「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

U.M.A 2010 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ、フランス、カナダ
製作 2009
販売 ア ル バ ト ロ ス

とりあえず、パッケージ詐欺とだけ言っておきます。なお、原題はRISE OF THE GARGOYLES

レンタル版を吹き替えで視聴しました。探し方が悪いのか日本語版の予告が見当たらなかったので、今回は英語版の予告編です。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

『メテオ 超巨大隕石激突』のRHI製作によるモンスターパニック。パリの大学で教鞭を執る学者のジャックは、取り壊し目前の教会の地下墓地(カタコンベ)を調査中に、正体不明の怪物を目撃。その夜を境にパリの街では謎の殺人事件が続発し…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……B
キャラクター………C
設定…………………C

総合…………………C+
おすすめ度…………C

【良い点】
・モンスターの出来が良い
・展開が分かりやすい

【悪い点】
・話を無駄に引き延ばしたがる

全体的に可もなく不可もなく、という印象がかなり強い映画でした。はっきりと「いいね」と思ったのはモンスターのCGがしっかり出来ていることくらいで、後はどれもこれも標準クラスの出来。見てもこれといった収穫はないでしょうが、退屈すぎるということもないかと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

Amazonや他のレビューサイトを何件か見ましたが、大体皆さん「ありきたり」「普通」「無難」というワードを挙げていました。確かに今作、展開も目新しいものがなければモンスターもキャラも特質すべき様な点はほぼなく、かといって全く面白くないかと言われると「まあまあ」という感想に落ち着いてしまうような、まさに「普通」道を征く、という感じの映画でした。

ただまあ、「普通でした。私もそう思います」だけで終わってしまうのは味気ないので、いつも通りいろいろと思ったことをつらつら書いてゆこうかと思います。では、まずは良い点から行きましょう。

今作の良い点は、モンスターの出来が良いということと、展開が分かりやすいということの二点です。

まずモンスターですが、これについてはなかなか良く出来ていたと思います。登場するモンスターはガーゴイル1体だけながらも、造形やCGの出来は悪くはなく、動きも(極一部以外は)特に違和感なく受け入れることが出来ました。まあ、圧巻と言うほどの物ではないにしても、モンスターの出来が良いのは大変喜ばしいことだと思います。特に殺害シーンなどは、少ないながらも良く頑張っていたと思います。

続いて展開について。今作の展開は実にシンプルで、言ってしまえばモンスター映画として非常にありがちなんですよ。眠っていたモンスターが覚醒し、街で(ひっそりと)暴れ、主人公たちがそれを止める。この王道的流れから、良く言えば一切逸れずに最後まで駆け抜けてくれるため、話の構成が非常に分かりやすく、今主人公たちは何がしたくて、この後どんな行動を起こすのか、という部分がすんなり頭に入ってくるのです。

もちろん、これについては「ありきたりで面白味がない」という否の部分も裏にありますが、個人的にはB級モンスター映画だし、まあ話のテンポも悪くないし、王道を征ってくれるだけグダるよりは良いかな、と思いました。頭空っぽにしてモンスターを楽しむ分には、むしろ利点にもなるかとも思います。

では続いては、悪い点を。今作の悪い点は、ちょこちょこと入る話を引き延ばしたがる癖が目立つこと、これに尽きると思います。

今作、話のありきたりさに目を瞑れば、確かになかなか良く出来ているんです。ストーリーはまあまあテンポが良く、モンスターの出来もなかなか、キャラクターもそこそこ有能とどこをとってもまさに平均レベルなのですが、私が1点だけどうしても気になったこと、それこそがこの、話を引き延ばしたり無理矢理見せ場を作ろうとするあからさまな部分でした。

今作はヒロインや主人公がモンスターに襲われるとき、見せ場を作ろうとするからか、どこか無理矢理さというか露骨なものを感じるんです。例えば、ヒロインが持っているモンスターの卵を囮にして敵を誘い出すシーン。こんなのとっとと卵を置いて逃げればいいものを、ヒロインは自分が囮でもないのにわざわざモンスターの登場をじっと待ち、いざ登場してみると腰を抜かしてビビる。この「襲われるために待ってました」と言わんばかりの露骨さ。

他にも、主人公がモンスターと対峙するシーンでは、盛り上げようとしているからか何なのか、切り札であるストロボライトのバッテリーが突然切れて無駄にバトルを引き延ばされたり、神父さんが自爆する見せ場を無理に作ろうとしたせいでラストバトルがダレがちになったり……と、今作は色々な人に無理に見せ場を作ろうとしすぎて、話が無駄にグダっている部分が多く見受けられます。一般人の死亡シーンがかなりあっさりとしている分、これが余計に気になりました。

総評ですが、王道を征くありきたりな部分が大部分を占める一方、モンスターの出来の良さと話を引き延ばそうとする悪さが見事に相殺し合い、なんとも「普通」としか言いようのない出来の映画だったと思います。モンスターの出来の良さがある分総合評価はC+にしましたが、モンスター映画を多く見ている人ほど面白みに欠けるように感じるかもしれません。B級モンスター初心者の方には、わりとおススメできると思います。

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