「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

バタフライエフェクト・イン・クライモリ のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 オーストラリア
製作 2008
販売 トップ・マーシャル
アース・スターエンターテイメント 高宮なすのです(幻聴)

最近やっとバタフライ・エフェクトを見たんですよ。いやぁ、あれはいい映画でしたなぁ。あの名作映画の題名が丸々使われているんですから、こいつも良作に違いないな!(錯乱)  ちなみに原題はACOLYTES. 作中の解説によると『新参者』とかいう意味らしいです。

レンタル版を字幕で視聴しました。当然の如く吹替えなんてありません。まずは予告編と、Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

世界各地のホラー映画際で絶賛された新感覚のティーンエイジ・サスペンスホラームービー!「バタフライエフェクト」を凌駕する負の連鎖が次々と若者を襲う!「スターウォーズ・エピソード」シリーズのジョエル・エドガートン主演。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
サスペンス度……B
設定………………C

総合………………C
おすすめ度………C

【良い点】
・サスペンス部分の出来がなかなか良い

【悪い点】
・無駄なシーンなどが多い
・全体的に説明不足で展開が突発的

お世辞にも出来が良いとは言えない映画です。悪い点もかなり目立ちますが、とにかくサスペンス的にはなかなかしっかりと作られていたので、それだけが救いでした。ただ割と強引な展開も多く見られ、サスペンスのくせに動機がガバガバなので、受け付けない人は全く受け付けないと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

EARTH STARくん!  パクリタイトルはやめよう!

 言うまでもないと思いますが、今作にはループ要素や切ないハッピーエンド要素、ホラー要素は一切ありません。蝶のマークがキーアイテムとして出てくるくらいです。バタフライを邦題に付けるのはともかく、どこからエフェクトとクライモリを引っぱって来ようという発想になったのか。EARTH STARくん頭おかしい……

さて、では早速、この映画の詳しい内容を見てゆきましょう。まずは良い点から行きます。

今作の良い点は、サスペンス部分の出来がなかなか良いということです。

この映画は前半、実にゆっくりじっくりと時間をかけて展開を進めてゆきます。この間は唐突な展開や無駄なシーンが多めで頭が痛くなってくるのですが、後半、いよいよ犯人と対峙という段階になって、今作はその良さを見事に発揮。サスペンス映画なのでネタバレは控えますが、予想の出来ないオチがしっかりと用意されており、かつ伏線回収もわりとしっかりとしていて、ここに来て一気に好感度が上がりました。

ただし、私が今作を見ていて「いいな」と思ったのはこの部分だけだったので、逆に言うと「こんなオチすぐ予想できたが?」という察しの良い方にとっては全く楽しめない可能性も……まあ、この辺りはほとんどのサスペンスに共通することだと思いますが。

では次、悪い点行きましょう。今作の悪い点は、無駄なシーンが多いことと、説明不足感が否めないということです。

特に前半なのですが、今作にはとにかく無駄なシーンが多いと思うんです。無駄と言っても、無駄な話ばかりしていて本筋の話が進まなかったり……という意味とは少し違います。何が無駄って、「そんなに時間かける?」というほど無駄にワンシーンの間が長いんですよ。気にならない方は気にならないでしょうが、私はこれがもう気になって気になって仕方ありませんでした。

これをどうしても意識させる原因となっているのは、今作はとにかく無音の時間が長いということ。誰も何も喋らないどころか、BGMさえ一切ならない時間がとにかく多いんですよ。見終わって思い返してみると、これも伏線の一つだったのかも……と思わないでもないですが、それにしてもこれは明らかにやり過ぎ。緊張感のある場面でならまだしも、普通のシーンでもやたらと無音を多用したがるのはいただけませんでした。

これと併せて問題なのが、今作は全体的に説明不足で、突発的な展開が多いということです。今作は無音の時間が異常に長く、ワンシーンの間が無駄に長いくせに、突然話がポーンと飛んだり、かと思えば突然デスブレーキをかけられたり、と構成のバランスがメッチャクチャなので、集中してきちんと見ていないと話に全くついていけなくなる可能性が高いのです。

また、キャラクターたちの行動原理が割とガバガバで、「この人はどんな動機があってこんなことをしているのか」という部分がかなり薄っぺらいため、真剣に見ていても「なんじゃそりゃ」となる部分も多い。このせいでキャラクターたちの設定もどこか雑で、魅力があまり感じられない、というのも問題点としてあげられるのではないでしょうか。

総評ですが、サスペンス的な出来や話の流れ自体は良かったのに、構成がガタガタかつ異常な無音シーンの多さがどうしても気になってしまう映画でした。長引かせるシーンとさっさと進めるシーンのバランスを良くしていれば、映画としてはなかなか面白いものになったのではないか、と素人ながらに思います。

とはいえ見どころもきちんとあるため、気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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