「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

スコージ 災いをもたらす獣 のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ、カナダ
製作 2008
販売 ポニー・キャニオン

これと言って、話すことがありません(放棄)

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編(字幕なし)とAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

長きにわたる封印から目を覚ました謎の怪物が人々に襲い掛かるSFホラー。とある教会で火事が発生。鎮火に当たっていた消防士が何者かに取り憑かれ、次々と人間を襲い始める。青年・スコットは元恋人・ジェシーと共に怪物を倒すべく立ち上がるが…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………
モンスターの質……
キャラクター………
設定…………………

総合…………………C-
おすすめ度…………

【良い点】
・モンスターの出来が良い
・ラストにかけての盛り上がりはなかなか

【悪い点】
・話が単調で途中で飽きる可能性有り
・肝心のモンスターが全然出てこず、迫力に欠ける

決して面白くなくはないけれど、さして面白くもないという映画でした。正直これ以上言うことがありません。話のテンポ自体は決して悪くなく、中盤を超えた一転攻勢からはなかなか面白くなってくるので、B級ホラー好きならば見てみても損はないと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

おっさんの通電触手束縛プレイ(セルフ)

こんなもんいったいどこに需要があるんですかね……?(戦慄)

パッケージを見ての通り……と言うべきか、とにかく触手がうねうねしたモンスターが人から人へと乗り移って行く映画です。特に言うこともないので、早速詳細なレビューに入って行きましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、モンスターの出来栄えが良いと言うことと、ラストに向けての盛り上がりがしっかり出来ているということです。

まずはモンスターについて。今作に登場するモンスターは、触手の生えた寄生型生物です。この寄生型と言うのが最大の特徴で、人間のヘソから侵入して内臓を食い破り徐々に巨大化口から出てくるという繁殖の性質があります。設定もなかなかしっかりしており、電気とアルコールという弱点がある一方で、絞首、斬首、銃殺、溺死、電気、何をしても死なないとのこと。
好きなのを選んでね。 もちろん、宿主を殺しても無意味。

この設定をにおわせる部分が作中にもしっかり盛り込まれている他、モンスター自体のCGの質もなかなか良好なので、モンスターにもしっかりと魅力を感じることが出来ました。

特にこの「明確な弱点はあるが殺せない」「人を襲う目的がしっかりとしている」という部分は、後に主人公たちが対策を立てるための起点ともなる部分であり、これをしっかりと定めたことは後半の盛り上がりに寄与したと思います。モンスター映画において、いかにモンスターの設定を作りこむことが大切かを教えてくれますね。

続いてラストに向けての盛り上がりについて。今作は、寄生獣による連続殺人事件の容疑者に間違われた主人公が、その謎を追ってゆくという話を軸としているのですが、中盤まで常に後手後手に回っていた主人公たちが一転攻勢する瞬間、この映画の面白さは加速します。

それまで逃げ回る一方だった彼らが、ついにモンスターの弱点や特性を知り、対策を立て、それを実行に移す。この流れが非常にスムーズに展開され、中盤のダレ気味だった雰囲気を吹き飛ばしてくれました。「相手の弱点に合わせた作戦を取る」というのは、やはりモンスター物として盛り上がります

以上、ここまでは良い点でした。続いて悪い点を。

今作の悪い点は、モンスターの演出に失敗しているのではないかということ、中盤の話が単調でダレ気味になってくると言うこととです。

では、またまたモンスターから。 先ほどベタ褒めしたばかりですが、このCGの出来の良いモンスター、寄生型と言うことが災いして、全然姿を見せてくれないんですよ。基本的に寄生された人間は皮膚の一部がただれたり瞳が赤く染まったりするだけなので、映像的に物足りないことこの上なし。

しかもこの寄生モンスター、本作に(メインとして)登場するのは一体だけな上、乗り捨てられた宿主は死亡してしまうので、感染が全く広まりません。基本的に敵は一体だけ&寄生されても見た目は普通の人間というのは、正直言って、モンスター物として致命的です。

そして、これが与える弊害はもう一つ。それは中盤の展開が単調になってしまっているということなのです。今作、話のテンポ自体はなかなか良いのですが、中盤は一体のモンスターが宿主をどんどん乗り換えてゆくシーンが続き、これに関して見せ場はほとんどない&映像的に派手さもなく変わり映えしないため、正直飽きてきてしまいます。せめて、寄生された人間にもっとモンスター色があれば……。

まあストーリーの都合上、主人公が犯人という状況を作り出す必要があるので、感染を広めることが出来ない寄生対象は人間の原型を留めている必要があるという事情があることは分かりますが、それならこのストーリー自体が失敗なのではないかと思ってしまうほどでした。モンスターの出来は良いだけに、余計に物足りなさを加速させてしまっています。

総評ですが、なかなか良く出来ているだけに、モンスター部分の残念さが気になります。それもCGのレベルが低いとかではなく、出来は良いのに見せてくれないという残念さ。ストーリーも、テンポは良いけれどなかなか都合良く流れすぎる部分が目に付き、話としても特に衝撃的な展開もないので、
モンスター物としてはかなり物足りない
と感じました。

ただししっかりと良い点もあり、後半の一転攻勢はなかなか見ものなので、興味のある方は是非どうぞ。

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