、侵された女が発狂する理由も不明、謎のおっさんの正体もまるで不明と、今作は設定がもうガバりにガバッているというのも立派な悪い点。

また、設定のガバさとは少し離れますが、カメラを回している男が映像を撮り続けている理由もあまりに不自然すぎて笑えてきます。自分が襲われているときや逃げる時、錯乱しているときでも決してカメラは手放さず、的確なズーム機能とピント合わせ能力を駆使して少しでも見やすい映像を撮ろうとするカメラマン魂は尊敬に値しますが、POV映画だと不自然なだけですね。

総評ですが、無能キャラ、ガバ設定、不自然映像、グダグダ展開とダメな要素を寄せ集めたかのような見事な駄作でした。見ることはあまりおススメしませんが、これでいてそれなりに見れてしまうので興味のある方ならなんとか……という感じでしょうか。

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊