「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

TENBATSU のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 日本
製作 2010
販売 ビデオメーカー

Yahoo!映画でもAmazonでもユーザーレビューが0件なのは初めて見ました。Wikipediaはちゃんとあるのにね。世の中は広いな!(白目)

レンタル版を視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

『君と歩こう』の吉谷彩子主演による学園ホラー。高校のホラー文学研究部に所属する結季は、部長であり彼氏でもある佐野に近付く部員の綾美に嫉妬を覚えていた。そんな折、学園七不思議の噂を聞いた結季は、その呪いの儀式を実行してしまい…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
幽霊の質…………D
キャラクター……C
設定………………D

総合………………C-
おすすめ度………C

【良い点】
・ホラー演出はなかなか
・飽きる前に終わる(本編60分)

【悪い点】
・展開がワンパターン
・終盤の展開がごたつく
・設定が謎、もしくは説明不足

全体的に、可もなく不可もなくな印象が強い映画でした。本編は60分とかなり短く、またストーリーも(ラストを除き)シンプルなので、それなりに苦痛を感じることもなく見ることが出来るでしょう。

【以下、ネタバレ注意!】

無関係な人にも天罰が下る現象についてはどう解釈すれば……(小声)

今作は「①石に名前書く→②絵馬掛けに石つるす→③TENBATSU!」のコンボが基本となります。まあ、石に名前を書かれなくてもTENBATSU喰らうんですけどね。お前の設定ガバガバじゃねーか

さて、では早速詳細なレビューに入って行きましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、ホラー演出がなかなか良いということと、本編がクッソ短いということです。

まずはホラー演出について。今作、幽霊自体のクオリティはなかなか低く、殺害方法も非常にワンパターンなのですが、カメラワークをはじめ演出のクオリティはなかなか高いです。何度かゾクッとしたシーンもありましたし、少しハラハラしながら見ていたところもあったので、魅せ方が分かっていてすごいなー、と思って見ていました。

また本編が短いということも、このホラー演出の出来に関係していると思います。本編が短い、というより話のテンポが非常にスピーディーで、だらだらとした引き延ばしもなくすぐに絵馬掛けを登場させ、呪い、幽霊が登場し……という流れがポンポンと進むので、緊張感を途切れさせることなく視聴を続けることが出来ました。短い時間ながらに、ストーリー展開も割としっかり出来ていたと思います。後半以外は。

では、次に悪い点を。今作の悪い点は、殺害方法がワンパターンであるということと、終盤の展開がごちゃごちゃとしていること、ちゃんとした設定があるのかないのか分からないほど説明不足であるということの三点です。

まず殺害方法についてですが、今作は天罰をテーマとしているからか、殺害の方法はたった一つしかありません。それは、頭上から明らかに張りぼての石を投げ落とすというもの! なんという地味さ!

まあ、これ自体は別にいいんですよ。予算の問題とかもありますし。真に問題なのは、この殺害シーンの絵面が全く変わらないということです。一口に石を投げると言っても、見せ方はたくさんあると思うんですよ。それがこの映画の場合、全部の場面でその見せ方が一緒なんです。

幽霊が目を見開いたアップから石が飛んでくるカットに切り替わり、その次はキャラクターの頭に石が当たるカットへ移行。今作で死ぬ人物は大体がこのパターンで死にます。殺害方法が同じなのはコンセプト上仕方ないとはいえ、パターンやカット割りまで同じなのはさすがに手抜きと言わざるを得ないですね。もっとパターン持たせましょうよ。

次の問題は、終盤の展開についてです。今作は呪いの絵馬掛けに名前を書いた人物が襲われたことを皮切りに、部員が(ほぼ同時刻に同じ場所で)次々と襲われてゆくのですが、この二人目以降の犠牲者ラッシュが起こる終盤、まあ展開がごちゃごちゃとしていてすっきりしません

そもそも、短時間の間に「おっ、人間が犯人か→残念、やっぱり呪いでした!」のパターンが二回も繰り返されるだけでも嫌気がさしますし、結局最後、この事件の裏には部員の一人が絡んでいたことが判明するため、話の全体像が全く掴めないという後味の悪さ。正直、やりたいことをやってみただけで、ちゃんとした設定がないのではないかと疑われても仕方ないと思います。

ただ、これだけではただの思考停止なので、総評の後に、この映画のオチについて簡単な考察を行ってみました。興味のある方は是非どうぞ。

総評ですが、ホラー演出には光る部分もありましたが、全体的に展開や演出はワンパターン、かつごちゃごちゃとしてすっきりとしないので、決して面白いとは言えない映画でした。ただしつまらないとも言い切れず、話が短いおかげで飽きる前に終わってくれるため、全体的に可もなく不可もなくという評価に落ち着いてしまいます。おススメとは言い難いですが、借りてしまっても特に苦痛もなく見終わることが出来るかもしれません。

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