国籍 日本
製作 2005
販売 アートポート
こちら、チェーンメールを題材にしたホラー映画です。懐かしいですね、チェーンメール。
レンタル版を視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじと予告編からどうぞ。
【あらすじ】
携帯版不幸の手紙・チェーンメールの恐怖を描いたホラー。女子高に通うサキ、亜佐美、千花、頼子の4人。ある日、頼子の携帯に不気味なメールが届く。それは、胎児もろとも殺害された17歳の少女・橘あゆみの友人らしき人物が始めたチェーンメールで…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………D
幽霊の質…………C
キャラクター……C
設定………………E
総合………………D-
おすすめ度………D
【良い点】
・本編が短い(71分)
・ゾクッとするシーンがある
【悪い点】
・設定ぐちゃぐちゃ
・強引過ぎる展開
前半、しっかりホラーしていた部分はそこそこの出来でしたが、後半が酷すぎて擁護不能なレベルです。見る価値など、全くと言って良いほどないでしょう。
【以下、ネタバレ注意!】
多分いまどきの女子高生が見たらブチギレると思うんですけど(名推理)
前半部分のホラーしている部分はまだしも、後半部分の酷さはもはや擁護不可能。何がどう酷いのかは以下にて。
では早速、詳細なレビューに入って行きましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、本編が短くて済むということと、ホラー演出の上手いシーンがあるということです。
まずホラー演出についてですが、これはなかなか悪くなかったように思います。携帯にメールが届いて死亡が確定した後、実際に襲われるまでの間の持たせ方が良かった、と言えばよいでしょうか。着信音や物音、扉などを使って意識を散らせ、一体どこから霊が攻めて来るのかとハラハラ感を煽り、なかなか良いタイミングで襲わせる。かなりベタですが、変に凝るよりも手堅くて良かったのではないでしょうか。
ただしこのホラー演出ですが、褒められるのは一番最初の犠牲者についてだけだということも記しておかねばなりません。ビビりを自負している私ですら全く反応しないほど、二人目以降はもう全然ダメでした。
では続いて悪い点を。今作の悪い点は、とにかく設定がグチャグチャであるということと、展開が恐ろしく強引であるということの二点です。
恐らくこれが今作一番のクソ要素だと思うのですが、もうとにかく設定がグチャグチャなんです。結局、チェーンメールによる呪いというのは実在するのかしないのか、裏で糸を引いている人物は誰なのか、そもそも本当にそんな人物がいるのか、チェーンメールを送っている犯人と主人公の周りにいるクラスメイトにどんな関係があるのか……などなど、この映画は実に様々な疑問を抱かせる作りになっているのですが、その行き着く先は見事なまでの丸投げ。
上記の疑問のうち解決したものは一切なく、思わせぶりな展開の連続と、あるのかないのか分からない設定を全て説明放棄して終了させたため、「途中で脚本家が飽きたのかな?」と思われても仕方ないですよこれ。
そして、こんな滅茶苦茶な設定の基に組み立てたストーリーなので、強引な展開にならないはずもなく。例えば後半、三人目の被害者だと思われていた友達が実は生きていて、彼女こそが一人目の被害者を殺した犯人であるということが判明するわけですが、一人目の被害者は誰がどう見ても超常現象的な力によって死亡したため、この説明にはどう考えても無理があります。
しかも、彼女が一人目の被害者を殺し、主人公をも殺そうとする動機は、「主人公グループが馬鹿にしている、クラスの秀才と友達になりたかったから」というもの。「いや、意味分からんけど」と思われた方は、おそらく正常です。これに対し主人公は「は? 勝手になればいいじゃん」というド正論で対抗するものの、頭の狂った人間と超展開の前ではそんな正論通用するはずもありませんでした。ちゃんちゃん。
他にも、「謎のメールの送り主の本名と、建物の部屋単位での正確な位置情報を瞬時に割り出す技術」が登場したり、明らかに狙いすぎで寒い設定のキャラ(ヤらせろ連発)が登場したり、誰にもアドレスを教えていない買ったばかりの携帯にメールを送ることのできる超能力を持ったモブがいたりと、後半は本当に何でもあり状態。何もかも分からないまま、煮え切らない状態で視聴を終える事間違いなしの逸品です。
総評ですが、設定崩壊、説明放棄、超展開の連続など、もはや空中分解レベルの大参事でした。反面そのおかげで、笑いどころは多々あります。ネタにはなるので、興味のある方は是非どうぞ。