「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

モンスター・オブ・レジェンド のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ、カナダ
製作 2013
販売 アメイジングD.C.

B級映画のモンスターにレジェンドの称号は少し重いのではないかと思った(小並感)

レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

“狙われたら最期! ! 街が祭りで盛り上がる中、教師のアーロンは、彼の生徒タイラー、ゴスロリ少女・ニッキー、レスリングのキャプテン・デウォン 、マリア、ベスらを引き連れ、コーン畑にやってきた。 彼らは学校で様々な問題を起こしており、アーロンは彼らの更生を兼ねて、畑仕事の手伝いにやってきたのだ。 そんな中、生徒の一人が街に伝えられる都市伝説を口にする。“奴は死なず 止まらない、犠牲者の叫びを聞け、奴は我々全員を殺す、 秋はヤツを埋めておけ””と。 すると、さっきまで一緒にいたニッキーとタイラーの姿が見えなくなり、更にベスが突如、何者かに足首をつかまれ引きずり倒される。そして畑の奥へと凄まじいスピードで消えていき・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……B
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………C+
おすすめ度…………C

【良い点】
・話のテンポが良く展開がどんどん動くので、最後まで飽きずに見られる
・モンスターのCGの出来が良い

【悪い点】
・ストーリーが非常に単調で薄っぺらい
・設定ガバガバ

モンスターのクオリティはなかなかで、かつ展開がスピーディーに進むため飽きずには見られるのですが、(ガバッた設定には目を瞑ったとしても)もう展開がとにかく単調でペラッペラ。良い点悪い点がはっきりしているので、興味を持った方だけ見れば良いと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

ただのカカシですな(激強)

ちょっと強すぎたんとちゃう? まま、ええわ。

さて今作ですが、コーン畑にやって来たら突然謎の怪物に襲われる、というお話です。特に言うこともないので、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、モンスターの出来がそこそこ良いということと、とにかく展開がスピーディーであるということの二点です。

まずはモンスターのクオリティについて。今作のモンスターは、何とも形容しがたい木の枝の集合体のような人型の化け物なのですが、これのCGの出来はかなり良好。細やかな動作も滑らかで、背景から浮いているというような違和感も特にありませんでした。このモンスターの造形を気にいるかどうかはともかくとして、映像的な出来はかなり良かったと思います。

これと併せて今作の強みであるのが、展開のスピーディーさです。もう開始早々にモンスターが登場したかと思えば、余計な話などほとんど挟まずに戦闘開始。その後も休まることなくモンスターの襲撃は続き、基本的に最後までこのスタイルが崩れることはありません。

ただ、いくら展開が早いとは言っても、普通のモンスター映画なら飽きてくるんですよね。たいていの場合はモンスターの登場が早いだけで中盤くらいからダレてくるか、(特にモンスターが1種類しか登場しない場合は)だんだん見慣れてきちゃうんです。しかしこの映画の場合は、しっかりとした工夫(?)があるおかげで、最後まで飽きずに見られました

その工夫とは、ステージ移動の多さです。今作は一度モンスターの襲撃を受けるとすぐにその場から離れてくれるため、基本同じ場所に留まっていることがありません。最初は畑からスタートし、母屋での籠城、小屋への非難、車での逃走、農家に辿り着いて敵と対峙したかと思えば、最後には港へ。こうしてコロコロと場所を変えてくれることにより逃走劇に幅が出て、敵は一体しかいなくとも飽きずに見られる、というわけです。場面がどんどん変わることで、着実に話が動いている、という実感も得やすいですし、停滞ムードもなく良かったと思います。

さて、では以下には悪い点を。今作の悪い点は、設定がガバっているということと、ストーリーがとにかく薄っぺらいということの二点です。

今作の設定はまさに酷いの一言。モンスターが主人公たちを狙う理由が「モンスターは昔からヒロインの一家を狙っているから」とまるで理由になっていなかったり、設定上不死身なはずのモンスターを、かつての先祖はどう退治したのかまるで不明だったり(埋めるとか簡単に言うけど無理やろ)、そもそもこのモンスターはなんなのか全く説明されなかったり……などなど。

まあしかし、この際ガバ設定には目を瞑りましょう。たとえ理由になっていなかったとしても、モンスターが主人公たちを狙う理由が存在するのは事実ですし、埋めたというからには御先祖様も何とかして不死身の化け物を埋めたんでしょう。なにせこれらに目を瞑ったとしても、今作には一番まずい問題点が残るのですから。

この映画最大の問題は、内容がびっくりするほどペラッペラだということなのです。特に何が酷いって、今作はモンスターと出会ってから最後の最後まで攻勢に出ることがありません。もうガチで終始、謎のモンスターから逃げ続けるだけなのです。途中、一瞬攻勢に出たとしても、なんせ相手のモンスターは不死身ですから、攻勢に出ている感が全くない。現に相手は、撃たれても燃やされても切り刻まれても、すぐに復活しますし。

このせいで、確かに今作はステージ移動も豊富で展開はスピーディーなのですが、結局やっているのは『モンスターに襲われる→逃げる→モンスターに……』の繰り返し。このサイクルがスピーディーに回転しているだけで、実はやっていることは終始同じで、内容自体はペラペラなのです。なので、大体3回目のステージ移動くらいから、このサイクルに慣れてきてしまうんですね。

最初の襲撃以降、モンスターについての情報などで新たに分かることもほとんどありませんから、今作はスピーディーに展開が進んでいるように見えて、実は何も進んでいない。もっと言うと、「常に話が動いている」ように見えて、「ずっと話が動いていない」映画なのです。

総評ですが、モンスターの出来は良く展開も早い一方で、内容のペラペラさが気になってしまう映画でした。百年前にこいつを埋めて封印したと言うからには、何かしらこの不死身の敵を封じ込める手立てはあるはずなのですから、キャラクターたちがその方法を模索し、何とかこのモンスターを撃退する……という方向に中盤からシフトできれば、かなりの良作になっていたのでは、と思います。

そういった展開に運べずに、やっていることが終始同じというのは、やはり残念な部分の方が目に付いてしまいますね。純粋にモンスターとの追っかけっこが見たいという方にとっては、なかなか楽しめるかもしれません。

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