「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

MEGA SPIDER メガ・スパイダー のレビューです(総合評価B+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2013
販売 アメイジングD.C.

【悲報】GW死亡

    皆で明日からもお休み、しよう!(提案)

説明するまでもなく、パッケージを見ての通りの内容です。ちなみに、《蜘蛛×エイリアン》と書いてありますが、「エイリアンのDNAを組み込んだ巨大蜘蛛が暴れる」という内容なので、別にエイリアン自体は出てきません。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“究極の融合生命体≪エイリアン×蜘蛛≫、現る! ! お人好しの害虫駆除業者・アレックスは、虫に刺された腕を治療する為、病院を訪れていた。 そこで彼は遺体安置室に潜む毒グモの駆除を、治療代を無しにする条件で引き受ける。 警備員のホセの協力を得て、安置室から通気口に潜入した彼は、異常に粘着力の強いクモの巣を発見、 更に奥に進んだ彼は病院の地下へとたどり着く。 そこで彼は妙にデカいクモを追い詰めるのだが、突然、「伏せて! 」の声とともに銃声が鳴り響く。 それは米陸軍、特殊部隊所属の美女・カーリーが放ったものだった。 しかし、そのクモは10キロはあると思われる下水道のフタを動かし、街へと消えていった。 今、未曾有のパニックが始まろうとしている・・・・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………B
モンスターの質……B
キャラクター………B
設定…………………B

総合…………………B+
おすすめ度…………B

【良い点】
・モンスターの魅せ方が上手い
・ブレないスタイル
・全体的なまとまりが良い

【悪い点】
・展開などが無難すぎて驚きに欠ける

全体的に非常によくまとまっている良作です。後一歩、何か飛び抜けた点があればA評価間違いなし、というレベルでしたが、モンスターや展開がインパクトに欠けるのが唯一物足りなかったところ。評価一覧を見ても分かる通り、全ての要素がBと今一つ惜しいレベル止まりなのは悔やまれる部分ですが、B級モンスター映画としては充分良作の域でしょう。個人的には、かなりおススメです。

【以下、ネタバレ注意!】

軍が開発した新型のクモが人を襲いながらどんどん巨大化してゆき、それに害虫駆除業者の主人公が立ち向かう、というお話です。

全体的なまとまりも良く、目立った不満点もないというかなりの良作なので、皆様是非ともご覧ください(ゴリ押し)

では早速、詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から行きます。

今作の良い点は、コンセプトが終始ぶれていないこと、モンスターの魅せ方が上手いこと、全体的なまとまりが良いということです。

まずはこの映画のコンセプトについて。今作は全体的に、ギャグテイストで話が展開されるタイプの映画です。蜘蛛に襲われようが、街が滅茶苦茶にされていようが、基本的に主人公たちは明るくおちゃらけた態度で事態に臨みます。おかげで、今作は非常に気楽な気持ちで見ていられるのです。

一方で、戦闘をはじめとするシリアスなシーンもしっかりと描けており、コメディとシリアスのバランス、メリハリがきちんとできている、というのが今作の特長でもあります。特に、病室や下水道での捕食シーンや、巨大蜘蛛による公園での虐殺シーンはかなりのクオリティを誇っており、なかなかの緊張感を醸し出していました。

次に、モンスターについてです。今作、蜘蛛のCGの出来もさることながら、何よりもモンスターの魅せ方が上手い。昔、ザ・グリードという映画のレビューでも書いたことなのですが、この手の「1体(ないし1種類)しか敵モンスターが登場しない」タイプのモンスター映画では、モンスターを見慣れて来る中盤から後半にかけて、飽きが来てしまうということが往々にしてあるのです。どれだけモンスターの造形にこだわり、動きを作りこんでみても、その一匹だけで映画1本分の間を持たせようとするのはかなり大変なことだと思うんですね。

その点この映画では、モンスターは(子蜘蛛を除けば)一匹しか登場しないものの、大きさを徐々に大きくするという方法をとることにより、戦闘に幅を出しています

今作のモンスターは、最初は数十センチ程度の大きさしかなく、この時は主に建物の排気口や下水道の探索がメインとなっていますが、それがモンスターのサイズに合わせて、舞台は住宅街から公園へ、森林からビル街へとスケールが大きくなってゆき、探索メインだった展開は銃撃戦へ、最後には戦闘機での戦闘へと変化してゆくのです。同じモンスターと戦っていても、舞台や戦闘方法が次々と変わって行く、このような工夫のおかげで、今作は最後まで飽きずに見られるのですね。

おちゃらけた明るいキャラクターたち、ギャグテイストだが、シリアスもしっかり描けているストーリー、良質な戦闘シーンと、蜘蛛の出来の良さ。キャラクターの性格とストーリー展開の相性は良いですし、ギャグばかりでは飽きてしまいそうなところを、しっかりとした戦闘シーン、捕食シーンを適度に混ぜることによって解決している。これらの全ての要素がバランスよく合わさり、今作は全体的に良くまとまっている印象も与えてくれます。

ここまでべた褒めですが、以下には悪い点、というよりも物足りなかった点を。今作の不満点は、全体的に無難にまとまり過ぎており、あまり驚きやインパクトが感じられないという点です。

今作、確かに全体的なまとまりはかなり良く、一つ一つの要素も標準以上の能力を備えているのですが、評価欄を見ても分かる通り全ての要素がB止まりと、今ひとつ物足りない感が。

例えばストーリー。蜘蛛が巨大化してゆくというのは、前述した通り戦闘の幅も広がって良い仕様だと思うのですが、結局はただ順当に大きくなってゆくだけなので先の展開も読みやすく、戦闘にも限界を感じてしまいます

 また、蜘蛛が人間より大きくなって以降は、それ以上大きくなられてもそれほどのインパクトは感じられず、しかも敵は一匹しかいないために終盤の展開は盛り上がりに欠けるという不満点も浮かび上がってきました。
 設定も、辻褄は合っているが展開的にはなかなか唐突。キャラクターも、ストーリーに合ってはいるがすごく良くできているかというとまた微妙で……という具合。こういった不満点は、少し気になりました。
 これも踏まえての総評ですが、不満点はまあまああるものの、全体的にかなり良くできている良作。モンスターの質も良好、かつ戦闘に幅があり、舞台もどんどんと変わってゆくので見ていて楽しめました。個人的には非常にオススメなので、お暇があれば是非見てみてください。
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