(画像:Amazon商品ページより引用)
国籍 アメリカ
製作 2005
販売 ポニーキャニオン
パッケージのモンスター(?)に惹かれて借りました。
レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。なお、予告編にはこの映画の続編となる『リーカー ザ・ライジング』の予告もくっ付いている版しかなかったので、前半部分だけ見ていただければ問題ないと思います。
【予告編】
【あらすじ】
“寂れたハイウェイを直走る、5人の若い男女。 これから向かうパーティを楽しみに盛り上がる彼らであったが、突然車が故障し、立ち往生する事に―。 やっとの思いで辿り着いたモーテルで、一夜を明かす事となるが、それが悪夢の始まりであった・・・。 突然、強烈な悪臭と共に現れた姿の見えない者によって、彼らは次々と血祭りにあげられていく。 この殺人鬼の正体とはいったい―(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー………C
リーカーの質……C
キャラクター……C
設定………………B
総合………………C
おすすめ度………D
【良い点】
・終盤の展開
・設定がなかなか練られている
【悪い点】
・中盤のダレ具合が酷い
良い点は結構見つかるのですが、中盤が致命傷につまらないせいで評価がマイナスに引っ張られる映画です。オチはありがちながらもなかなか綺麗にまとまっていましたが、良くも悪くもオチしかない映画だと感じました。
とにかくオチが重要なタイプの映画なので、これから見る予定の方は、以下のネタバレ部分は読まないでください。
【以下、ネタバレ注意!】
見ている途中は恐ろしくつまらない印象しかないのですが、オチを経て見終わってみたら「結構話練られてたし良かったかもしれない」と評価が上がるタイプの映画です。ですが見ている間はただただつまらなかったというのも事実。
では早速、本作の良い点悪い点を見てゆきましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、終盤の展開が良いということと、設定が良く練られているということです。
先に述べましたが、この映画はオチが分かってしまうと面白くないと思うので、これから見る予定の方はこの先を絶対に読まないでほしいのですが……。
この映画のオチは「実は登場人物はほぼ全員交通事故で死んでいて、舞台となるモーテルは生と死の狭間(?)の世界であった」というものなのです! でも正直、このようなオチは結構ありますし、実際見ている途中もヒント満載なので「ここは現世じゃないんだな」ということはすぐに分かるようになっています。私も途中で気が付きました。
この映画の本当の凄いところは、登場人物一人一人の死に方が現実での死に方とリンクしているというこだわりを見せている部分にあるのです。例えば、現実の事故でフロントガラスを突き破って死んだ人はモーテルではガラスが刺さって死に、心臓麻痺で死んだ人は殺人鬼に襲われたはずなのに外傷もなく死んでいたり……という具合に。
この、同じ殺人鬼なのに殺し方が全然違うし、殺したり殺さなかったりすることもあるという不自然な部分は作中でかなり気になっていたことだったので、オチを見た時は「なるほど」と素直に感心してしまいました。
ありがちなオチながらも、作中の出来事にしっかりとした理由を持たせ、こだわりを見せるというのは評価に値すると思います。「皆死んでいる」というオチ自体には簡単に気が付けても、「死に方もリンクしている」ということまではなかなか気が付かないポイントだと思うので、良いオチだと感じました。
ただ、気が付く人は気が付くでしょうね。死に方にこだわる姿勢というのは、ホラー映画だとそこまで珍しいこともないですし。それすら読めてしまった方には終始退屈だったかもしれません。
では続いて、悪い点を。今作の悪い点は、何を隠そう中盤のダレ方が酷いという一点に尽きます。
序盤なかなか良い感じのグロシーンでスタートしたこの映画ですが、中盤、人が死に始めるまでのダレ方は絶望的に酷いと言わざるを得ませんでした。話が進まないとかそう言うレベルですらなく、本当に何も起きないんですよ。言うなれば、「誰かいた!→いないね」的な思わせぶりな展開の連続が繰り返されることで完全に興ざめ。
またここからは好みの問題も大きいでしょうが、人が死に始めてからも、一人の死亡シーンにやたら時間をかけて描写するせいでドキドキ感も緊迫感も皆無。正直、トイレの死亡シーンなどは無駄に時間をかけ過ぎ&しつこすぎて見ていられませんでした。
もっと言えば、殺人鬼であるリーカーがそもそも怖くないというのも問題です。ビジュアルが印象的な割には登場シーンも殺し方も地味で、舐めプかと思うようなプレイングの連続。それに、死に方等の設定はしっかりしているのに、この殺人鬼については全然語られないというのも疑問が残りますね。
また、この世界での出来事が現実に反映されるのか、現実で起こったことがこの世界で反映されているのかというのがはっきりしないというのも困った部分です。なぜなら、もし前者なのだとすれば、リーカーが最後に残った二人に対しての行動は舐めプの連続(明らかに殺せるのに殺さない)で興ざめですし、後者だとすれば生者と死者は最初から決まっているので、そもそもこの世界での頑張りは全て無意味ということになってしまうからです。まあ、どちらにしても微妙ということですね。
総評ですが、良くも悪くもオチの一瞬のためだけの映画でしょうか。オチを知ったうえで振り返ってみるとなかなかに作りこまれている印象を受けますが、正直見ている間はずっと欠点が目に付くので退屈気味。殺人シーンのグロ表現はそこそこ光る部分もありますが、演出が冗長気味なのもマイナス点。
やはり、いくら作りこまれていたとしても、見ているときに楽しめないのでは意味がないと思うので、あまりおススメはしないですね。