「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ザ・スフィンクス 秘密の扉 のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 イギリス、カナダ
製作 2008
販売 角川エンタテインメント

便宜上、カテゴリはモンスターに置いてますが、内容的にはアドヴェンチャー映画でしょうか。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

アメリカの高校で言語学を教えるロバートとその娘:カレンは、ロバートの元カノであったジェシカの突然の訪問を受ける。ロバートの父の仕事:スフィンクス研究に従事していた彼女は偶然、ある石を鍵にしてスフィンクスの内部へと続く秘密の扉を開けてしまったという。さらにその時、伝説にだけ伝わっていた悪魔の顔とライオンの身体、そして巨大な翼を持った怪物が出現、ロバートの父はそいつにやられ命を落とし、ジェシカは命からがら逃げてきたのだ。しかもその怪物を倒さないと、あらゆる生命に絶対死を与える“イシスの疫病”が蔓延されるという。ロバート、ジェシカ、カレンは怪物との戦いを余儀なくされる!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
モンスターの質…C
キャラクター……C
設定………………C

総合………………C
おすすめ度………C

【良い点】
・主役三人組はなかなか魅力的

【悪い点】
・悪役が非常に微妙
・謎解きの出来がお粗末

正直、可もなく不可もなくとしか言い難い映画でした。最後まで見られるけれど、かといって面白いかと言われると微妙と言わざるを得ないです。

【以下、ネタバレ注意!】

「えぇー、なんだよ、あれは(棒読み)」

吹替え版の音声が棒気味であること以外は、そんなに気になる部分はなかったです。良くも悪くも。

さて、今作はあらすじを見ての通り、スフィンクスから蘇った怪物とバトルしながらも、そこに隠された謎を解くために世界中をかけまわるという冒険活劇です。(おそらく予算の関係で)怪物はバトル時にはちょこちょこ人間の姿になるため、モンスター要素はあんまりないです。

さて、では早速細かいレビューを。まずは良い点から行きましょう。

今作の良い点は、主役三人勢がそれぞれキャラ立ちしており、しっかりと魅力を感じることができるという点です。

この映画の主役は主人公とヒロイン(元カノ)、さらに主人公の娘の三人なのですが、彼らはそれぞれキャラクターとしてなかなかに魅力的だったというのは良かったと思います。

主人公は「分からん」が口癖なのではないかと思うほど頼りないキャラでしたが、終盤にはしっかりと主人公らしさを見せつけ、ヒロインは戦闘要員としてはなかなかに無能ながらも果敢に危険に立ち向かってゆく好感の持てるタイプ、という具合。なんと言っても一番優遇されていたのは娘で、謎解きのほとんどは彼女が閃きで解いてしまうという有能っぷり。何にせよ、みんなそれぞれにしっかりとした見せ場があったのが良かったと思います。

とにかく、みんな話をしっかりと動かしてくれるタイプのキャラクターだったので、見ていても展開にイラついたり、ということはほとんどありませんでした。謎解きものに有能キャラは必須ですな。

良い点は以上です、続いて悪い点を。今作の悪い点は、悪役の魅力のなさと、謎解きの出来がお粗末ということです。

先に述べたように今作、主役キャラはなかなか魅力あるメンツが揃っているのですが、彼らに対抗する悪役がなんとも微妙の一言。一応誰が黒幕なのかは終盤まで明かされませんが、誰がどう見ても「うわこいつ裏切り者やろ」と一発で分かる始末。そのくせ恐ろしく小物かつ弱く、ストーリーを盛り上げるのにはあまりにも残念。キャラクター評価が
C
なのは主にこのせいです。

続いて、今作メインの一つである謎解きについて。今作はアドヴェンチャー映画であり、戦闘以上に謎解きが主要な見どころとして配置されていると思うのですが、この部分の出来がどうにも微妙の一言。

基本的に謎の解答がポンポンと即提示されるため視聴者置いてけぼりのまま話が進んでいる感が強く、そうでない部分は非常に読みやすい、ないしとてもご都合主義的な解決方法(たまたま~)をとるため、どうにもこうにも盛り上がりに欠けます

さらに付け加えるならば、今作は謎解き部分以外にも、なかなかご都合主義的な展開が山盛り。例えば、悪役(小物)が取り出した重力銃や、どんな疫病にも効く薬など、「お前ドラえもんかよぉ!?」と言いたくなるような秘密道具が登場し、主人公は怪物の倒し方を完全にたまたま発見するという謎解き放棄など。細かい粗を探せば、ちょこちょこと出てきますね。

しかしその一方で、良い点、とまでは行かないまでも感心させられる部分も。例えばラストの「全ての知識を手にするか、ヒロインと娘との生活をとるか」という選択は、ベタながらも作品のラストとして悪くはないですし、怪物がちょくちょく人間の姿に変身して戦うことも、CGを多用できないという予算の都合を誤魔化す手段としてはなかなか有りだと個人的には思いました。今作はモンスター映画ではないので、許される処置だと思います。

総評ですが、全体的に可もなく不可もなくな印象の強い映画です。見ていても退屈はしませんが、かと言って褒められた出来ではないのも確か。主に便利道具の存在が、現実味がなさ過ぎて微妙です。

モンスターはともかくとしても、謎解きの残念さと悪役の小物さにはガッカリしました。特に謎解きですが、数だけが無暗に多すぎて一つ一つの質が低いというのが致命的です。もっと数を減らしてでも、一つ一つをしっかりとやるべきでした。反面主役勢は良かったので、悪い点さえ克服できていれば……と思うと残念です。

結局、劣化版ハムナプトラ、という評価で個人的には落ち着きました。もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、どうぞ。

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