「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ウソ発見器 ―YES or NO 生死を賭けた選択― のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 イギリス
製作 2013
販売 ディファレンス

パッケージを見た感じソリッド・シチュエーション・スリラー的な印象を受けますが、蓋を開けてみるとバリバリガバガバなサスペンス映画です。犯行が国をまたぐスケールのデカさの割にはトリックと動機がですね、

レンタル版を字幕で視聴しました。確か、吹替えはなかったと思います。まずはAmazon先生より引用したあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

” 気づくと、深夜のスーパー・マーケットで椅子に拘束され、ウソ発見器にかけられていたジョン。しかも目の前には銃が固定されていた。店内放送から聞こえて来たのは「これからの質問に真実を答えなければ、命は無い」という言葉だった。そして、ジョンへの質問が始まった。無事にクリアしてホッとするもつかの間、第3問目はジョンが誰にも言えない“重大な秘密“だった。追いつめられたジョンが考えた答えとは(C)2013 Press On Features. All rights reserved.(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
キャラクター……C
サスペンス度……D
設定………………D

総合………………D+
おすすめ度………D

【良い点】
・飽きずには見られる

【悪い点】
・サスペンスとしてもサイコスリラーとしてもダメ
・説明放棄、ご都合主義、後出し等々なんでもあり

サスペンスとしては設定のガバガバさや説明不足ばかりが目につき、サイコスリラーとしては犯人の動機がショボ過ぎることが原因で、全体として非常に中途半端な出来に仕上がっていると思います。最初の犠牲者が出る10分頃までが一番の見どころで、それ以降はなんとも言えない出来でした。

【以下、ネタバレ注意!】

専門的なことはともかく、埋め込まれたペースメーカーを遠隔操作したり、極限の緊張状態の相手に対しても瞬時に正誤を判断できる超高性能ウソ発見器などの技術が登場することが、分かるだろう?

その技術をもっと世の中の役に立ててほしいと思った(正論)

今作はサイコスリラー感を出しておきながら、その中身は純粋な(?)サスペンス映画でした。パッケージのおっさんは10分と持たずに死にます。そしてこのシーンこそが今作における最高潮の盛り上がり場面で、残りはほぼ蛇足という驚きの仕上がり。なんだこれは。

一応、連続殺人をテーマにしたサスペンスということで、あまり間延びした展開もなく、犯人が誰なのかを推理したりすることで飽きずには見られます。しかし、良い点と言われて思い浮かぶ部分はそこしかなく、後はただただグダグダ気味の展開。というわけで、さっそく悪い点を見てゆきましょう。

今作の悪い点は、サスペンスとしてもサイコスリラーとしても中途半端であるということと、殺害のトリックに関する究明が一切なされず、何でもあり状態になっているということです。

まずは今作のジャンルについて。パッケージやタイトル的には、SAWなどに代表されるソリッド・シチュエーション・スリラーやサイコスリラーといった類の物を思い浮かばせる作りですが、何度も言うように内容的にはほとんどサスペンス映画。例えば、猟奇的な殺人は続くにしても、殺害シーンや拷問シーンが推理パートに比べて極端に少ないことや、犯行動機が「痴情の縺れ」とあまりにはっきりしすぎていること、被害者たちにではなく、犯人を追う主人公にスポットが当てられていることなどがその根拠です。

ただ、今作をサスペンス映画として「はいそうですか」と簡単に受け入れるのにも問題が。その理由は、今作がサスペンス映画としてかなり出来が悪いからなのです。

今作はスーパーの店長がウソ発見器にかけられて頭を吹き飛ばされた件に始まり、ペースメーカーの遠隔操作、電気首輪、ガス殺などなど、実に様々な殺害方法が登場します。

しかし、主人公の刑事含め登場人物たちは、誰一人として犯人の正体にしか興味がなく、被害者がどのようなトリックを使って殺害されたのか、という謎に対する追及を一切してくれないため、見ていても推理している感、謎を解いている感が皆無なのです。ペースメーカーの遠隔操作方法や、超性能のウソ発見器の出所を調べるだけでも速攻で解決できそうな事件なんですが。

また、黒幕の目的や正体が全くの不明であること、ペースメーカー操作やタクシー無線割り込み等の件について、一切のトリックが明かされないこと、主人公の妻が都合良くケータイを忘れて外出中であること、主人公が都合よく自殺してくれたこと、等々、今作は進めば進むほど蛇足とご都合主義と後出しと説明放棄の塊と化してゆき、最後は結局何も分からないまま終わるという、サスペンスとしてあるまじき展開に。
本当にこれサスペンス映画なんですかね……?

かと言って、前述したようにサイコスリラーとしては、拷問不足だわ殺害シーンは飛ばすわ犯人の目的がショボすぎるわ展開が都合良すぎるわでお話にならない、という評価に。結局、どちらとして見ても中途半端で微妙なんです。

総評ですが、中途半端。サイコスリラーとしてもサスペンスとしても全然ダメでした。唯一、展開が間延びせず飽きずには見られる、という利点があるので、その部分については良かったと思います。しかし、見る価値があるかと言われると微妙としか言えないです。

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